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CANON EOS R5のスペックの噂と推測

何の事?と言うとコレです。

CANON Rumorsに掲載されたこの記事の事です。

CANON EOS R5のスペックの噂

www.canonrumors.com

これに関してはご存知デジカメinfoさんが日本語訳で紹介しています。

digicame-info.com

キヤノンEOS R5のスペックに関する情報 - デジカメinfo

 

まぁ、動画野郎には動画スペックしか目に入ってこないわけでして、その動画に関わる「噂とされる」スペックを見てみると

・45MPix

・ボディ内手振れ補正(5段分)

・レンズ内補正との協調動作で最大8段分

・8K30p RAW

・4K120p

というもので発表はCP+前、発売は2020年6月

 

これに関して思う所を書いてみたいと思います。

そしてこれらに関しては確定情報「CR3」レーティングとして記載されています(ホンマかいな)。

この噂は現実的なのか?

いくつか疑問点が沸いてきます。

8K30p RAWという点

これって仮にセンサーがこの速度を達成できたとして画処理側が追いつくのか?という点。これに関してはCANON EOS 1DX MarkⅢ(2020年2月14日発売予定)のスペックから考えてみます。

1DX MarkⅢは5.5K RAW 60pのスペックを誇ります。この際の5.5Kの正確な記録画素数は5472 x 2886です。

 EOS R5で噂されている4500万画素は3:2センサだと思われますので、そこから水平/垂直解像度を算出すると約H8216 x V5476画素という事になります。そしてこの水平方向をフルに活かして8K30pの16:9の読出しができることを想定すると

8216x4620画素近辺という事になります。よって下記を想定し、データレートを算出してみます。

 

◆EOS R5と噂される予想スペック

 ・8216x4620の秒間30フレーム読出し

 ・12BitRAWで読み出し&記録

  →12.72Gbps (8216*4620*12bit*30fps=12.72Gbps)

 

これに対して

CANON EOS 1DX MarkⅢスペック

 ・5472x2882の秒間60フレーム読出し

 ・12BitRAWで読み出し&記録

  →10.57Gbps (5472*2882*12bit*60fps=10.57Gbps)

 

 EOS R5(の噂)とうたっている機種の方が1DXⅢよりも読出しレートは高い必要があるわけです。ただ、これだけ見るとEOS 1DX MarkⅢと比べて極端にデータレートが高いわけではないのでセンサーインターフェース的には無謀ではない様な数値に見えます。仮に7680x4320の30pだったとすると11.12Gbpsとなります。

 ここから導き出される推測は、1DX MarkⅢのエンジンに若干余力があれば8K30p相当のデータを処理することが出来る。という事になります。これは事実だと思われます。また4K120pもデータレートは8K30pと同じなので4K120pも同じように処理が可能ということが言えます。

じゃあ、本当に8K30p/4K120pをやってくるのか?

こればっかりは、一個人では知る由もありません(あたりまえだけど)

とは言え、EOS R5のスペックが達成されると仮定した場合、ガチのシネマカメラのEOS C500 MarkⅡを超える存在になります。

C500 MarkⅡと比べて

C500 MarkⅡは

・5.9K フルサイズセンサ搭載

・12Bit RAW記録時は30p

・4Kは60pまで

https://cweb.canon.jp/cinema-eos/lineup/digitalcamera/c500mk2/img/index/key-visual.jpg

https://cweb.canon.jp/cinema-eos/lineup/digitalcamera/c500mk2/index.html CANON HPより

ちなみにコレ、170万円です。

EOS 1DX MarkⅢと比べて

また、先ほどデータレートは比較してみましたが、EOS 1DX MarkⅢの

4Kは60pまで

と言う点と比べても一気に倍のフレームレートをそう簡単に実装してくるとは思えません。いや実現してきたらマジで購入悩みます。

https://cweb.canon.jp/eos/shared/image/keyvisual/eos1dxmk3-750x370-wide.jpg

https://cweb.canon.jp/eos/lineup/1dxmk3/  CANON HPより

普通に考えたらネタじゃね?

 技術的にはもう8Kのカメラは一部業務用途では実用化されています。でも、このクラスの性能をEOS Rの残念だった動画スペックを遥かに超えて、更に1DXⅢとシネマイオスを飛び越えてやってくるかっていうと、ちょっと現実的ではないと思います。仮に50万円で発売されたとすると、超バーゲンプライスという事になります。発売されるとキヤノンのシネマカメラの存在意義って。。。という気もする。それにあまりにぶっ飛び過ぎててネタとしか読めません。

 シネマEOSとカニバってしまうからか、この数年のEOSの動画機能は全然魅力的では無かったからです。1DXⅢは動画でもかなり尖っていますが、8K30pと4K120pというぶっとんだスペックをスチルの高画素機にとても積んでくるとは思えないのです。

 じゃあ、これどこから出た噂なのか。。。。

 

どこから出ている噂?

 こ手の噂に関してはいくつか想定できます。そしてこの噂は真実であるケースも含めると下記の様なものかなと想像しています。

①真実であるケース

 Ⅰ 企業が意図してリークするケース

 Ⅱ 内部情報を知る人のリークによるケース

 Ⅲ フィールドテストなどでリークするケース

 特にⅠはカメラに限らず他社(製品)をけん制する、コアなユーザーが他社に流れるのを阻止するという効果からあると思います。というかこれ明らかに企業側が漏らしてね?という情報も過去にあったように思います。ⅡとⅢに関しては似た側面があると思います。

 ただ今回の情報がこれらに当てはまっているかは謎です。仮にⅠだとして何かをけん制必要って今の所ない様に思えます。

 逆にアンチな方がハードルを上げるために、わざとハードルを上げているケースなんかも可能性はゼロではないかと思います。とにかく普通に発表するよりも持ち上げといて落とした方が、がっかり度は高まる気もします。まぁ、この手の噂サイトはコアな一部の方の楽しみでしょうから、それが製品イメージのダメージになるとはとても思えないけど。

②情報ソースの無いまったくのデマ説

 Ⅰ ブログやサイトの閲覧数を増やすためのデマ情報

 Ⅱ ユーザーの希望的観測

 要はブログのビュー数ってのはお金になるわけです。この手の、あり得そうなワクワクするスペックってのはそこそこ目を引くため、特にワールドワイドでの情報発信サイトの閲覧数としては結構金になっているはずです。よく見る「なんちゃろrumors」とかはとんでもない広告収益が有るのは想像に難くはありません。

 なので、この手のビュー数が稼げる製品スペックの噂というのはサイト運営側には美味しいネタなはずです。

 また、Ⅱも意外とあるかもと思います。そしてⅡから始まり人づてに広がって、噂サイトに情報が流れつく、と言ったケースもあるかもしれません。とにかくカメラ好きはスペックに関してはワクワクするので、次はどんなスペックだろうと想像していくだけでとんでもない状態になっていきます。これα7SⅢのことかもしれん。。

 個人的には今回のEOS R5の噂はこっちから発生した可能性が高いんじゃないかなと思っています。

 

 とは言え、これが本当なのか否か、とりあえず、発表と噂される2月を楽しみに待っています。

 

ではでは