LUMIX GH6はSDカードとCFexpressのメディアが使えるのはご存じの事かと思います。で、SDカード/CFexpressカードは市販の大概のものが使えるという理解ではありますが、高ビットレートによる撮影や長時間撮影を行うにおいては結構カードを選ぶのがGH6です。で、どのカードが安定して撮れるのかというのは結構ネット上を見ていると情報が様々です。というか、ウチの記事でもGH6の推奨カード、推奨メディアという検索をしている方が多く、みなさんメディアを気にしているということが伺えます。
GH6動作確認済みメディアリスト(2022.2時点)
で結局はメーカー動作確認済みリストを参照するのが一番確実と言えます(とは言えカードのロット依存やサイレントな仕様変更があるため100%大丈夫とは言えないはずです)。
GH6では発売に合わせて動作確認済みのカードが公開されていましたが。特にProRes422などの高ビットレートの撮影ではCFexpressカードが必要になるわけです。その代表格が
・Lexar Professional CFexpress Type B 64GB/128GB/256GB/512GB
なわけです。このカードは予約特典でメーカーが配っていたカード(特典は128GB)そのものです。上記カードであればGH6のすべてのコーデックを記録することが可能です。
GH6発売当初の動作確認済みメディアリスト
で、たまたま今日メーカーのGH6動作確認済みメディアのリストを見ていたら更新されていたので、変化点を紹介したいと思います。
SUNEASTが動作確認リストに掲載
2022.7.5更新 GH6 動作確認リスト 国内SUNEASTがリスト追加
詳細は下記をご覧くださいませ。
ぱっと見でわかるのはSUNEASTのCFexpressカードが動作確認リストに載った事です。
SUNEASTは国内(というか大阪)のメーカーで製造自体は台湾となります。
現状は高信頼のpSLCタイプのみが動作検証済みとして動画記録に「〇」がついています。GH6の動作確認リストにエクスキューズがついていないカードとしては現状Lexarに次いで2ブランド目となります。なお、コスパに優れたTLCタイプ(非pSLC)の方は動作検証中とあります。
動作確認リストにラインナップされたSUNEAST ULTIMATE PRO pSLC Series
pSLC構造なので信頼性が高い反面若干コスパが悪いと思われがちですが、それがそうでもないです。pSLC構造は一般のTLCに比べてデータの保持特性が高い分、面積当たりの容量が1/3となり価格が高いというデメリットがあります。故に信頼性が求められる産業用途で多く用いられるカードという認識です。
pSLCの信頼性
例えばpSLCについて解説された下記のページが参考になると思います。
同ページの解説はmicroSD製品に関するものですが、フラッシュメモリの構造とその特徴を理解するのには一読されると良いと思います。
引用:HIDISC 産業向けpSLC microSD製品につきまして | HIDISC 株式会社磁気研究所
SUNEASTのCFexpressカードには大きく二種類あります。シルバーの外観のpSLC(Pseudo Single-Level Cell)と黄色いTLC(Triple-Level Cell)の二種類です。
ウチの唯一のpSLCとTLCのCFexpress
(黄色のSUNEAST SDカードはいずれもpSLCなはず)
TLCは1セルあたり3bit(8段階の情報)を有するのに対して、pSLCは1bitの情報となります。「ほいだら、TLCの方が優秀じゃん」と思われがちですが、そこはちょっと違います。
どちらかというとTLCは記憶容量(密度)を上げるためにデータの保持特性と信頼性を犠牲にしていると言う事ができるかと思います。その反面pSLCは3bitのデータを疑似的に1bitを見立てることで高い信頼性を実現しているものだという理解を私はしています。故に単純にビット単価はTLCに比べてpSLCは3倍となるかと思います。とは言えSUNEASTのpSLCは比較的安いと言う印象。まぁさすがにTLCに比べりゃ高いけど
ならばTLCタイプはどうなのよ?
前述の様に、pSLCの640GBは2TBのTLC(一般的なCFexpressカード)に匹敵するコストですが、その代わりに高い信頼性を有しています。
私はpSLCと通常タイプの計3枚で運用中ですが、pSLCもTLCも今のところトラブルはありません。なのでTLCの通常の2TB/1TBでも(100%大丈夫とは言えませんが)問題はないと私自身は考えています。(ProRes422HQ撮影でも止まったことは無いです)
ただし、長時間の撮影など、黄色い方のTLC方式のCFexpressカードがメーカーの高/低温条件などの厳しい基準をクリアするかは今のところ分かりません。
まぁ世の中絶対は無いのでね。
あと、一つ言っておくと、SUNEASTの128GB/256GBに関しては書き込み速度がそれぞれ550MB/sと1100MB/sでほかのサイズと比べると少し書き込み速度が遅いです。なので、高ビットレート撮影を行う場合、この2枚のカードは1TB/2TBに比べてリスクは高いはずです。(私自身使った事がないですが、ProRes422記録でも普通に使える可能性はあります)
あくまで書き込み速度は最大書き込み速度であって最低保証速度では無いからです。ProRes以外だったらへっちゃらだと思うけどね。
筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰 メンバー5000人目前
CP+2021 LUMIXブース
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