とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

TourBox EliteをDaVinci Resolveで試す

今回はTourBox Eliteの紹介をしたいと思います。これを使いだしたからというものSpeedEditorに全く触れなくなった私です。。。ごめんなさいBlackmagic Designさん。。

TourBoxとは

そもそもTourBoxとはなんぞね?という方、多いと思います。かく言う私も2か月前まではその一人でした。カメラ情報には常にアンテナを張っている私ではありますが、ガジェット全般に情報収集をしているわけでは無いので初めてTourBoxという製品の名前を聞いたのはつい最近の事でした。

詳細は公式ページを見てくださいませ。

www.tourboxtech.com

尚、このブログエントリは別にメーカーさんに頼まれて書いたものではありません。確かにYoutubeの方でレビューの依頼は受けましたが、しばらく使ってきてコレやっぱり便利だわ。。と思ったのでこうして記事にしています。

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TourBoxは言うなればUSBの入力デバイスです。
この本体には3つの回転式のダイヤルが装備されていて、特にクリエータ向きの入力デバイスとなっています。

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初め見た時はなんじゃこりゃ?と思いましたが、それぞれボタンの形状が異なるために間違ったボタンを押すという事が無い様に工夫されている様です。
それぞれの操作部には名称が付けられており、下記のようになります。

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各ボタンにはそれぞれ名前がついている

このうち、スクロール、ダイアル、ノブは回転式の機構となっており、さらに押し込み動作にも対応しています。

よく出来ているのは、この3つのボタンにはハプティクスフィードバックによるカリカリが設定可能な点です。これで間違ってダイヤルを回してしまった際にも気付けますし、なにより操作した時の感覚が楽しい。

強さはフィードバック無しを含む3段階で、かつカリカリの1クリック分の回転角も調整が可能です。

外観と重量

意外と思うのは、この製品の重量です。結構ズッシリきます。というか恐らくですが意図的に重くしているものと思います。底面にゴム足がついてはいますが、仮に本体重量が軽ければデスクの上でTourBoxが使い込むほどに位置がズレていくでしょう。

恐らくこのデバイスの重量は(通常の使用範囲内においては)位置がずれていかないための必須の要件だったのではないかと思います。

設定、操作の方法

ぱっと見わかりにくそうなデバイスですが、実は扱いは非常に簡単です。基本的な動作を行うのであればものの数分で設定が可能です。というか、ここはソフトウェアが良く出来ていて直感的に設定を行う事ができます。

秀逸なのが、各設定のセットを作ってそれらをアプリケーション毎に勝手に切り替わる設定をできることです。

プリセットをオートスイッチ:ONに設定して作ったプリセットをそれぞれのアプリケーションに紐づければ勝手にアプリ毎に設定を切り替えてくれます。

DaVinci Resolveでどう使うか

さてここからが本題ですが、ここは先日Youtubeで公開した動画の方で紹介していますので下記動画も併せてご覧いただければ幸いです。

www.youtube.com

で、一旦は難しい操作は設定せずに紹介を行っています。コンビネーションを使うとかなりの数の設定ができるようになるんですが動画内ではちょっと説明が難しいので割愛しています。当ブログでは後述の様に一部コンビネーションを使っていますので参考までに。

ダイヤル類

まずはキモとなるダイヤル類の設定。

ノブ:1フレーム毎の前後移動(タイムライン&ソースビューア)プッシュで通常再生
スクロール:再生/逆再生、プッシュで停止
ダイヤル:タイムラインの拡大縮小、プッシュでサイズを画面に合わせる

という感じです。基本的に一番使うやつですね。 

メインボタン類

サイドボタン:一回押しでトリムモード、二回押しでノーマル編集モードの切り替え
トップボタン:速度の変更
トールボタン:挿入
ショートボタン:デリート
です。特に私の場合はクリップ毎の速度変更を結構するのでトップボタンに割り当てを行いましたが、クリップの長さ変更に割り当ててもよいかなと思っています。
尚、トップ、トール、ショートに関してはボタンを押したときにアクションが実行されるのではなく、ボタンを押して離した状態で初めてアクションが実行されるように設定しています。これは後述するコンビネーションでの使用を見越しての設定となります。

キットボタン類

Tourボタン:UNDO
上下ボタン:クリップの移動
左右ボタン:先頭、末尾をトリム

尚、上下に関しては押しっぱなしにして移動が継続するようにREPにチェックを入れています。

C1:イン点をマーク
C2:アウト点をマーク

ここも先ほどと同じくボタンを押して離した時にコマンドが実行されるように設定しています。

その他

その他コンビネーションを使うと恐ろしいほどのキー割り当てが出来ます。いくつかのキーはボタンを離した時にコマンドが実行されるように設定していますが、それはこのキーコンビネーションのためでもあります。たとえばコレです。

トップボタン+↑:クリップの長さを3秒変更

仮に先の設定でトップボタンを押した瞬間にアクションが実行されるとその時点で動作が決まって今いますが、トップボタンを押してホールドしてから↑を押すとクリップの長さを変更するウインドウが立ち上がる仕掛けです。さらにここには仕掛けがあります。

実は「トップボタン+↑」にはマクロを実行するように設定しており、CTRL+Dの速度変更ウインドウを立ち上がった後に「3.00」の文字列が自動で打ち込まれるようにしています。

つまりタイムラインのクリップ上でトップボタン+↑を押すと自動的にこの状態になるのです。

私の場合は1クリップを3秒とか決め打ちで配置することが多いのでこれは結構入力の手間が省けます。いっつもキーボードで数値入力していたのが馬鹿馬鹿しくなるほどです。なので一旦今の設定はマクロを下記の様に割り振っています。

もちろんトップボタンを単独で押すと下記のウインドウが立ち上がる設定です。

もっといい設定があるかもしれないけどとりえず1カ月使った中ではこれに落ち着きました。

まとめ

Youtubeで公開したTourBoxの紹介動画ではキーボードショートカットを覚えるのが面倒な人が使うと良いと言う紹介の仕方をしましたが、総じて繰り返し作業が多い人にはおすすめです。特に定型のキーボード入力を行う事が多い人はマクロと組み合わせてかなりの効率化が図れるはずです。

プリセットの公開も考えましたが、ぶっちゃけ設定は自分で作ってナンボです。というのも自分で考えて作ったプリセットは腹落ちしやすく操作になれるまでが早いからです。ここは自分の編集スタイルにあったプリセットを自力でつくる事を強くお勧めします。普段自分がどんなスタイルで編集しているかそれによって最適なプリセットは変わりますしね。

この手のデバイスはぶっちゃけ「初めは使ってもそのうち使わなくなる」と思っていましたが、なんのなんの、マクロを含めた設定までしてしまうとコレ無しでは編集できない体になります。ある意味恐ろしいデバイスだ。。。

 

筆者:SUMIZOON

Facebookグループ一眼動画部主宰 メンバー4500人

Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

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