はじめに──「Xiaomiってスマホの会社じゃなかったっけ?」
今回はカメラに直接は関係のない話を書いてみたいと思います。何か?というとXiaomiの話。この2,3年、強烈に存在感を高めてきたXiaomiに関してです。もうそれは一時期のHuaweiを超えたと言ってもいいでしょう。
Xiaomi(シャオミ)と聞いて、スマホを思い浮かべる方は多いと思います。実際、日本に上陸した当初は「格安で高性能なAndroidスマホ」という印象が強く、MiシリーズやRedmiシリーズが話題になりました。
でも最近、Amazonで家電を見ていると、妙にXiaomi製品を見かけます。空気清浄機、電動歯ブラシ、体重計、果ては炊飯器まで…。しかもレビュー評価も結構高い。
「あれ? Xiaomiって、いつから家電メーカーになったの?」
気づけば、かつての“スマホ専業”だったはずのXiaomiが、じわじわと私たちの生活のあらゆる場面に入り込んでいます。今回は、そんなXiaomiの“総合家電メーカー化”の実態を、実際の製品を紹介しながら見ていこうと思います。

Xiaomiの家電戦略と「MIJIA(ミジア)」の存在
Xiaomiの家電展開は、実はスマホ事業と並行してずっと進められてきました。中心にあるのが「MIJIA(ミジア)」というブランド。これは「スマートホーム」分野を担うXiaomiのサブブランドで、照明から空気清浄機、炊飯器まで多岐にわたる製品群を展開しています。ちなみにウチの体重計もXiaomiです。
とはいえ、Xiaomiが全部を自社で作っているわけではなく、実際にはパートナー企業との共同開発やOEM製品も多くあります。それでも、ソフトウェアを軸に製品全体を統合しているところが、いかにも“スマホ出身メーカー”っぽい。
製品はどれもスマホ連携が基本で、アプリから操作や設定が可能。ハードだけじゃなく、ソフトで家電をコントロールするという思想が根っこにあります。
これだけ展開されているXiaomi製品ラインナップ紹介
ここからは、日本国内でも比較的手に入りやすいXiaomi製品をカテゴリごとに紹介していきます。先にも述べた通りで、以下はXiaomiのパートナー企業との共同開発、OEM製品と推測されますが、どれもXiaomiの統一されたデザインとなっています。
● チューナーレステレビ
うちにも一台あるXiaomiのチューナーレステレビ。セールになると29,000円程度になる爆安の4Kテレビです。普段は39,800円で売られてますがとにかく安い。。。
ただし、音質は全然ダメです。なお、視野角は少し狭いので斜めから見るとコントラストの低下はありますが、この値段なら全然アリ。
● 炊飯器:Xiaomi 多機能炊飯器
初めてXiaomi製品で知った家電が炊飯器。価格は約6,480円。やっす。。。
普段使いには十分な性能で、ミニマルなデザインも魅力です。というかオサレだ。。。。
ただし、この家電はスマホとの連携は珍しく無し。以前スマホ連携するXiaomiの炊飯器を見かけた気がするけど、まぁ炊飯器がスマホと連携するメリットがいまいちわからんのでこれでいい様な気もする。
ちなみに日本の米には日本の炊飯器がいいという意見もあるので、炊き方に拘らない人向けという意見もある。
● 体重計:
体重だけでなく、体脂肪率や筋肉量、水分量など25項目を測定可能なシャオミ(Xiaomi) 体組成計 体重計 S400。アプリ連携で健康管理が可視化できます。価格は2,980円ほど。やっす...
● 電動歯ブラシ:
IPX8完全防水の電動歯ブラシ(T302)。ワイヤレス充電式、2分で緊急フラッシュ充電が可能。標準クリーニングモードで65日間、デリケート&ジェントルモードで150日間使用できるため、どこにいてもバッテリー持続時間気にする必要はなさそうです。
ちなみに実際の製造を請け負っているのはSoocas(深圳素士科技股份有限公司/Shenzhen Soocas Technology Co., Ltd.)という所の模様。
ちなみにスマホと連携するT500なるモデルが存在している様ですが、日本のAmazonでは見つけられませんでした。まぁ日本の場合技適を通す必要があるので、スマホ連携すると何かと販売までの手間がかかるということで日本の販売には至っていないのかもしれません。
● 空気清浄機
22×35cm、約2.2Kgのコンパクトデザインの空気清浄機(Xiaomi スマート空気清浄機 4 Compact)。空気清浄機をリモートでコントロールしたり、電源オン/オフ時間を設定したりすることもできるとの事。
騒音も20dBと低い。スマホでのコントロールが可能。「室内の空質データ、清浄機の動作状態などがすべて明確に表示される」とあるけどスマホ側に表示されるのか、本体に表示されるのかはよく分からず。とは言えお値段9,580円。やっす...
