とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

ハックGH2の設定とグレーディング

こんばんは。sumizoon(@sumizoon)です。

GH2の前回のエントリですが、一部のマニアックな方面から反響があったのでもうすこしだけ書いてみます。

 

 


Legend of GH2

 

撮影に関して

まず、撮影に使用したプロファイルは下記の通りです。フィルムモードをシネマに設定してから少しパラメータを変更した程度です。

・フィルムモード:シネマ

コントラスト:-2

・シャープネス:±0(おそらく-2とかの方がポスト処理考えるといいかも)

・彩度:-2

・ノイズリダクション:±0

尚、狙いの露出はテキトーですが、ハイライトが飛ばない様かつ露出が暗くなりすぎない程度にして撮影しました。当然モードはマニュアル露出シャッタースピードは1/50 or 1/60です。

ここらへんの話は以前書いた下記のエントリを参考にしてください。内容はGH5でのものですが、露出に関する考え方は同じです。

「クリエイティブ動画設定画面」での設定項目

GH5の設定その③ - とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ
sumizoon.hatenablog.com

 

・昼間屋外の撮影は概ね±0EV~+1EV程度 WBは晴天

・夜間屋外(日没後1時間以降)の撮影は概ね-1EV~-1/3EV程度 WBは電球

にて撮影しています。EV値は評価測光での確認値になります。

これはこのカメラに限らずいつもほぼこの設定です。

画質設定は24Hでの鬼のビットレートMAX159Mbpsのアレです。下記を参考にしてください。

sumizoon.hatenablog.com

 

・AF連続動作モードはOFF

AFSにてワンプッシュAFでピント合わせ後はピントが動かない設定です。

(尚GH2では以前紹介した下記のMF設定でのワンプッシュAFは機能しません。)

sumizoon.hatenablog.com

 

全カットスタビライザーは未使用で、手持ちか三脚を使わずにテキトーな場所にカメラを置いて固定撮影しました。

 で、あとは撮ったらDaVinci Resolveでカラーグレーディングして編集して出来上がりです。

 

少しだけカラーグレーディングに関して記述しておくと、今回の素材はビデオガンマに近いので大きくグレーディングすると破綻します。なのであまり弄っていません。

とは言え、かなりセオリーに反したことをやっていますので参考になるかどうかはわかりませんがやったことを素直に書きます。

基本シリアルノード4つの超シンプルな構成でルックを作っています。

本来は初期ノードでしっかりニュートラルを出すべきなのですが、それも特にしていません。というか、WBを適切に合わせていればほぼ不要だと考えています。。。。

 

クリップ毎のノード

ノード①色温度の調整

色温度を高く見せるために色温度設定を下げます。夜間のカットでは-1400K程

まぁこれは好みで。

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左下の「色温」を低く設定する

 またシャープネスもここで簡単に掛けましたが本来はスプリット&コンバインノードで一部チャンネルにのみシャープネスを適用する方法がありますが面倒なのでほとんどやりません。

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シャープネスをほんの少しかける
ノード②リフトガンマゲイン調整

リフト、ゲイン、ガンマをええ塩梅の所に調整します。ここではリフト+0.09 ガンマ+0.01 ゲイン0.87として調整しましたがこれは完全に好みの問題ですね。。。

 

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リフトガンマゲインを調整
 ノード③カラーホイール調整

カラーホイールを調整します。リフトは寒色系に、ゲインは暖色系に設定しています。

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カラーホイールでシャドーを寒色にハイライトを暖色に振る

所謂補色設定ですがこれも好みがあると思います。ちなみにこのとき注意するのはキー設定を行う事です。じゃないとちょっと動かすとすぐに色が動きすぎてマトモに調節がききません。このキーは各ノードの影響度を調節するような役割がありますのでホイールを大きく動かす代わりにこのキー0.3とかに設定して薄めて使います。

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カラーホイールを弄るときはキー出力で効きを弱めて使います

 

 ノード④トーンカーブによるコントラスト微調整

最終的なコントラストを微調整します。ここでもキーを低く設定して微調整をしやすくします。

 

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トーンカーブを弄る(キーは上記同様に低く設定する)

 

とまぁこれだけです。本来はさらにセカンダリで追い込んだりするべきなのでしょうけど簡単なYoutube作例でしたらそこまでしないでも十分かなと思います。

※一部カットはセカンダリでパワーウインドウつかったりしてますが、ほぼ上記と思っていいです。

また、本来は?色を触った後にトーンを弄るっていうのはコントラストファーストのセオリーから外れていますし、ニュートラルを出さずに最初にいきなり色温度を触るのも本来はアカンと言われる方法だと思います。

でも、私の場合多くのケースで、これくらいの簡単なグレーディングで1カット30秒とかで終わらせることが多いです。

 

タイムラインノード

 全体にビネット適用

あとはタイムライン全体でビネッティング(周辺光量)を落とした雰囲気を作っています。

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ノードウインドウの上をタイムラインに切り替えて全体的にビネッティングを作る

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ノードウインドウの項目をタイムラインに設定することでタイムライン全体にノードを適用できる

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ビネッティングはリフト、ガンマ、ゲインを若干低く設定することで作っている

以上です。プロのカラリストの方がもし見たら舐めてんのか?と言われそうな感じの流れですが、特にやってダメな事もしてないつもりです。

 てなわけで今回の作ったルックを下記にLUTとして置いておきます。だれも必要としてないとは思いますけど。。。。ちなみにLUT情報にはビネッティングは含まれません。あくまでLUT色情報なので位置依存のあるグレーディングの情報は持たせられないのですよね。当然ちゃ当然ですけど。

 

GH2_DAYLIGHT.cube. ←日中撮影用

GH2_NIGHTSHOT.cube←夜間撮影用

尚、過去に公開しているLUTは下記にありますがそれぞれ説明は別の機会にでも書こうと思います。ではでは

 

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