以前書いた下記の記事を書いたのが2025年8月25日のこと。
この記事はFX3/FX30の大型ファームウェアアップデートに関する記事を書いたもので、その中の目玉がBlackmacig RAW(以降brawと表記)対応でした。
記事を読んでいただいた方はお分かりだと思いますが、ミラーレスカメラと外部レコーダー(Blackmacic Video Assist 12G HDR)の組み合わせでRAW収録を行うには下記の5つが必要です。
・カメラファームウェアアップデート
・Video Assist 12G HDR の導入およびアップデート
・DaVinci Resolve STUDIOのアップデート
・高品質なHDMIケーブル
・Video Assist 12G HDRのストレージ(SDカード/SSD)ついにFX3 / FX30でBlackmagicRAW(BRAW)収録が可能になった - とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ
HDMIケーブルとメディアは当然ですが、キモはカメラのファームウェアアップデートと、VideoAssist側のアップデートです。これがなされていないとそもそもbrawは収録できません。
で、上記記事執筆時は、今までの慣習からするとカメラのファームウェアアップデートが公開されてから1週間くらいかなと考えていましたが、なんと2ヶ月以上待っても公開されない。。。ついに11月になってしまったけど、一体いつ公開されるの???
と思って昨日もBlackmagicのページを見に行っていました。その矢先にようやく公開されたのです。
- これでFX3/FX30でbraw収録できるようになる
- What's new in Blackmagic Video Assist 3.22
- braw収録に必要なVideo Assist 12G HDR
- 忘れずにDaVinci Resolveもアップデートすること
- なぜこれほど盛り上がっていないのか?
- FX3ユーザーはそもそもbrawが撮れることに興味がない(という仮説)
- FX3そもそもbrawが外部収録できたところで魅力的ではない(という仮説)
- FX3ユーザーは現状で満足している(という仮説)
- FX3ユーザーはそもそも機材に興味がない(という仮説)
- FX3ユーザーは「何で撮るか」ではなく「何を撮るか」の方が重要だ(という仮説)
- FX3ユーザーはResolveユーザー率が意外と低い(という仮説)
- 「SONY純正ではない」ことへの抵抗感(という仮説)
- 国内メディアがほとんど取り上げていない(という仮説)
- 実用検証動画や作例がほぼ存在しない
- FX3ユーザーは「今更よね?」と思っている(という仮説)
- FX3のbraw対応と対極的なNikon ZRのムーブメント
これでFX3/FX30でbraw収録できるようになる
で、本日ついに公開されました。
What's new in Blackmagic Video Assist 3.22
The following models have new features.
全く、気にしてなかったのですが、LEICA SL3-SもこのタイミングでVideo Assistが対応になっていました。
braw収録に必要なVideo Assist 12G HDR
Video Assist 12G HDRは本日時点で残り台数が少なくなっているようなので、導入を急いでいる方はご注意ください。
以前の記事にも書いた通り、可搬性を考えるなら5インチモデル一択です。
忘れずにDaVinci Resolveもアップデートすること
本日のタイミングでDaVinci Resolveがアップデートされています。Ver.は20.2.3です。
リリースノートを見てもFX3+VideoAssist 12G HDRで収録されたbrawに対応している旨の記載はありませんが、おそらくこれが当該brawの正式対応版のDaVinci Resolveだと思います。
Ver.が古くても現像できる可能性はありますが、メタデータを適切に認識して処理できないなどの不具合が想定されますので必ず最新版をインストールする必要があります。
私は何度か、これで痛い目にあいました。

なぜこれほど盛り上がっていないのか?
