とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

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なぜフルサイズセンサー“IMX410”はこれほど使われるのか?稀代の名センサーの搭載カメラとその理由

カメラ好きが高じると、「あのカメラのセンサーはどこのセンサーだ」だの「あのセンサーのベンチマークが〜」とか言う様になる人がいます。かく言う私も撮影もカメラも好きな人間ではありますが、カメラの特に撮像素子については結構ウルサイ(ウザい)方かと思います。
さて、今回はフルサイズセンサーとして、おそらく世界一生産量が多いであろうSONYセミコンダクター製の「IMX410(もしくはその派生品)」が搭載されている(であろう)カメラについて書いてみます。(100%の確証があるわけではないですので、状況証拠的に判断しています。あしからず

引用:https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7M3/feature_1.html

本記事の解説動画

記事を読むのが面倒、ざっくりと知りたいという方向けに動画を制作していますので、こちらも併せてどうぞ。生成AIによる解説ですが、浅く理解するのには十分な要約になっているかとは思います。

フルサイズセンサーIMX410とは

ソニーセミコンダクター製フルサイズイメージセンサーIMX410がその存在を知られる様になったのは2018年の事だったと思います。2400万画素機としてフルサイズの息の長い汎用センサーとして設計されたものと思います。このセンサーの使用範囲はデジカメだけにとどまらず、低価格帯のシネマカメラ、天体観測用カメラなど多くの分野で使用されています。

 

https://www.sony-semicon.com/files/62/pdf/p-13_IMX410CQK_Flyer.pdf

なぜ、このセンサーがそんなに市場を席巻するほど息が長いかというと、
・画質が非常に優れている(S/Nが高くダイナミックレンジが広い)
・とにかく売れてて多分値段が安い
・今のカメラの動画撮影でも通用する読み出し速度
・現状このセンサーを超える画質の6Kフルサイズセンサーが存在しない
ちなみに裏面照射型CMOSセンサーとなっています。24MPクラス(広い画素ピッチ)でどれだけ裏面照射のメリットがあるのかは分かりませんが、APS-C機で裏面照射センサーの世界初の称号をSamsungに取られた意地があってこそこのセンサーを裏面照射で作ったのかもしれません(そもそも世界初のフルサイズ裏面照射はα7RIIの4200万画素センサーですけど)。
読み出し速度に関しては今の時代にギリギリ使える絶妙なスペックと言えますが、フルエリアを使った4K撮影をするためには実質6K60pを行う必要があるため、このセンサーではフルエリアを使った16:9の高解像度60p撮影を行うことはできません(2.4:1のシネスコ画角だとギリギリ6K60pが出せる計算)。
また、いろいろなカメラを使っているとこのセンサーを使ったカメラはバッテリーの持ちが良いため、センサー自身の電力も低いものと推測されます。加えて画素数も適度で回路点数もそこそこ抑えられているため歩留も(フルサイズセンサーとしては)高く、価格もかなり抑えられているものと推測します。つまり、多くのエンドユーザー、カメラセットメーカーに「持ってこい」のセンサーがIMX410と思います。

なお、このセンサーの画質は非常に高く、同センサーを使っているカメラシリーズでも後発のものほど画質が更に向上している傾向にあります。その要因として、
・カメラメーカーによる使いこなし
・画像処理エンジンによる画質向上
・センサーのファインチューニング
があげられますが、初代のIMX410から基本的な画質は共通なもののジワジワと画質は向上しているように思います。
そして、今現在6Kセンサーにおいてはこれを超える画質の民生用のセンサーが存在しないのも事実かと思います。

Read Noise in DNs Chart

たとえば24MPセンサーを複数発売しているNIKON Zシリーズですが、Z6/Z6II/Z5IIはほぼ読み出しノイズに対してほぼ共通の特性を示しますが、Z6IIIの読み出しノイズは特に低感度側で約1段分の違いがあります。ざっくりいうとZ5IIのISO400はZ6IIIのISO200(Log撮影の場合ISO1600)に相当します。これは大した違いには見えないかもしれないでですが、Log撮影の場合如実に画質に現れます。

