SONYのFX3の大々的?正式発表の直前ではありますが、BlackmagicDesignの方は割と静かにBMPCC6K PROの発表を本日未明に行いました。
Blackmagic Pocket Cinema Camera | Blackmagic Design
何度かこのブログでも触れてきたBMPCC6K Proがついに発表、発売となりました。これに関しては過去に明らかにお漏らしと思えるAppleのWebサイトからの文字列を取り上げて記事にした事があります。
以下の記事を書いたのが昨年の秋なのですが、意外と発表までに時間が結構あったなと言うのが正直な印象です。
BMPCC6K Proの特徴
BMPCC6K Proはどの様なカメラかと言うと、基本的にはBMPCC6Kの機能向上版と言えます。
BMPCC6K Pro
BMPCC6K
Blackmagic Pocket Cinema Camera | Blackmagic Design
有効センサーサイズなど撮像周り
23.10mm x 12.99mm(スーパー35)/アクティブ方式EFマウント
センサはBMPCC6Kと同じ6KのSuper35mmの物が搭載されている様です。マウントはキヤノンEFマウントでここもBMPCC6Kと変更はありません。
センサが同じである事からダイナミックレンジ13STOPやデュアルネイティブISOの基準感度にも変更はありません。撮影解像度に関しても同様で、下記の通りになっています。
50fpsまでの6144 x 3456 (6K)、
60fpsまでの6144 x 2560 (6K 2.4:1)、
60fpsまでの5744 x 3024 (5.7K 17:9)、
60fpsまでの4096 x 2160 (4K DCI)、
60fpsまでの3840 x 2160 (Ultra HD)、
60fpsまでの3728 x 3020 (3.7K 6:5アナモルフィック)、
120fpsまでの2868 x 1512 (2.8K 17:9)、
120fpsまでの1920 x 1080 (HD)
つまりは映像のクオリティは現行のBMPCC6Kを踏襲してその他の機能アップをはかったのがBMPCC6K Proと言えます。では、追加された機能をみていきましょう。
内蔵NDフィルタ
4ポジションNDフィルター(クリア、2-stop、4-stop、6-stop IR NDフィルター)を搭載
BMPCCシリーズとしては初めてNDフィルタが内蔵されました。減光効果は最大で6-STOPとなります。つまりはND4/ND16/ND64が搭載されているものとなります。通常の撮影ではND64以上に減光することはほぼ無いのでこれからはNDフィルタは不要と言えます。
Blackmagic Pocket Cinema Camera | Blackmagic Design
なおNDに関しては物理的にNDフィルタを入れ替える機械式のものとなっています。電子式の連続的なNDではありませんが、それでもNDがあると無いとでは全く違います。あの煩わしいフィルタ交換から解放されるとなると嬉しくない人はいないでしょう。
背面液晶(チルト&1500nit HDRディスプレイ)
今までのBMPCCは背面液晶の向きが変わらない固定方式でしたが、BMPCC6K Proではチルト方式を採用しています。
BMPCCのチルト化するキットを販売しているメーカーがあった様に背面液晶のチルト化は要望が多かったと思います。BMPCC4K/6Kの大きな液晶は凄く良かったのですがローアングル&ハイアングルの撮影では外部モニタが必須でしたので、コレはありがたい。
Blackmagic Pocket Cinema Camera | Blackmagic Design
また、背面液晶に関しては1500nitのHDRディスプレイが搭載され非常に高輝度なものに変更されています。5インチで1500nitだと屋外の視認性はかなり高いのでワンマンオペレーションでは外部モニタは不要になると思います。
ビューファインダ(オプション)
BMPCC6K Proにはオプションのビューファインダが取り付けられる様になっています。解像度1280 x 960で有機ELディスプレイとなっています。
Blackmagic Pocket Cinema Camera | Blackmagic Design
このファインダは縦方向に70度チルトする事が可能になっているためローアングルでの撮影でも使用する事が出来そうです。
Blackmagic Pocket Cinema Camera Pro EVF | ストア Blackmagic Design
なお、アイカップはコンパクト、ミディアム、右目、左目の4種類が同梱されている様です。
