LUMIX S1RIIが発表された
2025年2月25日にこの記事を書いています。現時点で日本の公式な発表はまだですが、海外で先行的にLUMIX S1RIIの発表があったのでそれをベースにアレコレ書いてみたいと思います。正式な発売日や価格は日本の公式発表が行われてから記載したいと思います。
引用:LUMIX S1RII Full Frame Mirrorless Digital Camera – DC‑S1RM2
というか、S1RIIの情報はこの数日かなりの詳細なレベルでリークされている状態なのでここをご覧の方は結構目にしていると思います。まずは、公式発表のYoutube動画をご覧ください。
LUMIX S1RIIの動画周りのスペックが高い
S1RIIは型番的にはスチルカメラの建て付けです(少なくとも初代S1Rはそうだった認識です)が、動画機能としてかなりスペックが高いことがわかります。以降、本記事では動画撮影機能を中心に紹介してしていきたいと思います。(スチル周りは一般のメディアの方を参考にしてもらうのが良いかと思います)
現行のフルサイズLUMIXとの比較と新機能紹介まで
知る人ぞ知るS1Rの最高画質評価
動画機能の紹介の前に先代のS1Rの画質について書きたいと思います。
現行のフルサイズLUMIXは4700万画素のS1R、2400万画素のS1/S5/S9系の二つの画素数のラインナップです。特に前者のセンサーはS1Rだけに搭載されたものです。
ほとんど知られてない事実ですが、S1RはDxO Markによる画質スコアにおいて、フルサイズ60MPまでの機種では現在も画質評価NO.1のポジションに位置しています。特に色再現の部分での評価が高く評価されているのはLUMIXらしいところです。
全画素数でのベンチマークでもLEICA M11(画素数61MP)に次いでの2位で、各社フラッグシップは8機種ほど下に位置します。
果たしてS1RのスコアがS1RIIが超えてくるのか否かは興味があるところです。
さて次からはS1R/S5II/S1RIIの違いについて比較します。不確定なところもあるかもしれませんので、ここも併せてご覧いただければ幸いです。
表:初代S1R/S5II/S5IIX/S1RIIの比較
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項目 |
S1R |
S5II |
S5IIX |
S1RII |
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発売日 |
2019.3.23 |
2023.2.16 |
2023.6.22 |
2025.3下旬? |
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有効画素数 |
4730万 |
2420万 |
2420万 |
4430万 |
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ファインダー |
576万ドット |
368万ドット |
368万ドット |
576万ドット |
|
背面液晶 |
210万ドット 3軸チルト |
184万ドット フリーアングル |
184万ドット フリーアングル |
184万ドット チルトフリーアングル |
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手ブレ補正 |
B.I.S. 6段 Dual I.S.2 7.5段 |
B.I.S. 5段 |
B.I.S. 5段 |
B.I.S. 8段 |
|
CaptureOneテザー対応 |
ー |
ー |
ー |
対応 |
|
動画撮影時最高解像度 |
4K |
6K |
6K |
8K |
|
C4K60p画角(クロップファクタ) |
フルサイズ 筆者調べ |
APS-C |
APS-C |
フルサイズ |
|
C4K120p撮影画角(クロップファクタ) |
不可 |
不可 |
不可 |
フルサイズ (1.1倍) |
|
Log撮影 |
不可 |
可能 |
可能 |
可能 |
|
Log撮影時ダイナミックレンジ |
ー |
14+STOP |
14+STOP |
14STOP DR |
|
USB-SSD記録 |
不可 |
不可 |
可能 |
可能 |
|
USB-SSD/CFexpress同時記録 |
ー |
ー |
不可 |
不可 |
|
RAW動画記録 |
不可 |
外部収録で可※ |
外部収録で可 |
内部収録可能 外部収録対応予定 |
|
リアルタイムLUT対応 |
ー |
対応 |
対応 |
対応 |
|
32Bitフロート録音 |
不可 |
不可 |
不可 |
可(w/ XLR2) |
|
電源OFF時シャッター閉幕 |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
|
クロップレス電子補正 |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
|
フロントタリーランプ |
無し |
無し |
無し |
有り |
|
シャッター速度リミッター |
無し |
無し |
無し |
有り |
|
frame.io対応 |
ー |
対応 |
対応 |
対応 |
|
サイズ |
148.9 x 110 x 96.7mm |
134.4 x 102.3 x 90.1mm |
134.4 x 102.3 x 90.1mm |
134.3 x 102.3 x 91.8mm |
|
重量/バッテリー/メディア含む |
1016g |
740g |
740g |
795g |
2025.3.19追記→当初、SSD + CFexpressの同時記録ができると記載していましたが、これは出来ない様です。なお、SSD記録の場合は一部コーデックでプロキシがSDカードに記録出来ます。
新4430万画素センサー搭載
まず、4430万画素という画素数ですが、8Kの動画を撮るにはちょうどいいと言えるでしょう。これ以上画素数が多かったら8Kはクロップになるでしょうし、4K120pも実現出来ていなかったのかと思います。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=5E5tCuqMkq0
CaptureOneテザー対応
まず静止画機能のニュースとしてはCaptureOneのテザー対応する点。スタジオワークには必須という人も多いでしょう。Lightroomユーザーの私としては、Wi-FiでPC撮影時自動転送してるので直接関係ないのですが、色々周りの話を聞くとCaptureOneでテザー撮影したいけどできないからLUMIXの導入を躊躇してるという人も多いと聞きます。
これを機にLUMIX導入してみようかなと言う人が増えるかもしれません。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=5E5tCuqMkq0
強化された手ブレ補正
全ミラーレスカメラの中でLUMIXは最強の手ブレ補正の効きなのは疑うところがありませんが、さらに手ブレ補正が強化される様です。