とはいえZ6IIIのセンサーは画質というよりもその高速性(特に動画撮影や高速連写)で大きな意味を持ちますのでZ6IIIのセンサーがダメというわけではありません。高速性を活かした映像・写真などZ6IIIでなければ撮れないものがありますので、そこは使い方そして使いこなし方次第です。

同じセンサーと言いながら特性違う様に見えるけど?(補足)

ちなみにPhotons to Photosは1画素あたりのノイズ量を議論するので高画素センサーほど不利になる傾向にあります。逆にDxO Markはリサイズして正規化(面で評価)しているので画素ピッチ縮小によるS/N低下は見えにくい傾向にあるという理解です。なので画素数が異なるケースでの比較は2つのベンチマークサイトでは傾向が異なります。また、Photons to Photosの横軸はあくまで設定ISOなのでA社はISO100のセンサー駆動をB社が(ハイライト飽和を1段低くして)ISO200として使った場合B社の方が有利な結果となります(DxOは一度実効感度に正規化してたはず)。下記SIGMAの例(SIGMAはハイライトを犠牲にして低照度S/Nを稼ぐIMX410の使い方をしていると推測)ですが普通に撮影すると他社の1段分ETTR(Exposure to the Rignt)して撮っていることになります(CANONの高輝度側階調優先と逆の考えです)。
以前ウチで測定したときにも他社に比べてSIGMA fpはハイライト飽和が早い事を確認しています。

Read Noise in DNs Chart
同じセンサーを搭載していると思われるが評価結果が違う例

IMX410搭載と推測されるカメラ一覧

IMX410(またはその派生品種)を搭載していると思われるカメラの一覧が下記になります。なお、メーカーはここらへんを公言しませんのでIMX410シリーズが搭載されているとは100%断言できませんが、以下の点から判断しています。
① 記録画素数はセンサーの有効画素数2460万をオーバーしない
 かつ、2460万画素に近い数値である
② 4K60pがAPS-Cクロップである
 もしくは 2.4:1画角のフルフレームで実現されている
 もしくは4K60p撮影不可
③ 動画撮影時にローリング速度が
 6K 16:9画角で22msec程度である(確認できる機種のみ)
④ 各種ベンチマークサイトによる評価、似た傾向にある(DualGainの切替数など。S/N絶対値は異なる。)

メーカー

機種名

総画素数

有効画素数

価格

像面位相差

SONY

α7III

2530万

2420万

284,900円

α7C

2530万

2420万

229,900円

NIKON

Z6

2528万

2450万

終売

Z6II

2528万

2450万

287,100円

Z5II

2528万

2450万

258,500円

Zf

2528万

2450万

299,200円

LUMIX

(Panasonic)

