LUMIX S5に関して。
現時点ではスペックシートが明かられていないものの概ねリークの情報は正しいと言う事を前提に書いてみたいと思います。
事前リーク内容と発表イベントの動画に関しては私のもう一つのブログに記載した通りです。
9/2の23時に公開された下記の動画をご覧になった方も多いかと思います。
LUMIX New Product Launch Event | LUMIX S5
主要スペック
主要スペックは下記の通り(事前リークから抜粋)
・有効画素数:24.2MP
・ダイナミックレンジ14STOP+
・UHD4K30p/UHD4K60p 10bit(60pはクロップと思われる)
・9600万画素相当ハイレゾモード
・ダストリダクションシステムあり
・FHDフレームレート最大180fps
・Logガンマ収録可能(プリインストールされている?)
・ボディ内5軸手振れ補正(Dual I.S.2時最大6.5段分)
・メカシャッタスピード最大1/8000秒
・EVF236万ドット
・最大ISO感度:204800
・デュアルネイティブISO(100/640@通常、640/4000@V-Log)
・波形モニタ表示
・アナモフィック対応
・XLRユニットDMW-XLR1対応
・AF:DFDコントラスト
・HDMIポート:microHDMI
・SDダブルスロット
・フリーアングル3.0インチ184万ドット タッチ対応
・バッテリー7.2V, 2200mAh, 16Wh 新バッテリー?
・USB充電、給電可能
・本体のみ重量630g / バッテリーSDカード込み重量
これらは下記のプレスリリースと矛盾するところは有りませんでした。
ですが、事前リークでは明らかにされていなかったのが下記です。
・ATOMOS NinjaVによる5.9K ProResRAW収録
・ローパスフィルタレス
・AFの改善
・V-Logプリインストール
後者に関してはB&Hのこのスペック比較を元に書いていますので、メーカーによる正式発表では有りません。なのでB&Hの記載ミスと言う事もあるかもしれませんが、この記載が正しい前提で書き進めます。
私なりの感想
ここをご覧になっている方のほとんどは動画撮影に興味をもたれている方だと思いますが、まずLUMIX S5は連写速度こそS1の9枚/秒から7枚/秒に、EVFも画素数を抑えているもののスチル機としての性能はLUMIX S1に対して遜色無いと思います。ティザー映像などプロモーションが結構動画機としての扱いになっていましたが、動画特化機と言う訳では有りません。でも動画特化機のS1Hに劣らない性能を有するミニS1Hと言うのが第一印象です。(TC同期とか無制限連続撮影とかそう言う点は置いといての話です)
ProResRAW対応
まず、予想していなかった点としてLUMIX S5はS1H同様にNinjaVでのProResRAW撮影に対応すると表明されています。
ATOMOS NinjaV + S1H
ProResRAWに関しては近く、作例とインプレを公開したいと思いますが、とにかくえげつない解像度で驚くべき描写をします。Youtubeを通して共有する事が非常に難しいですが、 いわゆる圧縮コーデックとの絵とは一線を画す、ベールを数枚剥いだかの様な鮮明な映像です。
それをS1Hの半額の値段のS5で実現するのですからそりゃ使ってみたくなります。
ローパスフィルタレス
ご存知の様にS1Hではプロ機としてモアレの発生を極力排除するために光学ローパスフィルタが搭載されています。ある周波数帯域をあえて落とす処理を物理的に施しています。これがLUMIX S1と比較した場合にS1Hが微妙に解像感が低い要因です。
映像の場合はむしろモアレの発生が気になるケースがあるため若干の解像度低下を敢えてしているのがS1Hです。もちろんダウンサンプリングの4Kで見る場合の解像度は両者でほぼ違いはみられませんが、スチル解像度でみた場合にはそれなりに違いは確認出来ます。
https://panasonic.jp/dc/products/s_series/s1/high_image_quality.html
S1HとS1の比較同様に、S1HもS5もUHDで撮った場合には5.9Kからのダウンサンプリングですので大きな出ないでしょう。ですが、5.9KRAWを等倍で見る場合にはS5の方が解像感は上になる可能性が高いと言えます。
もちろん特定高周波成分が繰り返す人工物を撮影する場合はモアレが出る場合はあるかもしれませんが、LUMIX S1で動画を撮っていてモアレが気になったケースと言うのは私の場合は実は数回しか有りません。これはLUMIX S5でも同じと考えられ、主に風景撮影をしている人の場合は問題になるケースはほぼ無いと思います。
S1HのRAWもヤベーと思いましたが、さらに解像感が高いS5でのRAW撮影と言うのは非常に楽しみです。
