世界最大級のモバイル関連技術の展示会MWC2025にて公開されたあるブツについて書いてみたいと思います。まぁ、何のことかというとXiaomiのモジュラータイプのカメラシステムです。数日前に話題になっていたと思います。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=RApnDMfwjwc
とりあえず、以下の動画をご覧ください。
Xiomi Modular Optical System
Xiomi Modular Optical Systemと名付けられたこのシステムですが、基本的にマグネットでスマホに取り付けるレンズで、パチンとスマホに取り付ける構成になっています。
ここではレンズと表現していますが、以下の画像を見るとわかるようにイメージセンサーがスマホ側にはありませんので、イメージセンサーはレンズ側に付いている状態であることがわかります。

https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1666922.html
このレンズに内蔵されているセンサーは4/3型。センサーは4/3インチ。つまりフォーサーズセンサーです。(細かいことを言うとアレですが、マイクロフォーサーズというのはカメラシステムの規格名なので、センサーだけを指すならばフォーサーズだ正しい言い方でしょう)
またギズモードとかは「一眼レフ化」できるコンセプトとして本コンセプトモデルを紹介していますが、レフは無いので「ミラーレス一眼化」が正しい書き方でしょう。
で、レンズとカメラは2つのポゴポンで接続を行います(有線接続+無線通信?)。
→どうもポゴピンは電源接続だけで、データは無線通信らしい
これをみて若い世代の方であれば、「超新しい!」「こんなの初めて!」となるのだと思いますが。。
時代は繰り返される
このスマートフォンに接続するためのレンズ(というかレンズ+イメージセンサー)は昔話題になったいくつかの製品に似ています。
サイバーショットDSC-QX100

引用:新製品レビュー:ソニーサイバーショットDSC-QX100 - デジカメ Watch Watch
この製品は2013年にSONYが発売したサイバーショットDSC-QX100。お値段は発売当初の価格で5万4,980円程度。35mm判換算で焦点距離28-100mm相当のズームレンズと1インチのイメージセンサーが一体となったカメラ(と言っていいのかわからんけど)。要はこの製品は、レンズ+イメージセンサー+通信手段を有するものです。おそらくある程度の画像処理エンジンも搭載しているはずす。撮影や設定はスマホ画面を見て行い、データをスマホ側に無線伝送される仕組み。バッテリーもDSC-QX100側に搭載する必要があります。


引用:新製品レビュー:ソニーサイバーショットDSC-QX100 - デジカメ Watch Watch
また、メディアも用意されているので、結局のところ、RX100から背面液晶とガワを取っ払って背面液晶と撮影設定はスマホを使ってね。という製品でした。実機を触ったことは一度あったものの、私は使ったことがない製品。当時結構話題にはなったものの、ビジネス的には失敗と言えるもので、気づけばこの製品は市場から消えていました。
OLYMPUS AIR A01
SONYのDSC-QX100に続いて当時のオリンパスが作ったのがOLYMPUS AIR A01です。

こちらはCP+2015のオリンパスブースで触った記憶があります。こちらはレンズ交換式。考え方としては同じです。ミラーレス一眼から背面液晶とボディ部分を取っ払ってフランジ部とセンサー+エンジンを残した形。なのでセンサーは4/3でマウントはマイクロフォーサーズ。

引用:新製品レビュー:OLYMPUS Air A01 - デジカメ Watch Watch
ちなみにスマホと連携しないでもmicroSDスロットがあるのでスマホと連携しないでも撮れる。けどフレーミングはできないです。なのでスマホと接続するのが前提となるカメラですが、オリンパス的にはOLYMPUS AIRをコントロールするSDKを公開していたはずなのでユーザーを巻き込んで面白い使い方を考えてね。というスタンスの製品だったと記憶しています。その部分ではBGH1とかと考えが共通かなと。
とは言え、この製品も話題にはなったものの、ビジネス的には失敗に終わっているという認識です。
というか、このスタイルなら普通にPENを持ってた方が良くね?と思わんでもない。SONYのDSC-QX100といいOLYMPUS AIR といいスマホとの一体感はイマイチだと思います。
YONGNUO YN455
先の2機種はイメージセンサーはレンズ側に内蔵していますが、スマホにそもそもマウントつけてあとはレンズを好きなのつければいいんじゃね?という考えの製品がYONGNUO(ヨンヌオ) YN455です。実はこれの一つ前の機種が2019年に販売されてますが。YN455はその後継機種。