S1

N/A

2420万

終売

X

S1H

N/A

2420万

386,100円

X

S5

N/A

2420万

179,190円

X

S5II

N/A

2420万

247,500円

S5IIX

N/A

2420万

274,230円

S9

2530万

2420万

207,900円

Panasonic

AW-UB50

N/A

2420万

470,800円

X

SIGMA

fp

2530万

2460万

200,200円

X

BF

2530万

2460万

385,000円

LEICA

SL2S

N/A

2460万

X

SL3S

N/A

2460万

913,000円

BlackmagicDesign

BMCC6K

N/A

2439万

432,800円

PYXIS6K

N/A

2439万

498,800円

DJI

Ronin4D 6K

N/A

2410万

754,160円

X

価格は公式オンラインショップからの転載 2025.5月現在

SONYのIMX410搭載機種

このセンサーのファミリーが初めて搭載されたのはおそらくα7IIIだと思います。α7IIIはαシリーズの中でも比較的価格が安く、フルサイズ機として優秀なAFを実現し4Kが撮れることから多くの動画ユーザーに爆発的に売れたと記憶しています。
α7III以前に4K動画が撮れる機種として、α7sII、α7RIIがありましたが時代的にもまだまだスチル全盛の時期でマニアックな動画ユーザーが使う程度だったと思います。
なお、α7IIIの4K撮影は24pのみ6K全画素読みという仕様です。4K30pの場合は5Kからのオーバーサンプリングでクロップされる仕様だったと記憶していますが、これはセンサーよりも後段のISP(画像処理エンジン)の処理能力がセンサー性能に追いついていないためで、同仕様は共通エンジンだったα6X00でも同じ。このエンジン側に足を引っ張られる仕様はα7sIIIの登場以降状況は変わりますがかなりの間ソニー機の弱点でもありました。
とは言え、6Kからのオーバーサンプリングの24pはそのフレームレートも相まって、映画みたいに撮れる!と言う副産物を生み出したのかもしれません。
驚くべきことは、未だにこの製品現役という点です。どんだけロングランな製品やら。。。発売は2018年2月

SONYではもう一つ同じセンサー(と思われる)が搭載されているカメラとしてはα7Cがあります。これはα7IIIよりも小型化されたもので、当時世界最小最軽量という触れ込みでこれまたヒットした製品です。発売は2020年10月

ちなみFX9も4K60pはSuper35mmもしくは画角制限が発生するのでIMX410かそのファミリー推測されます。

NIKONのIMX410搭載機種

NIKONに関しては4機種。Z6、Z6II、Zfそれにう先日発売になったZ5IIにIMX410ファミリーが搭載されているものと思います。
Z6は6Kからのオーバーサンプリング4K30p、Z6II、Zf、Z5IIではそれに加えてAPS-Cクロップにはなりますが4K60pが撮影できるようになっています。ここでもIMX410の仕様っぽさが窺えます。
こちらも初代のZ6がAPS-Cの4K60p撮影できなかった理由はエンジンの世代が違うという理由かもしれませんし、マーケティング的に不要だったからかもしれません。

LUMIXのIMX410搭載機種

100%の確信はないですが、LUMIXもIMX410ファミリーを採用していると推測しています。そして、おそらくIMX410ファミリーを搭載したカメラの機種数で言えば一番多いのがLUMIXでしょう。その初めての搭載はLUMIX S1、そして最新のLUMIX S9にも搭載されていますが、LUMIX S5からLUMIX S5IIになる時点で像面位相差画素を採用していることから、厳密にはIMX410ファミリーの異なるセンサーと言えるでしょう。
また、厳密に言うとLUMIX S5II/S5IIXのセンサーとLUMIX S9のセンサーは一部で異なる挙動をすることから像面位相差周りで異なる別センサーと推測しています。
・S1/S5 ローパスフィルター無し&像面位相差無し
・S1H ローパスフィルター有り&像面位相差無し
・S5II/S5IIX ローパスフィルター無し&像面位相差有り
・S9 ローパスフィルター無し&像面位相差有り(Ver.2)
と言う感じで大きく4つに分類できるかなと思います。特筆すべきはS1Hで、なぜかこのカメラだけやたら綺麗に映る特性があるのが謎です。スペック的には他のカメラと大きく変わらないのですが、やたら他のカメラに比べても明らかに上質な映像が撮れる機種です。それがローパスフィルタのせいなのかどうかは謎ですが、LUMIX S5よりもほんの少しローリング速度が遅くなっている所に要因があるのかもしれません。どなたかご存知の方がおられれば教えてください。なお、他にもBS1HもIMX410搭載機だと思われます。

ちなみに私がLUMIXを推す理由の一つは、このセンサーの使いこなしに長けたメーカーだからという点もあります。色の再現性を高める技術やノイズ処理は三大メーカーよりも長けているため映像・スチルの品質が違うと感じるからです(もちろんそれだけではないですが)。
古くはCANON/SONYを使ってきました。はじめはCANON/NIKONじゃなければカメラじゃねえよ。と思っていましたが、結局落ち着いた先がLUMIX(サブでNIKON)でした。一度LUMIXの画像品質に触れてみる事をお勧めします。マジで
ほぼ月明かりだけでこの手の6K映像がこの品質で撮れるのは現状24MPのLUMIXしかないと思います。