引用:LUMIX S1RII 3: AF / STABILIZER - Panasonic UK & Ireland
最新のLUMIX S9/GH7/G9PROIIなどではLUMIXでは電子手ブレ補正のアルゴリズムが追加されて、手ブレ過補正時の広角撮影時の周辺像の歪みをソフト的に補正する機能が追加されました。ところがこのモードはクロップ率が大きくせっかくの超広角画角が狭まるというデメリットがありました。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=5E5tCuqMkq0
今回は周辺歪みを補正する広角撮影に適したクロップレスの補正モードが搭載される様です。これ凄い。
8K30p動画記録
8K撮影が初めて撮れるようになりました。いや、他社ハイエンド機種は既に8Kが撮れるので今更と言う人も多いのかもしれません。とはいえ、8Kが撮れるようになったのはLUMIXユーザーとしては悲願です。
とにかく、その画質を試して見たいと思いますが、LUMIXの事なので超絶美しい8Kが取れるはずです。でも8K60pが撮りたかったのよねぇ。他社も通常のH.265コーデックで実現してるカメラは無いのでここは仕方ないか。。とはいえ5.9K60pは8Kオーバーサンプリングと思われるので、高解像度の60pもS1RIIは撮れます。
4K120p動画記録
厳密にはほんの少しクロップされる様ですが、ほぼフル画角の4K120pが撮れるにようなりました。

画素混合から生成されているのか、8Kからのオーバーサンプリングから生成されているのかは公式にはアナウンスされていませんがとにかくフル画角で4K120pが撮れるのは大歓迎です。
Log撮影
初代のS1RはLog撮影は不可でしたが、S1RIIではLog撮影が可能になっています。というか、コレだけ動画撮影機能を搭載していてLog撮影出来ませんということは無いですので安心しました。