なお、実際に製造しているメーカーはSmartmi社というところっぽい。
● ロボット掃除機
吸引と水拭きが1台でこなせる高機能モデル。部屋のマッピング、自動充電、アプリ操作まで可能で、ルンバの半額以下という価格帯も魅力です。実際にこの製品を作ってるのはRoborockと推測されます。
● EV(電気自動車):Xiaomi SU7
2024年に中国で発表された本格的なEV。テスラに迫る性能を誇り、日本上陸が待たれるモデルです。こちらはXiaomi AutoというXiaomi傘下の自動車専業子会社が企画・設計・製造しているのでこの分野の力の入れ方はかなりの模様。

その他のXiaomi製品群
Xiaomiの手がける製品は、家電にとどまりません。実は以下のようなジャンルにも手を広げています。
● スマートウォッチ/ウェアラブル端末
Mi Band(Smart Band)シリーズ
心拍・睡眠・運動記録などに対応、価格も手頃
Anhui Huami Information Technology Co. Ltd. が製造に携わっている模様。Huamiは自身のAmazfitブランドでもデバイスを展開していますが、Xiaomi用Mi BandではHuamiが裏方として製造を担っているとのこと。
● モバイルバッテリー・GaN充電器
65W〜120Wの急速充電器やPD対応モバイルバッテリー。こちらもXiaomi自身が製造しているものではなく、ZMIによるOEM/ODMで提供されていると推測。ZMI(Zimi Corporation) は、Xiaomiが初期に支援・出資したエコシステム企業の一つで、モバイルバッテリーや充電関連アクセサリの専業メーカーです。
急速充電器に関してはXiaomi自社ブランドで企画・設計・製造されている正規製品ではないかと思いますが、詳細は不明。
● モニター・PCアクセサリ
Xiaomi製デスクトップモニター(23.8〜34インチ)
以下は10,980円
● LED デスクライト
おしゃれなデザインも人気の様ですが、こんなものまでXiaomiブランドで販売してるんですね。。。
● キッチン家電
電気ケトル、ウォーターディスペンサー など。製造企業はちょっと調べられませんでしたが、Xiaomi自身が企画・設計・販売を担っている形態の様ですがXiaomi自身が作っているとは考えにくいです。
● タブレット・ノートPC(中国中心)
Xiaomi Padシリーズ、Xiaomi Bookシリーズ(日本は並行輸入中心)
● Wi-Fiルーター
Wi-Fi6対応でアプリ管理も可能。価格も抑えめ
● ヘルスケア・美容家電
爪切り、温度計、マッサージガンなど、そんなものまでXiaomiブランドが展開されとるんかい...
● 防犯カメラ・ベビーモニター
最近知ったのはネットワークカメラ。特に後者は3,320円とコスパが非常に高い。
アイリスオーヤマとどう違うの?
躍進するXiaomiがこの数年展開している商品カテゴリを眺めると、かなり「アイリスオーヤマ」と被っていると気付かされます。ご存知「アイリスオーヤマ」はコスパの良いシンプルな家電展開をしており存在感を強めてきました。日本のコスパ家電の雄と言っていいでしょう。
Xiaomiと、その日本のコスパ家電の雄「アイリスオーヤマ」との比較をして見てみます。
| 比較項目 | アイリスオーヤマ | Xiaomi |
|---|---|---|
| 商品ジャンル | 生活家電中心 | スマート家電+ガジェット全般 |
| IoT対応 | 一部のみ | ほぼ全製品でスマホ連携 |
| デザイン | 無難で実用的 | スタイリッシュで統一感あり |
| ソフトウェア力 | 弱め | 非常に強い |
| エコシステム | ほぼなし | エコシステム重視 |
Xiaomiの強さは「生活をまるっと囲い込める」こと。スマホから照明、歯ブラシ、はては車まで、全部同じアプリで管理できてしまうというのは、かなりのインパクトです。
それでも“単体カメラ”には進出しないXiaomi、その理由とは?
うちのブログらしく最後にカメラ関係について触れておきます。ここまで見ると、もう生活のすべてがXiaomiで賄えてしまいそうですが、不思議と「デジタルカメラ単体」には進出していないです。ま、そこもある意味アイリスオーヤマとも被るのですが。
とはいえ、写真や動画に関心の高い読者の方なら、一度はこう思ったはずです。
「Leicaと組んでるのに、なぜカメラ単体は作らないの?」
理由はいくつか考えられます。
● スマホでの“カメラ体験”に全振りしている
Xiaomiにとってカメラは「スマホの中で体験するもの」。Leicaとの提携や、Mi 13 Ultraのような本格派スマホカメラの展開を見る限り、「スマホで一眼画質を目指す」方が戦略的に重要だと考えているようです。
● カメラ専業メーカーの牙城は崩しにくい
ミラーレス市場はCanon、Sony、Nikonなどの日本勢が圧倒的に強く、新規参入には高度なノウハウとレンズ資産が必要です。ハードルが高く、Xiaomiでも簡単には踏み込めません。あるとするとDJI的なポジションですが、その分野もDJIが長年かけて作ってきたポジションですのでそう簡単には追いつけないでしょうし、そもそもカメラの分野に打って出る「旨味」は無いという判断をしている。という見方ができるかと思います。
● すでにスマホで十分という市場環境
多くの人にとって、スマホのカメラで日常の記録は十分。InstagramやTikTok文化において「スマホで撮って、スマホで加工して、すぐ投稿」が完結する時代に、単体カメラの優先度は下がっているのかもしれません。
今後も、Xiaomiのカメラ体験は「スマホの延長線上」で進化していくのではないでしょうか。
おわりに──家電も“アプリで選ぶ”時代へ
気づけば炊飯器も。気づけば車も。いつの間にか、Xiaomiは“スマホの会社”から“全部やる会社”へと進化していました。
もちろん、品質やサポート面で日本企業に軍配が上がる場面もまだまだあります。でも、ガジェット好きや合理派にとっては、Xiaomiの「コスパ×スマート化」路線はかなり魅力的に映るはずです。
家電を買うとき、「これ、アプリで操作できるのかな?」と思う日が、もう来ているのかもしれません。





















