CP+の時にガイプロモーションの照山さんがオールインワンミラーレスであるという発言をされた通りGH6には多くの機能が搭載されているので、レンズとNDフィルタとメディアがあれば高画質な映像が撮れてしまいます。
とは言え、ごちゃごちゃと周辺機器を搭載してメカメカしい感じにするのが大好きな男子。私も例の漏れずその傾向があります。
今回は私もGH6を迎えるにあたり用意したもの、これから購入するものを紹介したいと思います。
記録メディア
こちらはCREATORS LIVE WITH LUMIX GH6で公開された動作確認済みのメディアリストになります。
2022年2月22日時点での検証リストになります。
詳細は38:15あたりの部分をご覧いただければと思いますが、現状ではCFexpressはLexarのメディアのみが動作確認されているという状態です。
尚、私は以前も書いた通りSUNEASTのCFexpressカード(1TB)を使用して作例撮影をしましたが、5.7K ProRes422HQを含めて記録停止した経験は今の所ありません。もちろん長時間撮影をした場合になんらかの不具合が出る可能性もありますので保証はできませんが、数分レベルで記録する撮り方であれば全く問題なく使用できるという認識です(数分しか試してないので今後長時間記録をテストしてみたいと思います)。ただし、メーカーが公式にアナウンスしているのは現状ではLexarのみなので、互換性を気にされる方はLexarを使った方が何かと安心かもしれません。というか、コレ予約購入者にはプレゼントされるやつです。大盤振る舞いすぎるやろ。。。
尚、私が撮影で使用したものは下記(SUNEAST 1TB)になります。
SUNEASTの中でも128GBの書き込み速度は550MB/sとなっていますので、SUNEASTだから全ての容量で同じ速度というわけではありません。私が使っているカードは1400MB/s(11.2Gb/s)と表記されたもの。
尚、GH6の最大ビットレートはProRes422HQ 5.7K30pの1.9GB/sなので最低保証速度が238MB/sの書き込み性能があれば楽勝の様に思いますが、パッケージに書かれているものはいずれも最大速度ですので、絶対大丈夫とは言い切れません。でも最高速度に対して6倍近いマージンがあるくらいなのでコレを使って大丈夫と信じて使っています。
現状SUNEASTが動作確認リストに含まれていませんのであくまで自己責任ですが、当該メディアは国内メーカーでビットコストが安いというのが良いです。
あと意外と見かけるのがGH6はCFexpressじゃないと撮れないと言う誤解です。もちろんProResフォーマットを含む高ビット―レートのALL-I系のコーデックはCFexpressじゃないと撮れませんが、5.7K60p/30pのH.265でもV90のSDカードであれば安定して書き込みが可能です。
にある600Mbpsまでの記録フォーマットはSDカード(V90)での書き込みは出来ますのでご安心を
ケージ
GH6に外部マイク、モニタ、ハンドル、はたまたロッドサポートなんかを取り付けるなら先ず必要になるものがケージです。8Sinnとかからも既に製品が発表になっていますが、私は下記のSmallRIgのケージにしました。お値段結構お高めの12,799円
というか、先日ギュイーンさんに見せてもらったのですが、コレがなかなか格好よかったので「俺も欲しい。。。」と思ってそのままポチりました。
実はSmallRigのGH6用のケージはもう一種類存在していています。こちらの方はかなりお値段が安く、直販サイトでは7,699円
こっちでもいいんじゃね?と思ったのですが、どうもレリーズ周りの作りが好きになれなかったので、結局前者の方を購入。
しかーし、ポチったケージがまだ来ない。。。いや、GH6の発売前なので当然ちゃ当然なんだろうけど既にTwitterにはケージが届いたという報告も散見されるのですこしヤキモキ。私が発注したのが遅かったからなのか、他のパーツも併せて購入したせいなのかは分からないですが早く使いたいところです。
で、問題はケージが来てからどうシステムを組むかというもの。ここはリグに日本一詳しい(?)RAIDの鶴田さんにやりたい事を説明して相談しようかと思っています。
NDフィルタ
実は一番悩ましい周辺機器がNDフィルタ。というのもGH6のLog撮影でのダイナミックレンジブースト適用時の最低感度はISO2000だからです。日中屋外でダイナミックレンジブーストを使って撮りたいとなると確実にNDフィルタの出番です。
尚、非ダイナミックレンジブースト時の最低感度はISO250ですので、レンジブーストON/OFF時で3段分露出が違います。
ではNDフィルタの扱いをどうするか。今の私なりの考えを書いてみたいと思います。