後述しますが、ダイヤミックレンジ拡張ON/OFFが選べるので、GH6/GH7の様にダイナミックレンジブースト的な技術が搭載されているのかも?と思わなくもない。でも名称が違うので根本的に違うのかもです。ここもわかれば後日書きます。
2025.3.19追記→どうもダイナミックレンジ拡張のモードは下位ビットを2bit精度を上げる仕様の模様 増えたビットのおかげで1STOP分をハイライトに、1STOP分をシャドーに振ることでレンジを増やすものと推測します。この仕様だとダイナミックレンジ拡張は絶対照度的にはハイライトクリップポイントは同じなので1段ベース感度が上がるというカラクリだと思われます。
シネライクA2
新しく追加されたフォトスタイルがシネライクA2。はて、このAの意味するところですが、おそらく「ARRI」の事を指していると思われます。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=5E5tCuqMkq0
今までのLモノクロームD/Sというフォトスタイルがありましたが、公式にはアナウンスしていませんがLはLEICAという認識です。つまりこのフォトスタイルを設定すれば誰でもARRIっぽい映像が撮れてしまうことになるのか?。世界で一番使われているシネマカメラARRIのルックがそのまんま使える。。。果たしてどんな感じなのか使ってみたいやつ。
外部SSD記録
既にLUMIX S5IIX / GH6 / GH7 / G9PROIIでは外部SSD記録が可能ですが、LUMIX S1RIIでも外部SSD記録が可能の様です。おそらくスチルも通常の圧縮コーデックも記録できるはずです。SSDはCFexpressやSDカード(V90)に比べて圧倒的にコスパがいいのでこれができることで撮影コストを大幅に下げることもできると思います。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=5E5tCuqMkq0
ただし、G9PROIIとかは一部のハイフレームレートはSSD記録出来なかったと思うので、S1RIIでも一部のコーデックはSSD記録出来ない可能性もあります。詳細がわかればまた記載します。
チルトフリーアングルモニタ
ドット数こそ初代S1Rから減っていますが、モニター機構が大きく変化しました。基本的にはS1HやGH6/GH7に搭載されている構造の様ですが、可動域が広くなっていそうです。HDMIポート、USBポートと干渉しないこの構造ですが、スチル撮影者にも光軸が左右にズレないハイアングル、ローアングル撮影ができるのでこの構造がいいと思う人が多いと思います。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=5E5tCuqMkq0
内部RAW記録
内部RAW記録ができるLUMIXはGH7に次いで2機種目となります。フォーマットはProResRAWなので、ワークフロー的にはFinalCutがメインになるかと思いますが、高品質コーデックが内部収録できます。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=5E5tCuqMkq0
撮影後にホワバラと露出を高精度に補正したいという人は是非に。
外部RAW記録(ファームアップで対応予定)
どうも外部RAW 8K記録が予定されているっぽいです。フォーマットはProResRAWとBlackmagicRAWですが、そもそも8Kのフォーマットで記録できる能力のVideoAssist(レコーダー)があるのか?という疑問はあります。ATOMOSとかは新機種出しているので出来そうだけどBlackmagicの方はいい加減新しいVideoAssistが出る予兆なのかも?(今のVIdeoAssist 12G HDRで収録できればベストだけど)
2025.3.19追記→X-H2とかはBlackmagic RAWの8K収録が出来ているので現行のVideo Assist 12G HDRでいけそう。

引用:LUMIX S1RII 2: Videography - Panasonic UK & Ireland
電源OFFシャッター閉幕
これもフルサイズLUMIXとしては初(確かマイクロフォーサーズで閉じるLUMIXがあったような記憶があるけど少なくともフルサイズは初)。電源OFFでシャッター幕が閉じる様になりました。個人的にはシャッター幕が触れる状態にあるのは怖いですが、安全に使えばレンズ交換時のダストの混入は大幅に減らせるはずです。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=5E5tCuqMkq0
32bitフロート録音
LUMIX GH7で初めて搭載された32bitフロート録音ですが、S1RIIにも搭載。XLR2ユニットを搭載することで音割れの無い録音が可能となります。

LUMIX Flow
LUMIX Labに次いで新しいアプリがアナウンスされました。これはあらかじめアプリで撮りたい映像のイメージをアプリで登録してLUMIXと連動させることができるアプリの様です。詳細がわかれば本ブログで記事にしたいと思いますが、どうやらこれもドラマなどシナリオが決まっている撮影で使うには画期的なアプリの模様。



空冷ファン搭載
発表時の動画では触れてませんでしたので(私が見逃したのかも)空冷ファン非搭載と思ってみてましたが、よくよくスペックを見ると空冷ファンが搭載されています。

