昨日の昼に飛び込んできたこのニュース。いやマジか?!と記事を2度見しました。
発表の概要
オリンパスの「OLYMPUS OM-D E-M1X」と「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III」がATOMOS NINJA Vを使ったProResRAW収録に対応するべくファームウェアを開発している。という旨の発表。
ファームウェアは2020年の冬リリースとの事。
https://www.olympus.co.jp/news/2020/nr01824.html
正式なプレスリリースのpdfはこちらをご覧ください。
この発表を受けての感想
いや、驚きました。オリンパスは動画よりもスチルを重んじる傾向にある会社だと思っていたので、まさか外部収録でProResRAWが撮れるようになるというのは夢にも思っていませんでした。
そもそも「オリンパスのカメラでガチで動画撮影撮影しています。」という方を私は存じ上げていないのでProResRAWに対応したとして、どれくらいの人がこの恩恵に預かれるのか?という気がしないでもないというのが正直な感想なのです。
そもそもProResRAWとは
そもそもProResRAWとはなんぞやというと、AppleとATOMOSが開発した次世代RAW動画フォーマットです。これに関しては過去何度かこのブログでは書いていますのでそちらの記事を参照頂ければと思います。
まぁ簡単に言うと、動画に最適化された容量のやや小さい(それでもかなりデカい)フォーマットです。当然RAWなので撮影後の露出補正とかを行うには向いています。
ところがですよ、このProResRAWってのは少し厄介で、現状動画編集のデファクトであるAdobe Premiereだと露出補正のみ対応しています。本来はホワイトバランスやら色相やら明瞭度やらシャープネス、コントラストもろもろ弄りたいのですが、対応が未だされていないという現実があります。
まぁ、通常のグレーディングの様にLumetriカラーパネルを使ったカラーグレーディングは可能なので意味はあるのですが、写真のRAW現像のイメージでProResRAWを導入すると今のところは少し面倒です。
今のころ安心して使えるFCPX
まぁ、近い将来Premiereでホワイトバランスや多くのパラメータをネイティブに変更できるようになるのは間違いないと信じていますが、現状ProResRAWを使用してグレーディングしたいのであればMacでFCPXを使うのが無難だと個人的には思います。
とりあえず、今の所はProResRAWのフォーマットの良さを一番引き出せるのはFCPXというのは間違いないと思いますがAdobe Premiereを使ったグレーディングでも圧縮ノイズの一切ない驚異的な映像を編集することは可能です。
これに関しては少し時間を頂き、後日Premiereでのグレーディングについて記載したいと思っています。
尚、参考までに先日ProResRAWでの撮影データを編集したものをアップロードしたので参考までに貼っておきます。↓これね
LUMIX S1H 5.9K ProResRAW firstlook (LUMIX S5発表記念?)
LUMIX S1H 5.9K ProResRAW firstlook (LUMIX S5発表記念?)
グレーディングに際しては基本的にPanasonicの推奨する方法でいったんLog化設定を行い、その後にグレーディングを行いました。色域はRec709としました。
尚、日本でミラーレスカメラを使ってProResRAWで収録してYoutubeにアップロードしているという方はそんなに多く無いです。というかほぼ居ない。。。
そもそもYoutubeにアップロードすると再エンコーディングの圧縮でかなり画質が低下してしまうので、そもそもYoutubeでその超絶綺麗な映像をシェアすること自体が非常に難しいのです。
とは言え色味を極端に触っても破綻する事のないProResRAWは、グレーディングを行うには非常に向いています。なのでYoutubeのアップロード時に圧縮ノイズが載ることをある程度妥協できればゴリゴリにグレーディングした雰囲気を共有できるzという点では意味のある事だと思います。
誤解しない様に念押しで書いておきますが、ProResRAWの生の映像は今まで見たことのないほどクリーンな映像が収録できますが今のYoutubeのプラットホームでは活かしきれないという点があるという事。ProResRAWそのものに対して周りが追い付いていないというのが私の思うところです。
まぁProResRAWで撮った映像は今の所、高ビットレートで上映できる映画祭やサイネージに向くかなぁという気もします。
ビットレートが高いので生半可な気持ちで手を出さない方がよい
まぁProResRAWに手を出す人はそれなりの覚悟ができていると思いますが、興味本位のお試し程度に手を出すとかなり厳しいという事を書いておきたいと思います。ちなみにS1Hで標準画質のProResRAW(5.9K30p)を撮影した際に消費するストレージはこのレベルです。
500GBのSSDを23分程度でいっぱいにする
OMDの記録画素数が4Kにリサイズされて記録されるのか、それともリサイズ無しに5.2KRAWとして記録できるのかは現段階で不明ですが、いずれにせよ500GBで1時間を録画することはできないと思います。そういったレベルのシロモノですので、PCのストレージ環境も強化は必須です。生半可な気持ちで手を出すと、うげーーーーとまりますのでご注意を。
かくいう私もProResRAW沼にハマった一人です。まぁ敢えて沼に溺れるのもよいかも。
試してみたいぞOM-DのProResRAW
さて、いつもの様に話が本題からそれてきましたが、この「OLYMPUS OM-D E-M1X」と「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III」のProResRAW対応ですが、どれくらい動画の画質が向上するのかというのは非常に興味が有るところです。
あわよくばファームがアップデートされたら一度テストしてみたいところです。
しっかし各社動画機能を向上させてきましたが、「スチル機能」の伸びしろがないから?という気もせんでもない。
筆者:SUMIZOON
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