ファインダーの価格はメーカー直販サイトで56,980円ですが、これを高いと見るか安いと見るかは撮影スタイルや撮影状況次第でしょうね。
バッテリー
NP-F570を内蔵するタイプに変更されました。以前のBMPCC4K/6KはいずれもキヤノンのLP-E6と言う小型のタイプを採用していました。思えば初代も含めて歴代BMPCCは内蔵バッテリー運用では実駆動時間が非常に短かったのです。フレーミングや撮影準備をしているだけでみるみる電池が減っていくので私はNP-F970を使用していましたが、多くの方が似た運用をしていたと思います。
参考までに下記記事を貼っておきます。
いわゆるLバッテリーに仕様変更したおかげで今までより長時間の駆動ができる様になっているものと期待しています。が、液晶が高輝度のタイプになっているので少し心配ではあります。
その他
改めて外寸を見てみます。一番特徴的なのは高さ方向に27mm高くなっている点がカメラとしての印象を大きく変えていると思います。これはNDフィルタを物理的に交換するための機構とEVFオプションによるものと思います。一方奥行きと幅に関してはBMPCC6Kとほとんと同じだと言えます。
重量に関しては1238gと338gのウェイトアップをしていますが、これは背面液晶とNDフィルタ機構によるものかなと。恐らくこの重量はバッテリー無しの状態ですので、かなりの重量級のカメラであると言えます。
この重さはどのくらいの感覚かと言うとS1Hのバッテリー込みの重量が1164g。重くてデカイと言われているS1Hを上回る重さと大きさです。仮にBMPCC6K Proをリグを組んでNP-F970で運用した場合は軽く2kgを超えてくるはずです。
BMPCC6K Pro
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K Pro | ストア Blackmagic Design
BMPCC6K
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K | ストア Blackmagic Design
BMPCC4K
Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K | ストア Blackmagic Design
恐らく重さや大きさに関してはとやかく言うカメラでは無いでしょうし、コンパクトが全てではありません。軽さは正義と言う言葉もよく耳にしますけどね。
とにかくSuper35mmで本体のみでBRAWが撮影できND内蔵と言うカメラとしては一番小さいはずなのでね。
最後に価格を書いておきますと直販サイトで312,180円となっています。
最後に
世間がFX3で少し盛り上がっている?中で、静かに発表されたBMPCC6K Proですが、あくまで今回の製品はBlackmagicお得意のぶっ飛んだカメラと言う印象ではありません。ですが、BMPCCの電池が持たない、液晶がチルトしない、シネマカメラなんだからND欲しいと言う要求に実直に対応した、と言うカメラがこのBMPCC6K Proと言う印象です。
恐らく個人ユースではα7SIIIやLUMIX S1H/S5など動画に向いているミラーレス一眼の方が大きさ含めて運用面では楽でしょう。EVFがあるし、長時間撮影できるし、BISもあるし10bitだしフルサイズですしAFにも頼れる。
でもBRAWと言う動画RAWフォーマットで本体のみで撮影してハイクオリティでカラグレしたい、と言うヘンタイな人にとってはこのカメラを選ぶのは全然アリだと思います。Nikon ZやSIGMA fpでもVideo Assist経由でBRAWが撮れますが、どうもネイティブのBRAWで撮れないっぽく、実質的にはちゃんとBRAWが撮りたければBlackmagicのカメラで撮るのが現状確実な方法です。それに外部レコーダーは結果的には嵩張るのでね。
このカメラは出来るだけゴテゴテ付けずになるべくシンプルに使ってBRAWでカラグレして遊んでみたいぞ。
余談
BMPCC4Kを使っていた頃を懐かしみつつ下記の動画を改めて見返した次第です。当時はDNG撮影でカラグレもしんどかったけど、BMPCCの絵って綺麗よね。。。
BMPCC4Kを入手直後に撮った映像↓
下記は5年以上前に撮った初代BMPCCの映像↓
BMPCC + Nebula4200 Combination TEST
筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰 お陰様でメンバー3000人到達間近
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