前回も思ったことですが、このFX3のbraw(BlackmagicRAW)対応に関してはSNS上でほぼ話題になっていないと言っても良いです。LUMIXのbraw対応の方が話題になっていたくらいで、FX3のユーザー数から考えると非常に不可解ではあります。
今回はこれについていくつか原因を推測をしてみたいと思います。
FX3ユーザーはそもそもbrawが撮れることに興味がない(という仮説)
動画のRAW?それなんすか?という人や、そもそもミラーレスカメラでのRAW収録は趣味性が高い領域ですので、業務でバリバリに使うという人とあまり接点がないのかもしれません。FX3を買っているユーザーの業務使用比率は非常に高いので、そもそもbrawと接点が生まれない説。
FX3そもそもbrawが外部収録できたところで魅力的ではない(という仮説)
内部収録なら使うけどねぇという人が多いのではという仮説。外部収録が「面倒」すぎると思うひとは居るでしょう。FX3の小型軽量という設計思想に対して、外部SSD+Blackmagic Video Assistを組み合わせる必要があるbraw収録は、本来の運用スタイルと矛盾するでしょうし。。。わざわざFX6ではなくFX3を選んでいる時点で小型軽量でなければダメという考え。
FX3ユーザーは現状で満足している(という仮説)
Log撮影と10bit 4:2:2で十分な品質が得られるため、RAWに魅力を感じるユーザー層が少ない説。
またFX3はYouTuberや小規模映像制作がメイン層なので、「編集コストが重いRAW」はむしろ避けたい領域と思っている説。
FX3ユーザーはそもそも機材に興味がない(という仮説)
周りがSONY使っているからFXを買った。クライアントに指定されてたからFXを導入した。という人であれば、そもそも機材に全く興味がない。そういう人も一定数は居ると思います。
FX3ユーザーは「何で撮るか」ではなく「何を撮るか」の方が重要だ(という仮説)
カメラユーザーの中には手段が目的化している方も多いと思います。つまり、何を撮るかではなく、何で撮るかを重要視する人は結構いると思います。
FX3ユーザーは「何で撮るか」ではなく、「何を撮るか」を重要視していている方が多いという仮説です。そうであれば、どう撮ろうとそこそこ綺麗に動画撮影ができるFX3は撮れていることが重要で、コーデックそのものは特に問わない。
特に業務で使用しているのであれば、RAWで撮影の依頼がくるケースはほぼないでしょうし、そもそもコーデックそのものの知識があまり無いという業務カメラマンの方も多いかもしれません。
FX3ユーザーはResolveユーザー率が意外と低い(という仮説)
私の知っているFXユーザーの大半はPremiere ProユーザーでDaVinciは興味があるけどなんか難しそうなんだよね?という方が多いです。サンプルが身の回りだけですが、この傾向が他メーカーのユーザーよりもその傾向が強いのではないかという仮説です。
「SONY純正ではない」ことへの抵抗感(という仮説)
FX3ユーザーは“メーカー保証範囲内で完結する運用”を好む傾向があり、外部レコーダー+他社RAWという組み合わせは、公式サポート外に感じられ、不安や抵抗があるという仮説
国内メディアがほとんど取り上げていない(という仮説)
FX3のbraw対応はSONY公式の広報発信が乏しい。
結果としてニュースサイトやSNSでも話題化せず、ユーザーの認知が広がらなかったという仮説。SONYとしても大々的にアピールするものでも無いと思うので、ユーザーには広がっていないという仮説。仮説というかこれは実際に起こっている印象です。
実用検証動画や作例がほぼ存在しない
braw収録を実際に試したレビュー動画・記事が少なく、話題が循環しない。
「誰も試していない → だから話題にならない」という情報エコーチェンバー現象が起きている。
今日以降は作例がアップされるかもしれませんが、時期的にNikon ZRの話題にかき消されてbraw収録作例をアップしたところで誰も見ない。
FX3ユーザーは「今更よね?」と思っている(という仮説)
FujifilmやLUMIXはbraw対応を機種の発表と同時にアナウンスしている機種が多い中で、FX3のbrawアナウンス対応は発売後実に4年以上経過しての話です。
よって、今更感はかなりあるという仮説。
これらの盛り上がりの少なさも実はα7SIIIにも対応したとしたら状況はかなり違ったものになったのかもしれません。
FX3のbraw対応と対極的なNikon ZRのムーブメント
FX3のbraw対応が静かに始まった一方で、Nikon ZRをめぐる動きはまるで対極にあります。SNSでもYouTubeでも、発売直後から連日のように実機検証や比較動画が投稿され、まさに“新しいムーブメント”として盛り上がりを見せています。Z8やZ6IIIなどと同じZシリーズでありながら、ZRはそれらとは明確に違う“動画のためのフルサイズ機”として認識され、映像制作者たちが積極的にその性能を掘り下げています。
この違いは、単に「新製品と旧製品」という時期の問題ではありません。むしろ、メーカーの姿勢と発信力の差がそのまま熱量の差として表れているといえます。FX3はbraw対応という大きなアップデートを受けたにもかかわらず、SONY自身がそれを大きくアピールせず、メディア露出もほとんどないまま淡々と時間が過ぎていきました。一方のNikonは、ZRを中心に「動画」という文脈で一貫したメッセージを発信し、R3D NE /N-RAWやProRes RAWといったコーデックの魅力を積極的に解説しています。
さらに、ZRではBlackmagicのような外部機器を必要とせず、カメラ単体で12bit RAW記録が可能です。この“内蔵RAW”という潔い設計は、現場のシンプルさを求めるユーザーに強く響きました。対して、FX3でbrawを使うには外部モニター兼レコーダーを接続しなければならず、セットアップの段階で「本末転倒感」を覚える人も少なくありません。つまり、両者はRAWという同じ言葉を扱いながら、アプローチが根本的に異なるのです。
Nikonが“ワークフロー全体を設計したRAW運用”をアピールしているのに対し、FX3のbraw対応は“追加機能”にとどまっている印象があります。そのため、Nikon ZRをめぐる議論が「映像制作の未来」そのものを語る熱気を帯びているのに対し、FX3のbrawは「使う人が限られる小ネタ」として消費されてしまったのかもしれません。
筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。