Scatter of Low Light ISO versus Sensor Area
同じセンサーを使っていると考えられるが各社能力の引出し方が違う

SIGMAのIMX410搭載機種

SIGMAは2機種です。こちらもエビデンスがあるわけでは無いので状況証拠的なものですが、スペック的にはIMX410と思われます。SIGMAの場合は頑なに4K60pを搭載しませんが、これは現行のエンジンの処理速度が原因の可能性があるかと思っています。
おそらくエンジンはSIGMA fp/fpL/BFと同じものを使っていると思いますので、それらのエンジンが刷新されれば晴れて4K60pが撮れる未来がくるのかもしれません。
なお、SIGMA fpは本体でCinemaDNG(動画RAW)撮影を実現した特徴的なカメラです。BMPCCシリーズを除けばミラーレスカメラとして初めて外部SSD記録を可能としたカメラで、文字通り変態なカメラです。ただし、手ブレ補正がない、スチル撮影用のメカシャッターが無い部分に関しては他のカメラに比べて劣る部分がありますし、使い方を心得た人が扱えるカメラとも言えます。

なお、SIGMAのこのセンサーの使いこなしのポイントとして他社よりも1段近くシフトして使っている点が挙げられます。これは先にも述べた通り、他社でのISO100をISO200として使う様な使い方です。その結果ハイライトの飽和は他社よりもはやくなりますが、標準照度とシャドーの描写が向上するという効果があります。同じセンサーでも各社使い方は様々ということが言えるかなと思います。

LEICAのIMX410搭載機種

LEICAの場合も SL2SとSL3SがIMX410搭載機種と思われます。前者は像面位相差無しなのでLUMIX S5に近い仕様、後者は像面位相差有りのためLUMIX S5II/S5IIX(もしくはLUMIX S9)に近い仕様かと推測します。

Blackmagic DesignのIMX410搭載機種

ブラックマジック(以降ブラマジ)の現行製品はURSAは自社開発センサー、BMCC/BMPCC/PYXISシリーズ(12Kを除く)は自社開発では無いセンサーが採用されているという認識です。
BMCC6Kは同社初のLマウントフルサイズ機として話題になった製品ですが、このカメラのセンサーはおそらくIMX410と思います。また、ブラマジは後にボックス型のカメラPYXISを発表・発売していますが、PYXIS6KはBMCC6Kと同じセンサーが搭載されているものと推測しています。
なお、BMCC6Kのセンサーは同社初の像面位相差センサーを採用した製品で、先日初めてコンティニュアスAFが動作するファームウェアが公開されています(現在ベータ版でAF挙動はまだまだ難あり)。

DJIのIMX410搭載機種

DJIは私が把握しているのはRonin 4D(6K)です。Zenmuse X9-6Kとしてジンバル部分だけ販売されていた気もしますが、情報が見当たらずでした。
このRonin 4DはC4K120pに対応していたりするので、ぱっと見はIMX410では無いように見えます。ですが、以下の記録スペックをよくよく読むとIMX410っぽさが見えます。

https://terra-1-g.djicdn.com/851d20f7b9f64838a34cd02351370894/en.jpg

6K16:9が撮影できるのは48fpsまで6K60pは2.39:1のシネスコ画角に制限されています。ローリング速度に制限があるIMX410は2.39:1の画角であれば6K60p撮影ができることは後述しますが、この仕様はまさにIMX410っぽさ満点です。ただし、スペック上のC4Kの2.39:1の120pをどうやって実現しているのか分からないのでIMX410っぽさはあるものの、別のカスタムセンサーである可能性はあります。

以前、Ronin4Dのレビュー記事を書いた時にこのカメラをしばらく使っていたのですが、映り自体の印象はIMX410っぽい印象を持ちました。

以前の記事を見直しましたが、ここでも似たような事を書いていました。

sumizoon.hatenablog.com

IMX410の代表的な読出しモード

ここは少々マニアックなので難しい話に興味がない方は読み飛ばして頂いて結構ですが、IMX410の代表的な3モードの解説とそこから動画撮影時のフレームレートを計算してみます。

