3/31にBRAWの対応ファームが公開されたS1Hですが、これは試さないとアカンやろ。というわけで既にかなりの時間.braw撮影をしていますので、これについて書いてみたいと思います。
まぁ、結構経緯というかちょいちょい情報はTwitterの方で発信してたので、S1HのRAWについて気になる方はフォローして頂くのもいいかもです。
S1HとVideo Assist12G HDRをアップデート
3/31のファームアップ公開を待ち構えてアップデート
S1H側の.braw収録に対応したファームウェアVer.2.4はこちらからダウンロードできます。
尚、S1HのBRAWに対応したVideo Assist側ファームウェアは3.4.1です。一応3.4でも記録は出来るのですが、ホワイトバランスの挙動がおかしいと感じましたので、S1Hで.BRAW収録する人は必ず3.4.1にアップデートしましょう。ダウンロードはこちらね。
BMDの公式サイトにもVer.3.4.1のリリースノートにS1Hに関する記載があります。
で、S1H本体側をHDMI RAWデータ出力にします。更にVideo Assist側の「収録」→「トリガー収録」を「ビデオ開始/停止」に設定する事でS1HのRECボタンでVideo Assist側のRECトリガーを掛けることが出来ます。(S1H側もタイムコード出力をする必要があったはずです)
この設定さえしておけば基本的にはVideo Assistに触ることなくオペレーションはS1Hだけで完結できます。
Video Assist 12G HDRの運用
先日も書いた通り、Video Assist 12GはUSB-C経由で外部メディアが使える様になっているのでSAMSUNG T5(1TB)に収録しています。というのもやっぱりSDカードはコスパが悪いんですよね。。。。
でこれをマジックアームと100均のスマホホルダを駆使してVideo Assistに固定します。
Samsung 外付けSSD T5 1TB USB3.1 Gen2対応 【PlayStation4 動作確認済】 正規代理店保証品 MU-PA1T0B/IT
- 発売日: 2017/09/04
- メディア: Personal Computers
でバッテリーはいままでNP-F970互換を使ってましたが、バランスを考えてNP-F550互換x2を購入 以前から気になっていたオレンジ色のVemicoを発注してみましたが、チャージャーが残量表示できるのが便利です。
尚、以前も紹介した通りウチは5インチの方のVideo Assistを使っています。
【国内正規品】Blackmagic Design モニター一体型レコーダー プロ仕様スコープ VideoAssist 5インチ 12G HDR HYPERD/AVIDA12/5HDR
- 発売日: 2019/10/09
- メディア: Personal Computers
で、早速実写。
作例
作例①
Video Assist12G HDRを取り付けたS1Hを持って早速撮ったのがコレ
3/31は大阪では桜も終わりかけでしたので、飛行機は後回し。とにかく手持ちでラフに撮り歩いてみました。
タイトルSpring has comeは.braw対応したS1Hにも文字通り「春が来た」ってなわけで付けたタイトルです。ベタだけど。。。
作例②
で、その日の晩に撮った映像がこちら。いつもの作例ルーティンの伊丹空港です。
我ながら昼から晩まで撮り歩くのも「アホ」ですが、それだけ待ちわびていた.braw対応ですからね。とにかくいろいろ撮りたかったのでした。
作例③
本日公開した映像がこちら。(こっちも飛行機だけど)
週末に大雨が降ったので、ここは飛行機撮りにいかな!という謎の使命感に駆られて撮影。
実はこれ以外にもかなりのフッテージを.brawで撮影しているのですが、モロモロの都合によりまだ全てをお見せ出来ませんが、近くもう一本公開できるかと思います。
DaVinciによる現像処理速度
.brawに期待していた事の一つは現像処理の軽さです。.brawはファイルサイズもそこそこ小さいですが、現像時の処理の軽さはH.265の比ではありません。(っていうかH.265は話にならない程負荷が高い)
所謂エディットページでは再生が軽いのは当然だとして、カラーページでもレベル調整、レイヤーノード、LUTの重ね掛け位では普通にフレーム落ちせずに再生できます。素材は5888x3312の12bitRAW(.braw)データです。
尚、ウチの環境はcore i9 9900K / RTC3060 Superです。今となっては極端にハイスペックではありませんが全くストレスなく再生もグレーディングも可能です。ちなみに上記程度の軽いグレーディングを行った30秒強の動画を4K書き出した際の時間は28秒で等倍よりも速く書き出しが可能でした。
もはやスチルが動く
S1H+Video Assistを約3週間ほど使った感想は、得られる素材はスチルでそのまま使えるレベルだという事です。S1H+Video Assistは現在フルフレームの6Kの.brawが唯一撮れるソリューションです。現像耐性はスチルのRAWとさほど違いを感じません。それ以前にフルフレームであれば秒間30コマ(5888x3312)、Super35mm(4128x2176)であれば秒間60コマのRAWがキャプチャできる事になります。
尚、やっていいのか知らんけどターゲットガマットとガンマをBlackmagicDesingに設定するとISO/ハイライトリカバリー以外の全項目が設定可能となります。
一方でターゲットスペースとターゲットガンマをV-Gamut/V-Logにするとガンマコントロール側はグレーアウトします。
尚、Gamut Compressionは必ずチェックをした方が良いです。これをチェックすると高輝度側のクリップする現象が抑制されて高輝度点光源の美しいロールオフが得られます。
V-Gamut/V-Logに設定するとカメラRAW側でのガンマコントロールは出来なくなりますが、普通にカラーページでのカラーホイール、トーンカーブコントロールでガンマ調整を行う事になりますが、その耐性はH.264/H.265の比ではありません。
また、色温度、色相、露出を触れるだけでニュートラルをあっという間に出せる事が可能なのはRAWの良い所です。H.264/H.265はトーンカーブで色を弄ると色が変わるのでニュートラルが出すまでに時間がかかりますが、RAWは露出を弄っても色が転ぶ事は無いので非常にグレーディングを開始するまでの手間が段違いに違います。
尚、RAWからV-Logにした素材がこちら。
これをテキトーに現像したものがこちら
解像感も含めて、これが動画の一コマである事を考えるとちょっとビビります。てなわけで何枚か動画切り出しをば。
動画はスチルに比べて画質が落ちるものという感覚は完全に過去のものとなったと感じます。むしろ将来的にはスチルという概念そものもが無くなってしまうと「本気で」感じさせるほどのクオリティと言えるかと思います。まぁRAWなんでそりゃそうだけど。。。
恐ろしい時代になったものです。。。
筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰 お陰様でメンバー3500人突破
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人