ま、このローパスフィルタレス仕様はスチルとの兼用を考えて導入される方には大きなメリットの1つだと思います。スチルも動画も高解像で撮れて値段も安い、しかも熱で止まる可能性もテスター間では問題なさそう。とにかく何かと使い勝手が良さそうに思います。
うーん、こりゃS5はGHシリーズ並のヒット商品になるような気がする。。
AFの改善
これは実際に見ていただいた方が良いかと思います。既にRichard Wong氏がここら辺のテストを行っていますので参考にしてみてください。S1HよりもAFの性能は高いのが分かるかと思います。
なお、S1/S1Hも後日同様にファームウェアアップデートがなされる様です。
V-Logプリインストール
これも気になっていた点です。
S1では別途購入する必要があったV-Logオプションですが、S5ではプリインストールされている模様です。なのでS1よりもだいぶお得感が出ます。
https://panasonic.jp/dc/products/s_series/s5/movie.html#14_stop
とにかく映像でダイナミックレンジを広く撮りたいのであればLog撮影は事実上必須の機能です。S1H譲りの14+STOPの広ダイナミックレンジを小型ボディで扱えるのは素晴らしいと思います。
EOS R5やα7SIIIと比較して
これに関しては様々な意見があると思いますが、個人的な意見を書いてみたいと思います。
まずEOR R5に関してですが、4Kモードでも熱の問題が色々取り沙汰されている状態では仕事や重要な撮影で使う場合にはちょっと不安が残ります。
もちろんミラーレスカメラで8K動画が必須ならEOS R5しか現状選択肢は有りません。そして時間制限があるとは言え8Kの高解像度で撮るニーズは一定数あって超高解像の映像を瞬間芸的に撮ると言うのがEOS R5の使い方だと思います。
個人的にはEOS R5はやはり「スチル機」であって、映像機器としてみた場合は個人的にはかなりバランスを欠いていると言う印象が否めません。
それと対極にあるのがα7SIIIです。画素数をEOS R5の1/4に抑える事で熱をセーブしバランスの良い、全乗せの素晴らしい「動画特化機」と言えます。
つまりスチルの解像度を犠牲にする事によって得られる超高感度と高速性、連続動画撮影性がα7SIIIの真骨頂です。35mm画角のガチの4K動画を主眼にするならα7SIIIと言う選択肢が一番妥当でしょう。ただし、Super35mmのクロップ時には当然ながら4Kの解像度が出せないと言う弱みがあるので距離を稼ぎたい撮影にはやや不向きです。
じゃあ、LUMIX S5はどのポジションなのかと言うとスチルの解像度と映像の運用性を両立させたEOS R5とα7SIIIの中間のバランスポジションにある製品だと思います。かつ必要十分で値段も安い。
Super35mmクロップしても4K以上を保つクロップ耐性にはα7SIIIには無い部分です。
また熱で止まる事なく5.9Kオーバーサンプリング撮影出来ると言う点はEOS R5には無い部分です。ただし120pを超えるフル画角のスロー撮影の場合はFHDになるのがS5の弱みなのかもしれません。ですがS1/S1Hで見る限りFHDの画質はかなり解像度が高く、ひと昔前のFHDの画質とは全く異なるので、S5でもどれくらいの画質を担保しているかは注視したいと思います。
つまりスチルも動画も極端に飛び抜けていないが、業務でも安心して使えると言うバランス機がLUMIX S5なのだと個人的には思います。
まぁ極端に飛び抜けていないと書いたものの35mmフル画角4:2:2 10bit内部収録や5.9K外部RAW収録はミラーレス一眼として十分飛び抜けているし、ハイレゾの96M撮影とかのスチル機能も飛び抜けているとは思うけどね。。。
結局私がLUMIXを使うワケ
一時期キヤノン(EOS 5D/EOS50D/5DMK3)もソニー(α6300/α7S)も使ってきた私ですが、LUMIXに落ち着いた理由に関しては何時か記事を書きたいと思います。
でもこれついて端的に書くなら、LUMIX全般の考え抜かれた操作性から来る「撮れ高の高さ」と「絵の素直さ、トーンの美しさ」につきます。
特にLogのカーブをいじっても色が転ばないV-Logの絵は色を重視したい私にとって生命線の様なもの。おそらくLUMIX S5もVaricam35直系のVaricamルックでしょう。それがマイクロフォーサーズと同じコンパクトなカメラで運用出来る事を考えるとワクワクでしか有りません。
うーんS1をS5にリプレイスするかなぁ。。。とは言えS1も個人的には凄く気に入っているので早く実機を触って確認したいところです。と言うか発売日は何時なのだ??→国内発売日は9/25との事
筆者:SUMIZOON
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