とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

最速SDカード? SUNEAST ULTIMATE PROをVideoAssist12GHDRで試す

今回はSDカードの速度の話 特に書き込み速度が求められるRAW動画記録でのケースについてです。

長々と書いてしまっているので、結果だけ見たい方は最後まですっ飛ばしてください。

写真家の森脇章彦先生のこのツイートが少し気になっていました。 

余談ですが、森脇先生のセミナーを初めて聞いたのは2013年の夏。当時は私はスチルと動画を2:1の比率でスチルを多く撮っていた時期。GX7の発売前のセミナーで半押しレリーズのススメを聞いたことを明確に覚えています。(このブログではGH5などの操作説明で半押しレリーズによるRECスタートを勧めていますが、実はその撮影スタイルは森脇先生の受け売りで、動画撮影に転用しています^^)

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これ、シーケンシャルR/Wではかなり高速。SDカードのUHS IIの規格限界312MB/S(Full Duplex Mode)なのでほぼ限界の速度が出てそうです。

で、このカードをVideoAssistの.braw撮影に使えるかどうか少し気になっていた所、なんと先生からテスト用に送られてきました。ありがとうございます!m(_ _)m。

SUNEAST ULTIMATE PRO

SUNEAST??聞いたことが無いぞ。という方、多いと思います。私も知りませんでした。m(__)m

というか、紹介していたのが森脇先生じゃなかったら、「海外の胡散臭いメーカーやな、コレ」と見過ごしていたと思います。メーカーさんごめんなさいm(__)m

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おそらく自作PCを組まれている人にとってはSSDやPCパーツでは聞いたことがある方も居られるかと思いますが、カメラの記録メディアとしてはその存在はほとんど知られていないと思います。

suneast.co.jp

そして、このメーカーは設立2017年の国内の「株式会社 旭東エレクトロニクス」です。なるほどそれでSUNEASTなのか。というか、大阪の会社です。

で、この旭東エレクトロニクスが扱う高速SDカードのシリーズがSUNEAST ULTIMATE PROとなります。

・UHSII U3

・ビデオスピードクラスV90(最低速度保証90MB/s)

・容量ラインナップは64GB/128GB/256GBの3つ

・最大速度はRead 300MB/s Write 290MB/s

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UHS IIなので端子は二列

先のツイートを見た時に書き込み速度が292MB/s出ているのでRAW動画の低圧縮記録でも結構耐えられるかも?と言う印象です。メーカーの最大速度も290MB/Sでトップクラスの速度です。とは言え、動画記録で重要になるのは最大速度では無く、最低速度の方です。あくまでSDカードとしての最低速度保証はV90(90MB/s)ですのでこれが.braw収録で使えるかは実際に使ってみるしかありません。

SONYからWrite299MB/sのスペック表記のカードが出ていますが、検索してみる限りはCrystal Disk Markの計測値で290MB/s以上出ているという結果は見当たりませんでした。

LUMIX S5の.braw収録で必要な速度

このブログを定期的にご覧いただいている読者の方々はLUMIX S5とBlackmagic Design Video Assist 12G HDR(以降VA)との組み合わせでBlackmagic RAWによるRAW動画収録が可能になるという話はご存じかと思います。以前VAによる.braw収録時のメディアに関しては下記の記事を書きました。

sumizoon.hatenablog.com

この時はメディアコストが安いSSDのでSAMSUNG T5をお勧めしました。一方で、ケーブルでの接続などを考えるとSSD接続をするのは面倒です。ミニマルに.braw収録をするにはVAに直接SDカードを挿して収録するのがすっきりするのは言うまでもありません。とは言えSDカードはイマイチどのメディアを買って良いのかは分からないんですよね。。。ここは実際に試すしか方法がありません。

尚、私が記録されたデータから算出したLUMIX S5の.braw収録の大まかな必要な書き込み速度は下記になります。

※尚、5.9Kよりも4K60pの方が読み出し画素数が半分以下なのでビットレートが少し低いはずです。なのでテストは5.9K30pで行っています。

表:各モードでの必要な書き込み速度(筆者推測値)

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.brawにはビットレート一定のConstant Bitrate記録と可変ビットレートのConstant Qualityの2種類がありますが、後者の場合に必要な記録速度ってのは明確にはわかりません。

※Constant QualityはQ0/Q1/Q3/Q5の4つの記録品質を選択することができますが、概ねQ0の最大ビットレートは3:1の倍以上、Q1では3:1の倍弱の速度が必要になります。(ここからの推測です)つまりQ1は概ね400MB/sの書き込み速度が必要な計算となりますので、この速度は現在発売されている如何なるSDカードでも記録が不可能です。そもそもUSHIIの規格の最大速度は312MB/sなのでSDカードではQ0/Q1は安定記録できないはずです。そもそもConstant Qualityは可変ビットレートなので一見安定書き込み出来ているように見えても複雑なパターンを撮影するとすぐに停止する可能性が高くSDカードでの記録は行わない様にしましょう。とは言えBlackmagicがSDの規格を超えるデータレートでSDカードに書き込もうとする動作を行うのかは謎。。

このSDカードはConstant Bitrateの全てのモードとConstant QualityのQ3/Q5が記録できる可能性はあります。

5.9K .braw記録の全てのConstant Bitrateモードで使えた

まぁ、小難しい事を書く前に結果を示します。私が普段使っている(使ってきた)メディアに関しても併記します。

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まぁ比べるのが可哀そうなラインナップではあるけど。。

結果的にはめでたくConstant Bitrateの全てのモードとConstant QualityのQ3/Q5が記録できました。(いずれのモードでも10分程度の連続撮影にて確認したので、当ブログは長時間の安定記録の保証をするものではありません。)

Q0/Q1に関してはその規格上Q0/Q1で書き込み可能なSDカードは存在しないはずです。先にも述べたようにQ1はピーク時500MB/s、Q1で400MB/s以上の速度が求められUSH IIの規格を超えるからです。どうしてもQ0/Q1で撮影した場合はSSDを使いましょう。ちなみに今までそこそこ速いと信じていたLexarの1000xはVAでは全然使えませんでした。。

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尚×マークはコマ落ちの警告が出る状態を示しています。

ちなみにCrystalDiskMarkで計るとこんな感じ。ウチのカードリーダーは森脇先生のに比べて少し遅いのか、下記の数値でした。とは言えそれでも速い。

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参考までに、下の写真はテスト環境。

コンスタントビット―レートモードなので記録速度には関係ないですが1フレーム毎にRGBの短冊が入れ替わる圧縮泣かせの映像を作って撮りました。

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まとめ

てなわけで、最速を誇ると思われるSUNEAST ULTIMATE PROについて書いてみましたが、VAでのRAW収録ではこちらを使っていこうと思います。Q0/Q1が必要なケースは多分無いですしそこまでの画のクオリティの差は確認できてないのでね。

とにかくSSDのケーブルとメディアから開放されるのは有難いです。

尚、PROGRADEデジタルのコバルトとかもほぼ同じ速度が出ますが、例えば128GBであれば値段は数千円SUNEASTの方が安いです。

筆者:SUMIZOON

Facebookグループ一眼動画部主宰 お陰様でメンバー4000人突破間近

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