少し前にメーカーさんから送っていただいたPortkeysのPT6という外部モニタの紹介をします。
はじめに
ここをご覧の方はすでにPortkeysはお馴染みのメーカーかと思いますが、以前紹介した同社の製品に関する過去記事も貼っておきます。
Portkeysは数ある外部モニターメーカーの中でも独自のポジションを築いていて、チャレンジャブルな製品が多い印象が強いです。特に以前紹介したLH5Pではカメラコントロールやタッチフォーカスを可能とすることから、「他のメーカーはここまでやらんよねぇ」という商品を出してきています。一方、今回のPT6はカメラコントロールなどが出来るといったような、すごく尖った製品というわけではありません。ですが、使い勝手も良い軽量なモニターとして外部モニターの候補となる一台だと思います。
後述するHDMI経由のLUT適用とか、アナモでスクイーズとかは地味過ぎるのですが、欲しい人には欲しい機能を備えています。
Portkeys PT6の製品概要
まず同製品の製品概要について記載します。スペックはメーカー製品紹介ページより引用しておりますのでそれぞれ項目ごとに見ていきます。
パネル
LCDパネルはSHARP製の5.2インチの耐指紋コーティングがなされているIPS液晶が作用されてます。余談ですが、その昔はこのサイズのモニターって結構高かったのですが、このサイズのモニタがだいぶ安価になったのはスマホの普及によるものだと思います。スマホと同じサイズ感からスマホ用のパネルを使っているのかなと推測。
解像度は1920x1080、コントラスト比は1500:1
明るさは600nitなので一般的な明るさと言えます。屋外炎天下での使用を前提とした高輝度系モニタは概ね1000nit以上ありますが、それに比べると屋外では少し暗いと感じるかもしれません。
重量
特徴的なのはその重さです。170gしかありません。電源は別途必要になるのでバッテリの重さ次第な部分ではありますけどね。
3D LUTや表示効果がHDMI出力可能
Portkeysのモニタには一般的な表示アシスト機能が一通り備わっていますが、上記表の青文字に関してはHDMIからの出力に対応しています。
一般的にHDMI出力が備わっているフィールドモニタは入力された映像をそのまま出力するスルーアウトが前提となりますが、このモニターの場合は例えば入力した映像に対して3D LUTを適用して出力することが可能です。
3D LUTを適用した状態(HDMI側にもLUTが適用される)
他にはアナモフィックレンズを使って縦長に撮影した映像をデスクイーズ(横に伸ばし通常のアスペクトに戻す)してHDMIから出力することが可能になっています。
他にもシャープネスや彩度(Chroma)を変更した映像をHDMIから出力することができます。
つまり、コレ何が良いかというと、その場で配信映像として使えるという事を意味します。
というか、本来は(好みのルックにするために)LUTの適用やアナモデスクイーズはカメラで記録した映像をPC上で処理をするのが一般的ですが、それだとリアルタイムに配信することができません。(LUMIXだと好きなLUTを入れてHDMI出力は出来るけどね)
キャプチャーデバイスなどを使ってPT6のHDMIから出力される信号を取り込んでライブ配信すれば上記のLUTが適用された状態になりますので、LUT適用表示が出来ないカメラで画作りしつつライブ配信したいと言う方にお勧めです。
極端な話、通常のガンマプロファイルでLUTを当てても良いですし、むしろそう言った使い方も良いのではないかと思います。
カメラ本体ではできないアナモデスクイーズ
なお、アナモフィックデスクイーズ表示は一般のカメラでは本体内にその機能を持たないものがほとんどです。なお一部のLUMIXではデスクイーズ表示が可能ですがSIRUIのアナモフィックレンズなどで採用されているx1.6比率に対応していません。Portkeys PT6はアナモフィックデスクイーズを行う安価なソリューションの一つだと言えます。
撮影の際の映像確認やライブ配信でアナモレンズが使えるのは結構メリットです。
Yoloboxと組みあわせた例 HDMIからでスクイーズされた映像が出力されている
足伸ばす出力も
変わった機能として水平方向を伸ばして表示させる機能がありあす。HDMI出力にこの表示効果は反映させることができますので、縦動画のライブ配信で足を長く表示させることも可能(笑)
いや、おっさんだからこの機能を不要と思うのであって、本気でこれを使って配信したいと思う人は結構いるかと思う。
バッテリーはお馴染みのヤツ
まぁ、この界隈でNP-FXXXバッテリーは持っていない人はいないくらい普及しているので当然サポートするバッテリーもNP-FXXXです。で同じ電圧仕様のLP-E6が使えるお馴染みのパターン。
3D LUTはUSB経由でインストール
SDカードにLUTを放り込んでモニタ側でインストール画面を選べば簡単にインストール可能です。
入力は4K30pまで
ぼちぼち4K60p入力に対応した安価な外部モニターが出てきても良い様な気がしますが、4Kは30pまでの仕様です。パネル自体はFHDですのでカメラはFHDにダウンコンバート出力させて使うのが良いと思います。
ただ、私が愛用しているLUMIX S5はダウンコン機能がないんですよね。4K60pの時の表示がどうなるのかをちょっと試してみたいと思います。
一方で出力はFHD60pの固定となります。
付属品
モニタ本体、ケーブル、ホットシューマウント、フードがペリカン風ケースに収まっています。ホットシューマウントはフィールドモニタを買ってもついていないケースが多いのでこれはありがたいです。
日中屋外の撮影に便利なフードもコンパクトに収まっています。またケーブルは
の2本が同梱されていて、PT6を買ったら(バッテリーさえあれば)即使えるようになっています。
次回ライブ配信では、Yoloboxとアナモフィックレンズの組み合わせでCinematicライブ配信でもしてみようかなと思います。
普通に使っても軽量で扱いやすいモニタですが、配信でちょっと違う事をやってみたいという方にも良いモニターだと思います。
使った印象
・発色がよい
・HDMI出力ででスクイーズをハードウェアで行える数少ないソリューション
・LUT適用不可のカメラでも絵作りを行ってライブ配信が可能
・外装がプラなので質感は正直高いとは言えませんがその代わり軽くて良い。
・液晶の明るさはもう少し欲しいと思う所もあるが、室内で使う分にはなんら問題ない
購入は下記直販サイトもしくはAmazonのPortkeysの公式ショップで購入ができます。
ちなみに私が最近よく使っているバッテリーもリンクを張っておきます。F970だとデカすぎるのでこのサイズがベストマッチかなと。二連チャージャーが付いてお値段4千円以下。中華バッテリーなので使用は自己責任で。
筆者:SUMIZOON
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
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