もはやスマホなのかミラーレスカメラなのか分からないですが、Androidで動くミラーレス一眼と言った方がいいのかもしれん。YN455は日本でも買えたと記憶していますが、私の周りで買ったという人は見かけません。まぁ変態カメラと言っていいでしょう。3年くらい前まで展示会で見かけた気がしますが、これも多分言うほど売れてないはず。。
Xiaomi Modular Optical Systemの特徴
あくまでコンセプトモデルで参考出品なので、この手の製品が本当に発売されるのか否かは正直わかりませんが、飛ぶ鳥を落とす勢いのXiaomiなので、数は売れないことは分かっていても市場投入する可能性は高いのではないかと思います。もしかすると今度こそこの手の製品がそこそこヒットする可能性もあるかも。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=BBuvc_K8tDg
センサーは一億画素の4/3センサーが搭載されている様です。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=BBuvc_K8tDg
どうでもいいけど(細かいぞと言われそうだけど)、Xiaomiも大手のメディアもこぞって「マイクロフォーサーズセンサー」と書いてますが、「マイクロフォーサーズ」はマウントを含めたシステムの名称なのでセンサーはあくまで4/3型、or フォーサーズという言い方が正解なはずです。そもそもこれを「マイクロフォーサーズ」と言ってしまうと、いわゆるMFTレンズが使える様に思ってしまうユーザーが出てきそう(というか私も初めて目にした時はそう思った)。。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=RApnDMfwjwc
上記の様にいわゆるマグセーフ的にレンズをピタッと付ける方式で、よく見ると上部にポゴピンが見えます。ここでレンズへの(オートフォーカス駆動のための)電源供給も行われる様です。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=BBuvc_K8tDg
レンズのスペックは35mm F1.4となっていますが、実際にはこのレンズは35mm判換算で35mmという記載をどこかで見たので17.5mm F1.4相当のレンズなのではないかと思います。これがレンズの記載通り焦点距離35mm(35mm判換算70mm)だとフォーサーズセンサーにはちょっと長いので多分前者かと思う。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=BBuvc_K8tDg
スマホとは違ってガチに光学設計できるし、いわゆるミラーレスとは異なり、センサー一体型の構成なので割と小さく作りやすいはずです。逆にいうと高級コンデジのレンズ+センサーだけをモジュール化してあとのコントロールやISP処理はスマホ側でやる。という構成?

引用:https://www.youtube.com/watch?v=BBuvc_K8tDg
でも、確証はないですが、このレンズモジュールに画像処理エンジンが搭載されていないのであれば、センサーからは素のRAWを直接スマホに伝送するはずですが、それだと恐ろしいほどのデータになるので、ディベイヤや各種処理&圧縮を行った上で、スマホ側に転送する方式なのかなと。知らんけど。
少なくとも先の動画を見る限り、非常に快適そうに撮影できているので、無線通信が遅いから使い物にならん。ということはなさそう。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=BBuvc_K8tDg
結局、先に述べたSONY DSC-QX100 / OLYMPUS AIR A01 / YONGNUO YN455と決定的に違うところは不要なものを削ぎ落として一眼クオリティの光学設計とセンサーを搭載しながら徹底的にコンパクトかつスマートに実装できている部分だと思います。
SONY DSC-QX100はバッテリーやSDカードがある意味無駄ですし、当時のレベルの無線接続だけに頼るコンセプトは大容量を扱うカメラとしては貧弱でした。
OLYMPUS AIR A01 もYONGNUO YN455もマイクロフォーサーズというマウント規格に縛られるので一眼と同じだけのフランジバックが最低限必要になるため、スマートフォンとしての薄さはスポイルされてしまいます。
このXiaomi Modular Optical Systemの方式はレンズとセンサーが一体となっているため、フランジバックの考えはありません。おそらく後玉はセンサーギリギリに寄っている設計でしょうから極限までコンパクトにできるメリットはありそうです。
問題はコスト?
仮にこのタイプのレンズモジュールが複数種類発売されたとして、問題になるのはそのコストだと思います。そもそもレンズ単体ではなく、センサーを含んだ構造ですのでセンサー部分は必ず付いて回るコストになります。フォーサーズセンサーとは言え、イメージセンサーは半導体デバイスとしては巨大なので結構なコストはかかるはずです。
言うなればリコーのGXRの二の舞になるのではないかと。

センサーとレンズを交換するコンセプトだったGXR(販売終了)
GXR / デジタルカメラ | RICOH IMAGING
とは言え、コスパの良い製品を連発しているXiaomiだけに案外「こんな値段で発売するんか!」くらいのびっくり価格で登場したらええなと。。。
ぶっちゃけコストさえクリアすればこの方式は過去の製品に比べてヒットする可能性は飛び抜けて高いと思います。そもそも過去の方式に比べてスマートさが違う。もしこれでヒットしなければこの手のガジェットはもう永遠に出てこないかもしれないと。そんな風にこの製品を見ておりました。ではでは。
筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。