モード0(6040x4040画素の3:2フル画角):
 A/D精度は最大14bit 3:2フルスキャンモードで秒間19.2コマ 幕速は52.1msec
 →16:9の6036x3411画素なら秒間22.7コマ 幕速は43.9msec※
 →16:9の3840x2160画素なら秒間35.9コマ 幕速は27.8msec※※
モード1(6040x4040画素の3:2フル画角):
 12bit精度時は3:2フルスキャンモードで秒間39.30コマ 幕速25.4msec
 →16:9の6036x3411画素なら秒間46.5コマ 幕速は21.5msec※
 →16:9の3840x2160画素なら秒間73.5コマ 幕速は13.6msec※※
モード2(6040x4040画素の3:2フル画角):
 12bit精度時は3:2フルスキャンモードで秒間40.48コマ 幕速24.6msec
 →16:9の6036x3411画素なら秒間48.1コマ 幕速は20.8msec※
 →16:9の3840x2160画素なら秒間75.9コマ 幕速は13.2msec※※
※フル画角16:9画角の幕速算出は3411/4040x3:2画角の幕速で算出しています。
※※クロップ画角16:9画角の幕速算出は2160/4040x3:2画角の幕速で算出しています。
となります。
ここからカメラの仕様に展開するなら
・6Kオーバーサンプリングからの4K30pはモード1の幕速21.5msecを使う
・6Kオーバーサンプリングからの4K30pはモード2の幕速20.8msecを使う
の2択になるかと思います。事実CineDの測定からIMX410を使用していると思われるLUMIX S5IIXはこのモード1が使用されているものと思われます。

パナソニック LUMIX S5 II ラボテスト | CineD


さらに4K60pを実現する場合、
・4Kピクセルバイピクセル4K60pはモード1の幕速13.6msecを使う
・4Kピクセルバイピクセル4K60pはモード2の幕速13.2msecを使う
の2択となります。以下の実測とすこし差はありますがこのいずれかのモードが使われているものと思います。

パナソニック LUMIX S5 II ラボテスト | CineD

ここまで読まれた方は理解できたかもしれませんが、このIMX410は16:9フル画角全画素読み出しの60pは不可能なセンサーであることがわかります。ただし2:4:1画角の6K60pは可能なはずです。
IMX410は画質が非常に優れている一方で16:9の6Kフル画角60p読み出しできないセンサーのためクロップしない16:9の4K60pを実現できないセンサーなのです。これがこのセンサーを採用しているカメラの特徴と言えます。

6Kセンサーで4Kを扱う難しさ

IMX410搭載機のAFが優秀な理由

IMX410は市場投入からすでに8年近く経っているセンサーです。さすがに今時の各社のフラッグシップカメラに搭載するには画素数も速度も足りていないです。とは言えこの画質を出せるカメラというのはなかなかに存在しません。また位相差AFの暗所性能は1ピクセルあたりのノイズ耐性に依存するため、オーバー40MPカメラの最新カメラよりもAFの暗所性能が高くなりがちです。Z5IIのAFの暗所性能がZ8/Z9よりも上みたいな記事がちらほら見受けられますが、低EV時の合焦性は確かにZ5IIの方が上がる可能性は高いと思います。

世の中8K60pやら4K120pができる機種があるが...