引用:LUMIX S Full Frame Cameras DC-S1RM2 - Panasonic UK & Ireland
どこまで連続記録できるのかは分かりませんが、冷却性能は他の同クラスのカメラに比べて高いことが想像できます。
本体の大きさ
スペック表を見る限り高さと幅はLUMIX S5II/S5IIXと同じ。厚さが異なるのはチルトフリーアングルモニタの分が異なる様です。ひょっとするとS5IIのケージがそのままハマる可能性もあるので実機が触れる機会があれば確認します。
重量は若干S5IIよりも重いですが多分違いはわからない程度かもと思います。
気になる点
ダイナミックレンジ
V-Log撮影時の話ですが、24MP画素センサーのS5系は14+STOPですがS1RIIは14STOPになっているようです。0.3段の違いなので、ほとんどハイライトの描写は違いは感じないかもしれません。これは画素ピッチが狭くなったことによる影響なのかと推測しています。なおS5II/S5IIXは-8〜6.3STOPでS1RIIは-8〜+6STOPの模様。こう言うところ正直よね😅

引用:LUMIX S1RII 2: Videography - Panasonic UK & Ireland
スペック上はレンジがほんの少し狭まっている様に見えますがS1RIIのダーク〜シャドーのS/Nが高ければ、実質的にはS5II系を上回るダイナミックレンジになる可能性もあるかもしれません。
その場合は今までV-Log撮影時に+1オーバー露光撮影していた人であれば+0.7オーバー露光で撮影したらハイライトクリップは今までと同様で、さらにシャドーから情報が取り出せることになります。果たしてそうなるかどうかは実機で試したいところです。

引用:LUMIX S1RII 2: Videography - Panasonic UK & Ireland
海外のサイトのスペックシートには上記の記載があるので、Logの撮影モードが2種類選べるという理解ですが、14Stopモードはフレームレートが高いモードではきっと使えないと思われますが、細かいところはまた別途記載したいと思います。
動画、スチル切り替えスイッチ方式に変更

引用:LUMIX S1RII 4: Control - Panasonic UK & Ireland
LUMIXの操作系として大きな変化がS1RIIあります。今までは動画とスチルの切り替えは下記のようにモードダイヤルの中に動画撮影モードが存在していました。動画撮影の場合はこのダイヤルを動画モード(クリエイティブ動画モード)に変更することで、さまざまな動画機能を使える様になるのが今までのLUMIXです。
今までのLUMIXのモードダイヤル
つまりこのクリエイティブ動画モードで、メニューの中でM/S/A/Pを選択する方式でした。この部分が意外と他のカメラを使っている人にはわかりにく部分だったのかもしれません。ただ、この方式は右手の指先だけで動画とスチルを切り替えられるメリットがありました。例えば
・動画はマニュアル(M)露出
・スチルは絞り優先(A)露出
この場合、ダイヤルを📽️→Aにカチカチっとすれば動画のMとスチルのAモードとワンアクションで切り替えられるので、慣れた人に撮っては動画撮影とスチル撮影が即座に切り替えられるメリットがあります。
では、動画/スチルの切り替えダイヤル方式になった場合どうなるか考えます。
⓪動画撮影はダイヤルでMモード(初期状態)
①動画、スチル切り替えダイヤルでスチルに変更
②スチル撮影はダイヤルでAモード
の様にトータル2アクションになります。この部分が動画とスチルを切り替えるのに一手間増える理由で私の懸念事項です。
ですが、コレはおそらくカスタムダイヤルを駆使することで今までよりも撮れ高が上がる様になるはずです。おそらく(というかほぼ100%)それぞれのカスタムダイヤルは動画用の設定とスチルの設定をダブルで設定できるはずなので下記の様な設定ができるはずです。
・動画モード:ダイヤルC1 → M露出8K
・スチルモード:ダイヤルC1 → A露出
と言うように設定しておけば、動画、スチル切り替えスイッチ方式を切り替えるだけで動画とスチルの露出モードを切り替えることができるはずです。つまりC2以降も同じ様に4K120pを設定、動画はA露出みたいな感じで設定をセットで作れば今まで以上に撮れ高が上がるものと思います。
とりあえずのまとめ
発売は3月中には発売されそうですが、日本の価格は現状まだわかりません。他社の価格設定的には50万円を切るか切らないかが一つの基準となりそうです。おそらく50万円よりは安い価格設定にするのでは無いかと思います。
とにかくLUMIXで8Kが撮れるようになったからには試してみたいと思う機種です。というか8K30pと4K120pがLUMIXの絵作りで撮れる、変態的に止まる手ブレ補正で撮れるだけで試してみたいぞ。

引用:LUMIX S Full Frame Cameras DC-S1RM2 - Panasonic UK & Ireland
自己紹介
筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。
