さて、先程発表されたSONYのFR7について書いてみたいと思います。実は、この発表の後に民生機(あるいは民生機に近い価格)として新しいカメラが発表されるという噂があったので待ち構えていました。結果的にFR7のみの発表のみでした。。。
Cinema LineカメラFR7の主な仕様
・撮像素子:35mmフルサイズ(裏面照射型) 約有効画素数1030万画素
・ビルトインNDフィルタ:電子式可変ND
・パン・チルト機能
・動作範囲:パン -170°~170° チルト-30°~195° 動作速度:0.02°~60° /sec
・メモリカードスロット:CFexpress Type A / SDメモリーカードx2
・出力仕様(HDMI/SDI) :4096x2160 60p他
・価格:レンズ無しモデル 1,320,000円 レンズ付属モデル1,617,000円(税込)
レンズ付属モデルは FE PZ 28-135mm F4 G OSSが付属
以前もSONYはα7Sのセンサーを監視カメラなど多機種展開していましたが、今回はPTZ的なカメラとして発表されました。詳細はメーカーページをご覧いただくのが良いかと思いますが、気づいた点について記載したいと思います。
縦型のボックスカメラ+PT機構
おそらく縦型の構造はNDフィルタを逃がす構造なのでしょう。電子NDフィルタと言えどもND0は出来ないので、Clearにするためには機械的な構造が必要ななずです。
動画の説明でNDの説明がちらっとありましたが、下方向にフレームが伸びていることから下部にNDを逃がす構造と思われます。
横方向にNDを逃がす構造だと左右非対称になり、不格好になると思いますので縦に伸ばす構造が妥当なのかもしれません。
https://www.sony.jp/ichigan/a-universe/news/667/
いわゆるガワはPTZのパンチルト構造のそれであり、ズームはレンズ側の仕様にゆだねられています。キットレンズFE PZ 28-135mm F4 G OSSがはパワーズームや撮影倍率から考えてこのカメラシステムにベストマッチと言えます。
また、カメラの制御自体はWebアプリケーションでの制御が可能とあります。
https://www.sony.jp/ichigan/a-universe/news/667/
また、リモートコントローラーでの制御も可能となっています。
https://www.sony.jp/ichigan/a-universe/news/667/
恐らくα7SIII/FX3と同じ撮像素子
α7SIII/FX3と同じ1030万画素のフルサイズセンサを搭載しています。なのですが、コレα7SIII/FX3には搭載されていない記録フォーマットが記載されています。それはDCI4K(4096x2160記録)です。私の認識が古く無ければこの素子でDCI4Kに対応したカメラは初です。→と思ったらFX6もDCI4K撮れるよ~とのコメント頂きましたm(__)m
α7SIII/FX3の静止画の画素数は4240x2832ですので水平4096の画素数記録モードがあっても不思議は無かったのですが、なぜか今まではDCI4Kが搭載されていませんでした。
α7SIII/FX3がDCI4K撮れない要因は
・ボディ内手振れ補正があるとDCI4K撮れない?
・単に上記機種と差別化?
などが考えられますが詳細はどなたかご存じでしょうか。
ただし、このDCI4Kが水平方向に画角が広がる仕様なのか、それとも水平画角はそのままで縦をクロップしたような仕様なのかは今のところ情報はありません。(→多分FX6と同じ仕様と思うけどFX6の仕様自体把握してません)
尚、仕様書には記載されていませんが、α7SIII/FX3同様に10%クロップでの4K120p記録が可能です。おそらくこのカメラはカードに記録するよりもHDMI/SDIでの映像伝送することを想定していると思いますので、仕様書のメインはHDMI/SDIでの出力仕様になったものと思います。HDMI/SDIでの出力は4K120pには非対応と言う理解です。
https://www.sony.jp/products/catalog/SPC_ILME-FR7.pdf
シネマライン?それともPTZ的な使用を想定?
130万円このカメラですが、おそらく映像制作の場で使われるというよりも、中~大規模のホールやスタジオでのPTZカメラとしてのニーズの方が圧倒的に多い様な気がしま6年前にα7S/α7SIIのセンサーを使用したと思われる監視・ネットワークカメラというものがありました。
上記カメラとは少し毛色が違いまずが、FR7も制作現場、監視用途、PTZ的な用途でも使える形としてワンパッケージにして売り出すことで多くの法人に使われる事を想定したカメラの様な気がします。いや、完全に想像だけど、多分そっちの方が数売れるよね。
おそらくカード記録系統がα7SIIIと同じなので中の基盤はそのままに、ネットワークや制御系をアドオンして作られているものと想像します。もしくはFX6にメモリカードインターフェースをアドオン?いずれにせよ過去の資産からプラットホーム的な環境を使って品種展開をする非常にうまい製品戦略かなと思います。
結局アレ(FX30)の発表は無かった
いや、アレって何よって話ですが、SONY Rumorsとかでは数日前からやれFX30が発表されるという噂が飛び交っていました。その噂はAPS-C機のシネマラインというもの。でも、その噂の品番FX30からしてどことなく「違和感」を抱いていたのは私だけではないなず。
まぁ、アドセンス広告だらけの○○Rumorsは最近めっきり見ることがなくなったけど、この記事だけで相当α Rumors運営者は儲かったに違いない。そもそもFX30なんてPV稼ぎのデマだったのでは??と。あれだけ広告貼ってたら一回の閲覧で1円くらいは簡単にいくんやろうな(知らんけど)
そもそもSONYはFXという型番はフルサイズのために設定した品番であり、Super35mmはFSという品番で展開していました。なのでその命名コンセプトを捻じ曲げてまでFX30というAPS-Cを出すんかいな?と未だ半信半疑なのです。
同じ事を思っていたのはSystem5のやまもん氏
私は何も聞いてないですが、FX30って本当に出るの??と結構疑問視。
— システムファイブ やまもん【業務用映像音響機器 専門店】 (@system5sales) September 2, 2022
というのも、SONYのシネマラインって、今のところ全部フルサイズ以上のセンサー。そこに拘りがあるようにも感じていたので、APS-C機にFXの冠をつけるとは思えないんですよね。
FS30ならまだわかるんですけど。
もちろんAPS-C FX30の存在は否定されたというわけではありませんが、結果的には今回はその様な製品は発表されませんでした。いや、本当に存在しない可能性も高いと思う。なぜなら、最近のソニーならまずは民生、続いて業務・制作カメラにシフトするのでいきなり民生をすっ飛ばしてCinemaLine出すのか?というのも胡散臭い噂と思っている理由の一つ。とは言え多分出るんだろうと思う。
一方で動画性能を強化した民生価格帯のAPS-Cのミラーレスカメラ発表は近いものと思います。それがFX30かαXXXXなのかはわからんケド。そもそも最近FUJIFILMはX-H2Sで飛びぬけた動画性能の製品を達成しています。
SONYがAPS-C機としてこれに追従しないというのも少し違和感があるからです。SONYはあくまで収益性の高いフルサイズに特化して、カニバるAPS-Cを展開して来ないという可能性もなくは無いですが、X-H2Sが仮にSONYのセンサーだったとするならば、そのセンサーを使った商売は当然してくるものと予想します。
今回の発表でずっこけたという人もいるかもしれませんが、突然あっと言わせる発表がまた近くあるやもしれません。実はその徴候は先週から感じてるんですよね(気のせいかもしれませんが)。
理由は予想が当たったときに記載したいと思います。
ではでは。
後日談
結局FX30ぽいよね。
筆者:SUMIZOON
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
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