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DaVinci ResolveのWindows/Linux版でついにApple ProRes書出しが可能になった。その裏を妄想する

はじめに

割と話題になった話ですが、Davinci ResolveのWindows/Linux版でついにApple ProRes書出しが可能になったという話題について書いてみたいと思います。今までもApple ProResの読み込みはプラットホームに関係なくDaVinci Resolveでは出来ていましたが、ProResがDaVinciから直接書き出せるようになったのは画期的と思う方も多いでしょう。
納品自体がProResである必要がWindowsユーザーや、中間コーデックでProResを使いたいWindowsユーザーにとって、これからは他のトランスコーダーや他のツールに頼る事なくDaVinciだけで完結できるので、これは朗報と言えるでしょう(素直にMac使えばいいという話もありますが)。

本記事に関しては、事実以外の勝手な妄想を含んでいますので、そこらへんご了承ください。というか業界関係者から怒られそうな内容かもしれませんが、これもネタとして受け流して頂けると幸いです。AppleがQTのサポートをやめた背景とかから妄想を書き出すと記事が長くなるのであっさり妄想をします。

DaVinci Resolve 19.1.4リリースノートより

リリースノートを見ると下記の記載があります。今回のバージョンでは他にもいくつかのアップデートがありますが、「目玉」は以下の赤線部分のProResのエンコードに対応した部分かと思います。
これは以前から多くのWindowsユーザーが対応してほしいと思っていた部分であります。一方で、昔から対応してないんだから将来的にもWindows版のProRes書き出しはできるようにならない、と多くの人が思っていた部分です。

What's new in DaVinci Resolve 19.1.4

The following features have been added or updated.

  • Support for Blackmagic RAW SDK 4.5.
  • Apple ProRes encode support on Windows and Linux.
  • Support for Samsung Log LUTs.
  • Addressed network decode performance for large embedded AAFs.
  • Addressed issues with exporting embedded AAFs.
  • Addressed audio stutters when recording interlaced media to tape.
  • Addressed inspector audio track selections for source multicams.
  • Addressed issues decoding some transport stream clips.
  • Support for Photon 4.10.8.
  • Addressed issue with importing large Dolby audio files.
  • Addressed playback delay after import for large Dolby audio files.
  • Addressed issue with default ISO selection for Canon RAW clips.
  • Addressed centre crop issue playing back ARRI RAW clips.
  • General performance and stability improvements.

サポートセンター | Blackmagic Design

DaVinci Resolve 19.1.4のWindous版デリバー画面

ここまで本記事では「書出し」と書いていますが、DaVinci Resolve 19.1.4 Windows版ではプロキシと最適化メディアでもProResを選択することができるようになっています。なので、正確にはリリースノートの通り、エンコードサポートというのが正確かと思います。

DaVinci Resolve 19.1.4のプロジェクト設定(Windows版)

なお、本機能ですが、無償版でも(グレーアウトせずに)アクティブになるのでProRes書出しは可能な模様です。ですが、後述のように現時点ではウチのWindows環境ではうまく書出しできてないので無償版が書き出せるかの確証は100%までは無いです。

ProRes書出しは本来有償アップデート級の内容と思う

まず、ProResを扱うにはBlackmagic Designがアップルにライセンス料を払う必要があるという見方があります(Appleの言う承認とはライセンス料の形態なのか、なんなのかそのプロセスは全然わかりませんが)。カメラにせよソフトウェアにせよProResをエンコードするにはAppleになんらかの対価を払う必要があるという認識です。

support.apple.com

極端な例ですが、DJIのドローンの一部製品ではProRes収録のアクティベーションするために16万円という価格設定をしたことがあります。この時はCinemaDNG収録とのセットだったため実際にはProResのライセンス料(が発生しているなら)をここから読み解くことはできません。16万円というは実際にかかっている開発費を回収するための金額、ライセンスフィーそれに販売数、その他の要素から設定されたものでしょうけど。。。

で、今回のDaVinciの話は、普通に考えると太っ腹です。そもそもDaVinci Resolveのアップデートは一旦購入してしまえば(いまのところ)永続ライセンスなので、以降お金を払わずともアップデートができます。

世の中に既にいる、WindowsLinuxもだけど)版のDaVinciユーザーは自動的にお金を払わずしてProResの書出しができるようになります。となると、ライセンス料の回収は既存ユーザーから回収でできないわけで、いったいその費用がどこから出るの?という気がします。

まぁ、今までも数多くの機能追加に伴うDaVinci ResolveのアップデートをBlackmagic Design(ブラマジ)はしてきているわけで、その開発費ってどうやって回収しているのか謎ではあるのですが。DaVinci Resolveの新規顧客の獲得&販売だけでその開発費がペイするとはとても思えないので、ブラマジの収益構造自体は本当に謎とも言えます(いくらグラントペティ氏がクリエイターのために製品を安く提供するという理念を持っていても、赤字になれば会社として立ち行かなくなるわけで...)。

