とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

α7Cが向く人、向かない人

 いや今年はフルサイズミラーレス一眼の豊作の年になったもんです。今年になってから発表もしくは発売された機種を挙げると

 

キヤノンEOS R5 2020/7/30発売

キヤノンEOS R6 2020/8/27発売

Nikon Z 5 2020/8/28発売

Panasonic LUMIX S5 2020/9/25発売予定

SONY α7SIII 2020/10/9発売予定

 ほとんどがこれからの発売を迎えるわけですが、ざっとこれだけあります。そしてかねてより噂のあったα7Cが本日発表になったわけです。

SONY α7C 2020/10/23発売予定

ていうか、これだけフルサイズカメラが発表になった年ってのは初めてじゃないでしょうか。

 今回は動画、スチル用途を問わず、α7Cが向く人、向かない人という観点で書き進めたいと思います。

 

 既に高澤けーすけさんがレビュー動画をアップしていますので大きさ、概要はこれを見るのがいいかと思います。

【待望の新カメラ】 Sony α7C先行レビュー!万人におすすめできるフルサイズミラーレス一眼

スペック

・有効24.2MP フルサイズExmor R CMOSセンサー
・アンチダスト機能:あり
・動画:4K30p(100Mbps) 4:2:0 8bit、フルHD120p 4:2:0 8bit
・動画 Slow&Quick 1fps~120fps
・フォーカスシステム:ハイブリッドAF(像面位相差AF/コントラストAF)
・AF測距点:693点(像面位相差)、瞳AF(動物はスチルのみ)
・測光:1200分割測光、測光範囲-3~20EV
・ISO範囲:ISO100-51200(拡張で50-204800)
・アンチフリッカー:あり
・液晶モニタ:3型92.1万ドット
・連写10コマ/秒
・シャッター:1/4000秒-30秒(メカシャッター)、1/8000秒-30秒(スチルの電子シャッター)
シンクロ速度:1/160秒
・手ブレ補正:5軸センサーシフト、5段分の効果
・端子:USB Type-C(3.2)、HDMI Type-D、3.5mmマイク端子、3.5mmヘッドホン端子
・ステレオマイク内蔵
・バッテリー:NP-FZ100、バッテリーライフはスチルで680枚(EVF使用時)、740枚(モニタ使用時)、USB充電可能。
・USB給電:あり
・重さ:バッテリーとメモリカード込みで509g、ボディのみで424g。
・大きさ:124.0 x 71.1 x59.7mm

 

 動画撮影の部分においては基本的にα7IIIの性能を踏襲しています。4K30pは1.2倍クロップなのでご注意ください。ソフトも含めて性能に関してはα7IIIからかなりの部分がキャリーされていると思います。

α7Cがお勧めな人

AFを重要視する人

 ソニーお家芸であるAFですが、α7IIIよりも更に進化している様です。スチルではビシッと、動画でもカメラ任せに撮っても違和感のないAF動作なのはソニー最大の強みだと思います。

https://www.sony.jp/products/picture/y_ILCE-7C_RealTimeTracking.jpg

https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/feature_2.html

そして、気になるのがこの文言

「AF-S、AF-A、DMFモード設定時でも、AF-ONを押せばリアルタイムトラッキングが自動的に作動」

https://www.sony.jp/products/picture/original_ILCE-7C_AF-ON.jpg

 これGH伝統のMF時のワンプッシュAFが使える様になったという理解ですがあってますかね?(だれか教えてください)

コンパクトさを求める人

 とにかく小さいです。そして重さもバッテリー込みで509g。キットの28-60mmを付けても676gです。これは最近小型軽量で話題のLUMIX S5+20-60mmF3.5-5.6の714g+350g=1064gに比べて400g近く軽いです。少し広角が足りないと感じる方もいるかと思いますが、通常のスナップであればワイド端が28mmというのもコンパクトであることを考慮すればアリなのだと思います。

https://www.sony.jp/products/picture/y_ILCE-7C_Mainvisual_Feat01.jpg

https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/feature_1.html

バリアングルがいい人

 α7IIIまではチルト方式の背面液晶を採用していましたが、α7Cではバリアングル液晶が採用されています。これは自撮りしたいという人にも、液晶を見ながらローアングルで縦撮りしたい人には向いています。また、動画撮影に関してですが、いまでこそ液晶視認性の良い45度ジンバル(スラントタイプジンバル)が一般的ですが、なんやかんやでバリアングルの方がジンバルでの撮影はラクです。ソニーのフルサイズでバリアングルを待っていた!でもα7SIIIまでの機種は要らん!って人には福音かと思います。

https://www.sony.jp/products/picture/y_ILCE-7C_Low-HighPosition.jpg

https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/feature_4.html

スチルも動画もカジュアルに撮りたいという人

 先日発売されたα7SIIIを引き合いに書いてしまうと、α7SIIIはかなりガチの動画機です。その代わりにα7SIIIスチルとしての解像度は抑えられています。今となっては12Mの画素数はスチル撮影に関しては正直画素数不足を否めないですが、α7Cは24Mなので解像度としては極端に大伸ばししない限りは十分な画素数であると言えます。加えてα7III譲り(あるいはそれ以上)のAFを備えています。とにかく楽にスチルも動画も撮りたいという人には非常にマッチしている機種と言えます。

