とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

LUMIX S5のプロニュース記事が公開されました

プロニュースさんに寄稿させて頂いたLUMIX S5のレビュー記事が公開になったので、今まで書けなかった部分について触れたいと思います。本日公開になったLUMIX S5の記事は下記です。

 

www.pronews.jp

この記事、割と文面はささっと書いたのですが、流石にこれだけのボリューム、誤字脱字だらけで編集部の方、査読をお願いした方にいろいろご迷惑をおかけしました。改めてお礼申し上げます。

プロニュースさんからLUMIX S5レビュー依頼を頂いたのはS5の発表とほぼ同時期。とは言えこのS5の事前リークされたスペックから「コレ買う奴や。。」と思っていた私は、即日予約。なので当日は自腹で買ったS5と借りたS5が手元にあって、なんとも贅沢気分を味わいました。

ここでは寄稿させて頂いた記事で書ききれなかった部分について書いておきたいと思います。 

LUMIX S5作例の補足説明、裏話

まずは作例の話。

 

LUMIX S5 firstlook "It's the S1H Mini"

動画の説明欄にも記載していますが、この動画は6つのパートに分けています。
◆Part I:夜間の航空機撮影
いつもの通りのシチュエーションで撮影しました。ほぼライフワークみたいなものなので勘弁してください。とにかく、新しいカメラを導入したら必ず撮影するシチュエーションですし、個人的に一番カメラの特性が分かりやすいんですよね。
撮影は主にEF400mmF2.8L ISを使用していますがISO感度はV-LogプロファイルのISO6400~12800を積極的に使用しました。S1H同等のノイズ耐性とS1H以上の解像度を感じました。 ポスト処理でのノイズリダクションは一切かけていません。

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◆PartII:昼間のFHD120fps撮影
いつもお世話になっているyokoさんに出演頂きました。全て手持ち撮影でスローの画質を試しています。FHDながら解像感の高い映像が撮れたと思います。特にS5ではFHD120fpsまでのオートフォーカスが効くようになったので、撮れ高が非常にあがると感じました。撮影は主にS Pro50mmとレンズキットの20-60mmF3.5-5.6です。

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Part2からの切り出し

出演:yoko

◆PartIII:室内及び夜間のMV撮影
シンガーで作詞家でもあるS-KEY-Aさんに出演頂いた映像。S-KEY-Aは私のお気に入りの歌い手さんの一人です。最近以前の音源も含めてYoutubeチャンネルも立ち上げていますので興味のある方は是非覗いてみてください。

全て手持ち撮影で基本は4K30pです。また、音声はS5のマイクで収録しています。実は音声は当初PCMレコーダーを使う予定で臨んだのですが、当日レコーダーの調子が悪く、いっそS5の内蔵マイク使ったらどうなの?という急遽マイクのテストも兼ねる結果となりました。
撮影は一度音声を比較的胸元に近い所にS5を配置して音声のみ収録し、あとは何度か歌って頂いてリップシンクをするという撮り方でした。
想像していたよりも内蔵マイクの音質は良かったです。流石に内蔵マイクでMVを収録する人はいないとは思いますが。。ルックは709に近いトーンに仕上げています。PartIIの映像と同様にスキントーンの美しさが際立つカメラだと思います。撮影は主にS Pro50mm F1.4で全て手持ち。

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Part3からの切り出し

出演:S-KEY-A

◆PartIV:風景
滝を被写体に撮影を行ったもの。撮影はほぼ20-60mmF3.5-5.6です。S5は軽い重量のため山などに行く際にも非常に便利だと思います。解像感はS1Hよりも少し上であると感じるのはこういう被写体を撮影した時です。ISO640で4K30p 4:2:2 10bit撮影
スライダーショット的な映像はMOZA Aircross2によるジンバルショットとなります。

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Part4からの切り出し

◆PartV:VLOG 巷で流行りの?シネマティックVLOGを意識した映像
腕力の無い女性でも軽々と持てるS5は10bit収録など高品質なVLOGを撮るにも向いていると思います。 撮影は主にEF50mm F1.8STMをSIGMAのコンバータMC-21を使い装着しています。自撮り映像カットや広角気味の映像は20-60mmF3.5-5.6を使用

