デジカメInfoの
と言う記事が載っていましたが、ちょっとこのネタになっている特許について調べてみました。と言うか、この手の噂は上っ面じゃなくて、掘り下げられる余地があるのでいろいろ調べてみたくなる筆者なのでした。。
デジカメInfoの記事から
ソニーの曲面型センサー用の中判レンズ群の特許
曲面型センサーの中判フォーマット用に設計されたレンズ群の特許を見つけた。もちろん、ソニーがこのレンズ群を本気で考えているのか、単なる理論的な演習や防衛手段なのかどうかは分からない。
以下はソニーが特許出願している曲面型センサー用に設計された中判レンズ群だ。
- 387mm F2.8(全長679mm)、フルサイズ換算240mm
- 323mm F2.8(全長576mm)、フルサイズ換算200mm
- 258mm F2.8(全長380mm)、フルサイズ換算160mm
- 161mm F2.8、フルサイズ換算100mm
- 84mm F2.9(全長123mm)、フルサイズ換算52mm私は、ソニーが曲面型センサーの中判カメラを開発するのは大いに理に適っていると考えている。
とは言っても請求項、実施例はマトモに読める程のオツムは持ち合わせていないので、この特許が出願された時期とかの情報について調べてみました。
内容的には確か645サイズの撮像素子についてられており、レンズの構成について記載されています。が、請求項自体は645センササイズを限定した記載にはなっておらず、フルサイズやAPS-Cでもこのクレームに当てはまる事になりそうです。
ですが、この出願は権利化はされていません。この手のサイトで「特許」と書かれている知財出願は内容が公開されているだけで「権利化された特許」では無い事が多いです。多くが審査請求中か公開の状態。
当該出願は2015年→みなし取下げ
特許庁のデータベースを調べてみると当該特許は下記のものでした。
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-102189(P2017-102189A)
(43)【公開日】平成29年6月8日(2017.6.8)
(54)【発明の名称】撮像装置、および電子装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/02 (2006.01)
【FI】
G02B 13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-233452(P2015-233452)
(22)【出願日】平成27年11月30日(2015.11.30)特許庁データベースより
さて、この特許が出願された年は?と言うと、2015年。かなり前に出願された特許と言う事がわかります。
少なくとも、この特許の内容は4年半は製品化をされずにいる状態であると言う事がわかります。もちろんこの先製品化される可能性もありますし、されないケースも当然あります。
一般に知財出願がされたとしても、企業の特許の場合は製品化されるケースは結構少ないと言うのが私の印象だったりしますので、この特許もその一つかなぁと思って見ていたりしました。
特許データベースへの直接のリンクはおそらく許されていませんので、内容に興味のある方は、下記、特許庁のデータベースで「特開2017-102189」を検索してみてください。
出願細項目記事 を調べてみると結局の所下記のステータスである事がわかります。
「査定種別(査定無し) 最終処分(未審査請求によるみなし取下) 最終処分日(2019/02/05) 」
つまりは、特許庁に出願したものの最終的には権利化をやめている(or諦めている)形となります。
湾曲センサーの現在地
一時期デジカメInfoなどの噂サイトでみる単語だった「湾曲センサー」ですが、最近はめっきりその名前も見なくなりました。この特許もみなし取下げになっている事ですし、湾曲センサーって一時期に技術は開発したものの幻の技術になったんだろうな。。。と思っていました。
一時期はVLSIシンポジウムなどの権威ある国際学会でも発表されていた湾曲センサーですが、どうもこの数年は噂サイトにそれっぽい記事で登場するだけになってしまった様に思います。
一般的な噂サイトよりもよっぽど為になる?Imagerマニアさんの下記記事も湾曲(曲面)センサについて記載しているのはかなり昔の事のになります。
そもそも、なぜSONY AlphaRumorsが「今更」2015年の出願特許を紹介しているのかと言うのはちょっと謎ではあります。この出願に関しては当時湾曲センサーをウォッチしていた人なら相当数の人が知ってたでしょうしねぇ。。
単なるアクセス数稼ぎのネタなのかそれとも製品化される可能性が高まっているから流した噂なのか?なんとなく前者にしか思えてなりません。
個人的にはレンズ交換式やボディ内手振れ補正の相性が悪い(と思われる)ため、そこまでの製造コストを払ってまで筋の良い技術には思えてならないのです。もちろんレンズ固定式であればその限りでは無いと思っています。そう言う意味で、ミラーレスとしての搭載の未来はぶっちゃけ来ないのでは無いかと。。。。(あくまで私の予想なので外れる事は多々あります。)
とか言う背景を思いながら、デジカメInfoのコメント欄読むのって面白いです。
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