 

α7Cをおすすめしない人

 

4K30pをフル画角で撮りたい人

 α7Cの4K30pは1.2倍クロップになります。35mmのフルエリアを使用した4K撮影は24pオンリーとなりますのでその点はご注意ください。これはLUMIX S5の4K60pのスペックでもAPS-Cであることで、似たような指摘をされている方もおられますが、センサー出力の制約、もしくはセンサ出力を受けるエンジン側の処理能力によるものと思います。どうしてもフル画角30pで撮りたいという人はFHDを使いましょう。まぁ1.2倍クロップってのは動画ガチ勢以外はあまり気にならないって人が多いかなと個人的には思います。

動画の10bit撮影が必要と思う人

 動画の記録フォーマットは全て8bitになります。そもそもゴリゴリにカラーグレーディングするというターゲット向けカメラではじゃないでしょう。これはソニーのミラーレスで10bitを撮りたければ今はα7SIIIを買ってくださいというソニーのメッセージなのだと思います。10bitが無い分(α7IIIを踏襲した分)価格が安く抑えられていると考えるべきでしょう。Log撮影でバンディングの無い自由度の高いグレーディングをしたい人は10bit撮影できる機種を選んだ方が幸せになれるかもしれません。
 とは言え、4:2:0の8bitデータでも撮影時にある程度追い込んで編集時にカラーグレーディングを最小限に抑えればどうにかなるケースも多いと思いますけどね。

カスタムボタンを多用する人

 カスタムボタンがα7IIIから削減されていますので、スチル、動画撮影を含め細かい設定をちょくちょく変えて撮るような人には向かないかなと思います。もちろん運用次第ですが、どちらかというと細かい設定をせずに気楽に撮りたい人向けだと思います。

https://www.sony.jp/products/picture/ILCE-7C_top.jpg

https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/

デュアルスロットじゃないといけない人

 Youtubeの影響かいつしかカードスロットはデュアルじゃないとダメみたいな風潮がありますが、個人的には仕事以外の場合でデュアルは不要だと思っています。とは言え万が一のデータ消失を気にする方には向かないかと思います。カメラを二台もっていけば済むので対策手段はあると思うけどね。

https://www.sony.jp/products/picture/ILCE-7C_terminal.jpg

https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/

HDIMIマイクロ端子に拒否反応がある人

 α7CはHDMI出力がマイクロ端子です。フルのHDMIを採用しているフルサイズミラーレスは最近ではLUMIX S1Hとα7SIIIだけという認識です。LUMIX S5もα7Cもどちらもマイクロなんですよね。。まぁ丁寧に扱えばよいと思いますが、よく壊れるのがマイクロHDMIです。どうしてもHDMIケーブルを指すならケージ&ケーブルクランプを買いましょう。SmallRigから早々に発売されるはず。

 

光軸上にファインダーがない事を気にする人

 これは特に望遠撮影をする人ならわかると思いますが、光軸上にファインダーが無いと被写体の導入が難しいためです。特に400mm域になると遠くの小さい被写体を導入するのに苦労しますので望遠撮影を行う人をはじめとしてファインダーが光軸上にないことを気にする方はα7IIIの方が良いと思います。

https://www.sony.jp/products/picture/ILCE-7C_rear.jpg

https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/

俺フルサイズ使ってるんだぜぇとドヤりたい人

 半分冗談の様な話かも。。。所謂従来のα6x00のような大きさとフォルムなので、カメラに詳しくない人からは、「ああ、ソニーAPS-Cね。」と見られる可能性があります。(ほんまかいな)

 特にブラックは遠目から見るとぱっと見α6x00ぽく見えます。なので「俺フルサイズ使ってるんだぜぇ、すげーだろぉ」という人にはα7IIIがいいのかもしれん。いや、そんな人が本当にいるのかは書いていて正直わからん。

 

f:id:sumizoon:20200915205633p:plain

個人的感想

 この大きさでフルサイズを実現したα7Cは流石ソニーと思えるパッケージングです。また、難しい事考えずに気軽に使ってよ!というメッセージがこのカメラからは伝わってきます。ハイアマのメイン機にするには少し心許ないスペックと思える所も無くはないですが、手振れ補正も優秀なAFも入っているという点からしSIGMA fpを超える気軽さだと思います。どこでも持ち運べる気軽に楽に撮れるフルサイズであり、はじめてのフルサイズとして敷居を下げてきた製品じゃないかなと思います。

 動画重視&スチル解像度が欲しいという私は既に同価格帯のLUMIX S5を予約してしまっているので、お財布事情的にこの機種を買う可能性は今の所低いですが、α7Cのこの気軽さは非常に羨ましいと思う限りです。

https://www.sony.jp/products/picture/ILCE-7C_S.jpg

https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/index.html

 このカメラに10bitとクロップの無い4K30pがあったら真剣に導入を考えていました。。。いやほんとに破産するわ。。。

 

筆者:SUMIZOON

Facebookグループ一眼動画部主宰 お陰様でメンバー1600人突破

www.facebook.com

Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON をアップしている人

f:id:sumizoon:20200713234902p:plain

よかったら是非チャンネル登録お願いします

お陰様で登録者1万人到達しましたm(_ _)m