まず、現在私が普段使っているカメラはGH5Sです。そこからの換算で必要なアイテムを考えていきたいと思います。ではGH5SとGH6の最低感度を比べてみましょう。
①GH5SのLogの最低感度:ISO320
②GH6のLog(ダイナミックレンジブースト:OFF)の最低感度:ISO250
③GH6のLog(ダイナミックレンジブースト:ON)の最低感度:ISO2000
先ず①の場合は私はほとんどのケースで可変NDフィルタだけで運用してきました。
ここでは単焦点F1.4を使った場合の撮影を想定して考えてみます。概ね日中の光が差す場合においてボケを使いたいなんて場合はF1.4@ISO100で1/4000程度で最適露出とかになるケースも少なくないです。動画撮影を想定して1/60で撮影すると考えると、
1/4000→1/60:6段減光が必要
ISO100→ISO2000:4+1/3段減光が必要
となります。つまり6+4段で10段オーバーの減光が必要になるという計算です。つまりセンサーに入ってくる光を概ね1/1000程度にする必要がある。という事を指しています。思えば以前使っていた初代α7SはLog撮影の最低感度はISO3200だったのですが、当時も結構悩んだ記憶があります。で、GH6のダイナミックレンジブーストで日中屋外でF1台で撮影するとなるとα7Sまで行かないまでもかなりの減光が必要になります。
ND不要な屋内撮影や夜間撮影であれば悩む必要はありませんが、どうしても日中屋外でダイナミックレンジブーストを使いたいとなるとND1000あたりが必要になる計算なのです。とは言え、少し暗くなるとND1000だとアンダーになる。で、露出調整のために日中撮影なのにISO4000とかに増感するというのもちょっとねぇ。。。
この話、もちろん可変NDを使うのも一つの手ですが、安い可変NDだとムラが出てしまう様な濃さの領域なのです。激安のK&○コンセプトとかは今の製品はそこそこの濃さで運用すれば大丈夫ですが、NDを濃くすれば結構画質劣化が出るはずです。
一方でKenkoのNDXIIとかは評判いいけどお値段がかなり高い。。。これでも一番ND濃を濃くしてしまうと色味に影響が出る可能性は否定できません。更にPLフィルタと同じで数年で劣化することを考えるとなかなか初心者の人には手を出しにくいと思います。
というわけで、基本は少し扱い易いND200あたりを用意して必要に応じてND2やND4を重ねづけるという技(固定NDだけで乗り切る)を使うか、ND64を用意して、ND2/4/8を組み合わせるという技を使う方向で考えています。(基本をND1000にすると絞りたい場面で撮影する場合はカメラ側のISO感度に頼らないといけないためです)
とは言うもののなんだかんだ、ND8とかND16あたり+可変NDの方が絶対運用ラクの様にも思える。。。
ちなみに私がGH6の作例で使った可変NDは一時期多くの人が使っていたTiffenの77mmです。(Amazonでは欠品中ですが、当時は1万円台でB&Hから購入しました)
前玉が比較的小さいMFTのレンズ群でなぜ77mmで運用するかというと、理由は明確でケラレ対策です(全てのレンズ合わせて77mmへステップアップリングを用意して普段は撮影しています)。
これに必要に応じてNDを使うというもの。
これでも十分に綺麗に撮れますし、F1.4&絞り解放でない限りは可変ND一枚だけでどうにかなるケースがほとんどでした。
でもねぇ、やっぱなんだかんだ面倒だけど、先に書いた「固定NDだけで撮る」のほうが絶対映りいいはずなんですよね。
結局は
・運用面を重視するなら「質のいい可変ND + (場合によって)固定ND」
・限界画質を追求するなら「固定ND +(場合によって)ND重ねづけ」
あと、飛び道具としてはNDを付けずに
・ポスト処理でモーションブラーを付ける(or シャッター速度が速いのはいっそ気にしない)
という選択肢も無くはないです。
えと、ここの記事だけで判断せずに自分の納得いく構成をアレコレ悩んでみるのがいいと思います。コレを買っとけばOK的なブログがいっぱいありますが、万人にマッチする製品や運用方法は正直無いというのが今の私の考えです。
バッテリー
GH6のバッテリーの持ちは正直良くないです。RECせずともライブビュー状態で割とバッテリーが減っていく状態ですのでスリープ時間を短めにするか、こまめに電源を切るという事をするのが良いと思いますが、それでも一日撮り歩くならバッテリーは最低2本は必要です。これは前回のエントリーでも書いている通りです。ただしLUMIX GH6はPD給電・充電に対応していますので、ケーブルが気にならないという人はモバイルバッテリーでの運用も可能です。
まぁ、ここは素直に最低一本は予備を持っていた方がよいと思います。
外部モニタ