話は変わって、NIKON Z8/Z9/α1/LUMIX S1RIIは4K120pをフル画角で実現しているカメラです。つまりIMX410とは次元の違う速度を実現しているカメラと捉えられます。
確かに速いのですが、それらが4K120pを実現しているには少々ウラがあります。

まず、NIKON Z8/Z9/α1/LUMIX S1RIIの4K120pモードは8Kからのオーバーサンプリングではなく、少なくとも垂直2画素をアナログ混合しているものと推測されます。つまり、この時点で垂直方向の画素数はIMX410のフルスキャン読み出しよりも実効的に少ないライン数での読み出しを行います。
・IMX410フルスキャン時の垂直画素数:3410画素@6K16:9
・Z9/Z8 垂直2画素混合時の垂直画素数:2332画素@4K120p 16:9
つまり68%ほどIMX410の方がライン数が多く高速読み出しには不利です。では同じ垂直2画素混合をIMX410でやればいいじゃん。と思われる方もいるかと思いますが、それをやると、3410/2=1705となり、4Kサイズの垂直画素2160画素に対して大幅未達となります。8Kセンサは垂直2画素混合をしたとしても2160画素を超えるので文字通り4Kを名乗っても差し支えありませんが、6KセンサーであるIMX410は速度向上のための混合モードでは4Kセンサーにはなりえません(まぁ当たり前っちゃ当たり前ですが)。

6Kセンサーは4K画質にはベスト、だけど最高速度的には不利

8Kセンサーは4Kのための速度向上策としてアナログ2画素混合が使えるけど、6Kセンサーの場合は6Kのまま120pを力技でやることになる(ただし、APS-Cクロップした場合は速度を1.5倍に向上できる)。
つまりIMX410のスペックは一旦置いておいて、1ラインあたりの読み出し速度が8Kも6Kも同じだった場合
・フルスキャン(全画素読み)の場合(力技での読み出し)
 速度は8Kセンサーよりも6Kセンサーが有利
・アナログ混合(垂直2画素アナログ混合)の場合
 8Kセンサーは速度を倍に速めて4K出力できる(センサー、ISPの電力的にも有利)
 6Kセンサーは4K読み出し不可 
という構図になります。8Kセンサーは画素混合による大幅速度向上で4Kを実現できますが、6Kセンサーにはその技が使えない。という残念な側面を持っています。仮に6K120pの速度を実現したとしても後段の処理が追いつくか、電力的に大丈夫かという問題に発展します。
ちなみに低画素数でS/Nを向上たカメラはご存知α7sIIIやFX3ですが解像度を犠牲にしていてクロップ耐性はほぼありません。その代わり低画素数なりのスキャン速度を得ています。
結局8Kがいいのか6Kがいいのかα7sIIIのようなほぼ4Kセンサーがいいのかは目的によりますが、4K解像度素材を得るためのカメラとしては6Kセンサーがバランスがいい。でも8K→4K120pのような飛び道具が使えない苦しさがそこにはあるのかなと。

まとめ

今回はめちゃくちゃ売れているであろうIMX410とそれを使っているだろうカメラについて勝手な想像をもとに記事を書いてみました。繰り返しになりますが、100%の確証はないですが、結構いい線はいっていると思います。
それと、IMX410の時代は終焉が近づいているのかもと思っていたのですが、NIKONがZ5IIでIMX410と思われる新機種を先日発売したことからも、まだまだこのセンサーは現役と言えます。とはいえ、IMX410搭載機は電子シャッターとしてかなり遅いという事が多くの人が思うところ。かといってこれを超える画質を達成する新センサーが無いのもまた事実。。。画質(というかS/N)だけならコレが現状一番バランスが良いし使い勝手いいのよねぇ。。
あと、勘違いされやすいですがセンサがたとえ同じであっても画質が全く同じになるわけではありません。ベース感度も後段の処理系で違いますし画作り自体も後段処理で変わります。ただ基本となるS/Nの素性の良さ、悪さは後段処理を通してもある程度残ると思います。
さて、噂されるLUMIXの新製品(特にLUMIX S1IIEと言われるカメラ)は引き続きIMX410系なのか、それとも噂される部分積層なのかは現時点でわかりませんが、仮にIMX410系だとすると目新しさはないものの画質が担保されると言っても過言はないでしょう。といってもフレームレートは16:9の6K30pもしくは2.4:1の6K60p止まりとなるのですが、普通の人にとってはそれで十分とも言えますし、新しもの好きにはちょっと物足りないとも言える。。。

 

とにかく5/13を楽しみにしたいと思います。

筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

 

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