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Part5からの切り出し

実はS5とEF50mm F1.8STMの組み合わせが最近のお気に入りだったりします。この組み合わせに関しては先日書いた下記をご覧ください。

sumizoon.hatenablog.com

出演:yoko

◆PartVI:夜間のダンス&ポートレート撮影
ダンサー&振付師のEIJIさんに急遽撮影をお願いしたのですが、快く引き受けていただきました。いつもありがとうございますm(__)m
すこし汚した感じ(表現が悪くてすいません)のグレーディングを試しました。 メリハリのため露光時間を1/125まで短く設定しISO25600までで撮影、更にブリーチバイパス的なグレーディングを行っていますのでかなりノイズが浮くのを承知で撮影、編集しましたが注目すべきはそのノイズ感です。 非常に自然であたかもフィルムグレインを乗せたかのような粒子感が非常に好印象です。ノイズ感が美しいためほとんどのカットは敢えてNRをかけずに編集しています。撮影は主にS Pro50mm F1.4

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Part6からの切り出し

※素材を709LUTをかけただけだとはるかにクリーンですが、あえてグレーディングでノイズ感を出しています。
出演:EIJI

バッテリーの持ちの補足

これはS1シリーズからかなり小型化していますが、バッテリーの持ちは大変良いです。ではなぜ電池の持ちが良いかというと、一つはライブビュー時(REC待機状態)の消費電流がかなり下がっていることに起因している様です。これに関しては、おなじみのたかTubeさんが検証してるので、下記動画が参考になるかと思います。

LUMIX S5の省電対策についてマニアックな考察

つまり、おそらくですが、4K30pのモードであってもライブビューの時はセンサーの読み出しは間引きもしくはピクセルビニングの状態の読み出しを行っており、これによって大きく消費電力を削減している様です。
待機電力が減ったのも大きいのですが、撮影時間もこの小さなバッテリーで2時間以上撮影できるというのは非常にうれしいポイントかと思います。

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4K30p 8bitの場合は2時間30分近く連続撮影可能だった(MF/三脚固定時)

GH4の場合は3時間を軽く超えるスタミナを実現しているのですが、そこまでとは言わないもののかなりバッテリーはかなり持つ印象です。待機時だけでなく、Rec時の電力も低く抑えられているという事なのでしょう。(バッテリーの容量がGH4/5のものよりも増えている効果も大きい)

尚、LUMIX S5のバッテリーはLUMIX GH5にも使用する事が確認できていますが、逆は使えない仕様となっていますのでご注意ください。

USB充電、給電に関しては残念ながらパワーデリバリーには対応していないのが残念ポイントです。

外付けタリ―ランプが対応しているのかいないのか?

これ、プロニュースさんに寄稿したらマズいよね。。。そもそもS1Hのタリ―ランプが外付けできる仕様なのはメーカーは公式にはアナウンスしていません。以前当ブログで書いたS1Hのヘッドフォンジャックに埋め込まれたタリ―信号の隠し機能に関しては下記をご覧ください。

sumizoon.hatenablog.com

なので、このネタは当初書こうと思ったものの、冷静になって考えると事故を起こしかねない、ヤバいネタだわ。。。となり記事から削除しました。
で結果的にS1Hで使えるタリ―ランプ(たかTube謹製)はS5では動作しませんでした。残念。

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動作しないというよりも、常時点灯になる

S5は素晴らしい。でもS1Hじゃないといけないところもある

プロニュースさんの記事で書いた様に画質に関しては被写体や撮影モードにもよりますが、S5の方が上とさえ思える事もありますので大抵の場合はS5で事足ります。というかS1Hの半額以下で同等の画質を得られるS5の存在ってのはある意味ヤバいと思います。
じゃあ、S1Hいらんやんと言われる方もいらっしゃるかと思います。その答えは部分的にはYESであり、NOです。
結局映像を撮るならS5とS1Hの二台体制ってのが良いと感じています(超贅沢だわな。。。)。

10bitの4K60pは無制限に撮る事は少ないですが、10bitの4K30pの無制限ってのは結構使います。またフォーカストランジションや内部収録の6Kとかも結構使いますのでこれらの機能が必要な場合はやはりS1Hを使います。手持ちのウェストレベル撮影が多い場合もS5よりはチルトして液晶が確認できるS1Hの方が向いていると思います。モアレが絶対出てほしくないシチュエーションでもS1Hとなりますし、Slow撮影で10bitや高ビットレートが欲しい場合も同様です。
多くの人に必要ない機能を絶妙に省いて低コスト実現しているのがS5、これで足りてしまうシチュエーションが多いとは思います、ですがS1Hだからこその全部乗せの何でもできる安心感もまた手放せません。

 

筆者:SUMIZOON

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