定期購読しているビデオSAOLONですが、2020年3月号が発売されました。詳細を書いてしまうとマズいので特集の項目と概要について紹介したいと思います。
特集:「写真」から「動画」へ
ビデオSALONは普段は、動画の撮影者の読者がほとんどだと思いますが、普段スチルを撮っている方に、そろそろ「動画」初めて見ない?と訴えかける特集タイトルです。動画撮影の主流が一眼にシフトした今、写真から動画の移行について陥りやすい落とし穴について分かりやすく紹介しています。
「良い写真」ってなんだろう、「良い動画って何だろう」
ここでは写真家の公文健太郎氏の思いが語られています。詳しくは紹介しませんが(できませんが)この文章を読んでいて、動画を撮るからスチルに対する幅が広がる、スチルを撮るから動画(映像)の幅が広がると言う意識を改めて強めた次第です。私もスチル、動画両方を撮影する者として写真、動画でなければ撮れないモノについて改めて考えていくきっかけとなる文章だと思います。
動画制作事始め 〜これだけは頭に入れておこう〜
ともすれば、こうやって設定すればちゃんとした動画が撮れる、といった技術論を想像しがちなタイトルですが、流石にビデオSALONなので、とっかかりは動画を撮るマインド的な内容から紹介されています。
サブタイトルだけ紹介すると
基礎講座 Part1 動画を成功させる作業配分や作法を知る
動画の種類と難易度を理解する
動画制作でつまずくのはナゼ
スライドショーに陥らないために
途中でつまずかないための企画&構成の基礎
撮影の前にやっておくべきこと
ストーリーを作る/三段構成と起承転結
ドキュメンタリーに向き合う場合
つながる画を撮る
この様に基本的には技術論ではなく動画撮影、制作に関する心構え的な内容になっています。解説:小島真也氏(フォトグラファー&ビデオグラファー)
基礎講座Part2 スチル撮影とは違う動画撮影のためのカメラ操作と機材の基礎知識
カメラ選び
絞り
ISO
音関係
照明関係
三脚
外部モニター
スライダー・ジンバル
Part2では機材・設定を含む撮影技術に関する解説になっています。いずれも動画撮影に関しては必要な知識です。特にスチルから移行する際に陥りやすい撮影技術的な内容に関しても分かりやすく説明されていると思います。既にがっつり動画を撮っているハイアマクラス以上の方にはやや物足りない印象かもですが、例えばシャッタースピードとかって意識されない方も多いのでそこら辺を知りたい方は参考になると思います。
解説:柳下隆之氏(カメラマン)
クリエータ紹介
「写真から動画へ」を具現化したクリエータ6名のクリエータの考えについて記載されています。
高橋拡三氏:ハイブリッドなStill&Movieカメラマンへ
公文健太郎氏:あくまで写真家として動画の付加価値を
水谷伸之氏:自分しか撮れない何か、を追い続ける
雪森るな氏:制約と可能性に魅力を感じて表現手段に動画を選択
嶋田史郎氏:企業のなかで動画の発信力をフル活用
本橋成一氏:写真と動画の「これまで」そして「これから」
「動画制作」を成功に導く機材導入術
ここでは動画制作以外の一般企業における動画マーケティングにおける機材導入事例に関して紹介されています。一般的に企業が営業活動に使用する動画は制作会社に外注するケースが現在は多いともいますが、5G時代に突入するに従って、爆発的に動画を営業活動で使用される未来が想像できます。故に、ある程度のクオリティであれば内製化すると言うのもありうる時代なのだと思います。
とりあえず、スチルはやってるけど、動画を初めて見ようかなと思っている方はこの本を手にとって動画を撮影するきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Kindle版は1,210円(税込)で少し安いのでお勧めです。