まぁ外部モニタは何を買ってもいいんじゃね?という気もするしせっかく買うなら多機能なものを選ぶのもアリです。
ブランド名を気にせずに屋外で視認性を高めたいというだけであればFeelworld系のモニタが安いのでそこらへんからチョイスするってのも手です。とにかく安い。
そもそもブランド名を気にするとか、クライアント受けする製品を選ぶ(ホンマか?)のであればSmallHDでしょうけど、目玉が飛び出るほど高いので現実ラインはFeelworldかなと。とは言えあのインターフェースはちょっとカッコ悪い。。
尚、ウチのGH6用の外部モニタはコレを使っています。
いや、メーカーからサンプルを頂いたから使い始めたというのも無くは無いんですが、コレの何が凄いかというとGH6と組み合わせるとタッチフォーカスが可能な点です。
外部ディスプレイメーカーのPortkeysの担当者さんから、LH5PではGH6のタッチフォーカスに対応してるよという連絡があったので試してみました。
— SUMIZOON (@sumizoon) March 2, 2022
動いた! pic.twitter.com/5LggnPauXN
これは結構画期的な機能だと思います。フォーカスエリアの大きさの調整などはカメラ本体側で行う必要がありますが、外部モニタからカメラをコントロールできるという点においては他の追従を許さないほど進化しています。もちろんISO/SS/F値はタッチパネルでのコントロールが可能です。男子はこういうのが好きな傾向にありますので、ときめいた方は是非
外部レコーダー
結論を書くと、GH6用途に限って言えば、今は外部レコーダーに手を出すべきではないです。そもそも今現在はGH6に外部レコーダーを使ってもその恩恵はほとんど得られないからです。外部収録で4K60p4:2:2 ProResフォーマット記録ができるという利点とかは少しはあるでしょうけどGH6は内部収録で4K60pの4:2:2 10bit ALL-I記録ができる時点で外部収録のアドバンテージは少なくなっています。
https://panasonic.jp/dc/products/g_series/gh6/movie.html#unlimited
もちろんProResじゃないとダメという人はいるでしょうけど、24p/30pに限ればそのProRes422HQでさえ内部収録できてしまうのがGH6。しかも5.7Kで撮れる。
では外部レコーダーで撮る意味が無いかと言うとそうでもないです。それはGH6のRAW出力ファームウェアのアップデートのタイミングでやってくるはずです。
そもそも4K120pのRAW収録までをアナウンスしているGH6ですが、その対応機種はNinja V+です。もちろんコーデックはApple ProResRAW
https://www.atomos-japan.com/products/ninja-vplus
FCPXをメインで使っている人にとってProResRAWに対応は楽しみな所でしょう。
さて、こうなると気になるのはBlackmagicのVideo Assistの.brawの方が気になります。ハード的には今のVIdeo Assist 12G HDRでは4K120pデータをHDMIで受けて4K120pの.brawをエンコードする事は不可能でしょう。
ここからは完全に私の希望的観測ですが、近い将来BlackmagicはVideo Assistの新製品を出してくれないかなと考えています。ATOMOSとは外部レコーダーで商売敵の関係であるBlackmagicがNinja+を出されて黙っているはずは無いとみています。
ともすると5.7K60p.brawを含めて対応しちゃう製品が出ちゃうのではないかと見ています。過去の例から見てATOMOS系の対応からしばらく経ってからBlackmagicのRAW出力をしてきたPanasonicなので、最初のRAWファームウェアアップデートのタイミングではそのタイミングはやってこないと思います。ですが、「新VIdeo Assistに発表と同時にGH6の.braw対応アナウンスがなされるのでは無いか」とそんな想像が膨らみます。
まとめ
冒頭にも書いたようにぶっちゃけアレコレ周辺機器をごてごて付けないでも美しい映像が撮れるのがGH6です。ミニマルに身軽に撮影するもよし、巨大なリグを組んで「ぐへへ」となるもよし。とにかく撮影スタイルは人それぞれです。これから始まるGH6ライフをこちらのページで紹介できていけたらと思いますので是非ブックマーク頂ければ幸いです。
筆者:SUMIZOON
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
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