尚、DaVinci ResolveのProRes書出しのプラグインであるVoukoderは日本円で1万円ほどします。とは言え、このVoukoderは後述のffmpegにラッパーを被せた形のプラグインだという認識(使った事ないから詳細わからんけど)なので、実際は「Apple未承認のProResクローン」という事になります。

www.voukoder.org

ffmpegが未承認でProResを実装している現状

もう10年近く前になると思いますが、フリーのffmpegというトランスコーダーがありました(今もあるはずです)。フリーなのにProResが書き出せるぜ「うぇーい」というやつです。ProResトランスコーどに限らず多くの人がどこかでこれのお世話になっていると思います(GUI実装した派生品はいっぱいあるはず)。ただ、Appleのページを見ると下記の文言があります。。いわゆる公式によるニセモノ認定的な文章。MacのHandbrakeとかの有名ソフトもffmpegの派生品だったと記憶しています。

コーデックが未承認のまま実装されている場合
場合によって、他社製のソフトウェア製品やハードウェア製品で、コーデックが未承認のまま実装されていることがあります。未承認の実装(FFmpegやその派生物の実装など)は、デコーディングエラーやパフォーマンスの劣化、非互換性、不安定な動作につながるおそれがあります。ProResをエンコード/デコードする製品で、下表に記載されていない製品をお使いの場合や、該当製品の購入をご検討の場合は、ProRes@apple.com までご連絡ください。

Apple ProResやProRes RAWの使用が承認されている製品 - Apple サポート (日本)

ffmpegAppleが配布を差し止め訴えを起こしたという事は(私が知る限り)聞いたことが無いので、未承認であっても違法ではないという事を言っている意見もあります。一方でProResに関する特許が生きて(有効)いるなら法を犯している可能性もあるかもしれません。ここら辺の内容は昔の断片的な記憶だけなので実際の所わかりませんが、とにかくAppleとしては未承認ProResを使わないで!というスタンスです(当然と言えば当然ですが)。

先に紹介したVoukoderはこのffmpegを動作させるプラグインという認識なので、これが多くのユーザーに使われて、勝手にProResと名乗られることはAppleとしても都合が悪いはずです。そして、これが1万円する事実から考えると今回のアップデートは太っ腹に他ならないと思うのです(BMDのアップデートはいっつも無料ですが)。

なんでこのタイミングなのか

なぜ、このタイミングでWindows版がProRes書出しに対応したのか?いや、正直わからん。Apple FCPがネイティブでBlacimagic RAWに対応するという噂(真偽不明)も聞いたことがありますが、今回の件は私は寝耳に水でした。
この件、何かAppleとブラマジの間で利害関係が一致して今回の流れになったと仮定したとして勝手な想像をしてみました。

シナリオ1

Apple)「ffmpegでProRes変換するの許せん!」

(ブラマジ)「お気持ちわかります!なら、うちでWindows版DaVinciでProResエンコード実装しましょか?でもライセンス(承認)料タダ、もしくは安くしてね。」

Apple)「いいよ。ブラマジさんありがとう!」

(ブラマジ)「こちらこそどうもです!」

シナリオ2

(ブラマジ )「ユーザー要望であるWindows版DaVinciのProRes書出しを実現したい。とりあえずAppleさんに相談してみっか」

Apple)「こちとらProResRAWを広めたいんよね。だってマトモに使えるのFCPだけだとWindowsユーザーに使ってもらえんし。。。広まりにくいよねぇ」

Apple)「DaVinciでのProResRAWデコード実装してくれるようにブラマジさんに相談してみっか」

(ブラマジ)「Appleさん、それやってもいいけど、まずProResエンコードタダでせさせてよ」

Apple)「いいよ」

(ブラマジ)「は?マジ? ProResエンコード実装するわ」 ←今ココ

(ブラマジ)「Appleさん要望のDaVinci ResolveのProResRAWデコードも後日対応するわ」

Apple)「ブラマジさんありがとう!」

後者だといいなと思いつつ勝手な素人考えの妄想をしてみました。いや、こんな話は全くなく、普通にユーザーの要望を真摯に対応しただけというのが、一番可能性が高いのだとおもうけど。

とはいえ、今までProResエクスポートは実装しないと思われていたWindows版のProRes書出しが実現されたと言うことはProResRAWのインポートの可能性も少しだけ光が見えてきた気がしないでもないのです。この要望は以前から多いけど、恐らく政治的な理由でDaVinciはこれを実装しないまま今日に至っている状態です。現状ではCinemaDNGに一度変換しないとProResRAWをDaVinciで扱えませんが、ネイティブ対応する日が来るといいなと。。

でもProRes使いたいならMacの方がいいと思う

話を今回のProResエンコードに戻します。
この機能ですが書き出しテストが残念ながら今のところ私はテスト出来てません。正確にはWindowsマシンにSTUDIO版19.1.4 をインストールしたのですが、ウチの環境でうまくエンコードできなかったのです。
なので、実際のパフォーマンスがどのくらい出るのかは分かりません。が、ここらへんは多くの人から今後レポートはあがると思いますが、おそらくApple シリコン搭載MacでProResを書き出す方が速いと思います。

その理由は、そもそも最新のMacだとハードウェアで最適化されたProResエンコードエンジンが搭載されているから。多分、ブラマジのことだからWindowsffmpegでProResトランスコードするよりはDaVinciの方がパフォーマンスは高くなると思うけど、がっつりハード実装されているMacのパフォーマンスの方が流石に上でしょうね。。

というわけで妄想記事でした。

 

筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

 

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