この数年思うところがあります。ネット上の嘘を断片的な情報で見抜くことが少し難しくなってきた。と言う話。
その昔、「ネットは嘘を見抜けない人は使っちゃいけない」と言う発言をしてた人がいたと思うけど、以前にも増してネットは嘘だらけになったと思うし、嘘が巧妙になっているはずです。
(生成AI画像より)
「動画編集は簡単に月100万は儲かる」と言う話に乗っかって高い情報商材を買ったはいいものの、自宅でできる安いアルバイト代にしかならないと言う現実を人が目の当たりにして愕然とした人もいるでしょう。
少し前なら「エンジニアは超絶儲かる」と言うネットの広告に釣られて、自分の適性を無視してエンジニアになるためのスクールに応募してしまったと言う人はかなりいたと思います。
パソコンでプログラミングに行き詰まって頭を抱えてる人を写真を生成してみた(生成AI画像より)
そもそも、「短期に高額収入が得られる」と言うバイト募集の件だって、ネット上の嘘を見抜けない若者がまんまと闇バイト募集のSNS発信に引っかかって応募して抜けられなくなった典型的な例でしょう。
これらの極少数ですが「動画編集で月100万儲けている」「フリーランスエンジニアでかなりの収入がある」「本当に短期に真っ当な仕事で高収入(楽とは言ってない)を得る仕事の募集をしている」は存在してるでしょうけど、それを売りに広く募集をかけると言うのはかなり胡散臭い。ある程度、社会経験がある人であれば、それらは「なんか怪しい」と思う一方で、確実にそれらに反応し見事に引っ掛かる人はいます。
未だに、Xで「毎日10万円配ってます!」と言うポストに対してリプを返している人もいます。とあるデモに参加すれば「日当1万円貰える」と言うポストで人が殺到した件もありました。
冷静に考えてそれらは嘘であるにもかかわらず、判断がついていない人が多いのは確かでしょう。
自分にとって都合のいい情報が勝手に入ってくる現代
この十数年でネット環境はスマートフォンの普及で大きく様変わりしました。その中で特に感じているのは「自分にとって都合のいい情報しか目にしなくなるのは、ちょっとマズい」と言う点。ネットの情報は自分のアカウントでWEB閲覧やX、ニュースアプリを閲覧する限り、基本的にパーソナライズされているので、「その人の興味がある話がメインに表示される」ようになっています。
とある人から、「最近、この〇〇の広告すごい出てくるけどみんなも見てるよね?」と言われたことがありますが、それはそのクラスタにしか表示されてないわけであって世の中〇〇なんて知らない人が殆どです。広告は興味ある人にしか打たないことで効率よく「狙い撃ち」する時代になりました。
また、「△△の事件すごい事になってますよねぇ。」と言ってもネットとテレビを見ている人の間の会話として「△△の事件?何それ?」と言うケースも少なくありません。
別に新聞やテレビなどのメディアを擁護するわけではないのだけど、その昔は各種テレビ局、新聞社によって様々な報道・意見が発信され、また、狙い撃ちではない広告が流れていいたので、ある種自分にとって興味ない内容も耳や目に入ってくる時代でした。ある意味この(真偽はどうあれ)俯瞰できるオールドメディアのいいところ、広く物事を捉えるにはうってつけだった様に思います。
オールドメディアの終焉
オールドメディアが面白くなく、そしておかしくなり始めたのはもういつの頃からか。。。たとえば、テレビをつけてみると情報番組の多くは、飲食店とのタイアップである〇〇の人気商品トップ10を当てるクイズやら、便利グッズを値段入りで紹介するもの、そして街でそれらを使っている人のインタビューは番組側が用意した役者さんであるケースもあるはずです。多くの人はそれらにうんざりしていると思います。
また、色んな問題報道や偏向報道、やらせなどの問題はあった事もテレビ、新聞を懐疑的見るきっかけになっていると思います。
発掘! あるある大事典II』でねつ造 関西テレビ,番組を打ち切り | 調査・研究結果 - 放送研究と調査(月報)メディアフォーカス | NHK放送文化研究所
TBS成田事件 - Wikipedia
一旦テレビ、新聞に懐疑的になると例えば「選挙候補者の〇〇さんは本当は素晴らしい人でオールドメディアの扱いは間違っている」といった考えの入り口に立つと、それ以降は、その方向に沿った情報ばかりを入手し、その反対側の意見を目にすることなくオールドメディアは悪、ネットは善みたいなある種洗脳じみた状態に陥りやすい。もちろんテレビが正しいわけでもないし、ネットにも怪しい点はいっぱいあると思います。
でも一旦考えが偏って洗脳状態に入ると、真偽を見極めることが難しくなる。
実際はオールドメディアも偏向報道してるのは事実だし、ネットもまた偏向的な内容が氾濫しているけど、圧倒的な情報量と人が興味を引くネットの内容にオールドメディアは全く対抗できない。
先の兵庫県知事の選挙はオールドメディアvsネットみたいに言われていましたが、この典型的な例かと思います。
オールドメディアとネットは対抗すべき存在ではないと思うけど、いつしかそういった構図になっています。
そもそも
オールドメディア vs. ネット
と言う構図もいつしかオールドメディアとネット双方が植え付けた洗脳かなと思う。
とあるXでのポストを見て
と言うのも
NHKさん!
— そらぴよ (@sorapiyo11111) January 5, 2025
その嘘「X」で爆速拡散されますよw
【悲報】NHKが「X(旧:ツイッター)離れが進んでいる」と誤情報を報道 実際にはX利用者は急増、NHK離れが加速
(受信契約総数27万件減、受信料収入402億円減) | jnnavi https://t.co/Ulg8uyyxFv
と言うバズったポストを見た時に、このポストのリプ欄を見た瞬間に、ああ、またか。。。そう思ったのでした。
ちなみに、このポストで一番ウハウハなのは引用先の記事を書いたjapannewsnaviでしょう。(おそらく個人か少人数でやってるサイトですが、おそらくこのポスト一本で数万〜数十万円の広告収入が得られているはず)
いや、実際にXのユーザーは増えてはいるけど、それってXがマネタイズできるようになってインプレゾンビが急増したのも要因じゃないの?と思わないでもない。それに感覚的にはTwitterを見ていても最近怪しいポストが非常に増えてきて、見ていて「もやもやする様になった」と言うのもあって、以前よりも見る機会が減りました。
Xがやたら、オールドメディアとの対立を煽るような発言も目にする機会が増えたので、その手のポストはちょっと見ていてもシンドイ(繰り返しますが、別にどっちの肩を持つつもりもないです)。
単純にこの記事は大統領選を機にXのユーザーが増えているとの内容ぽいけど、少なくとも日本におけるXユーザー離れは実感としてある。。。
よってたかってNHKが嘘だと言うのもちょっとな。。。と思うのです。このポストが本当かもしれないし、嘘かもしれないと言うのは直ぐには見抜けない。
まとめ
何の話かわからなくなってなってきたのでこの辺で記事を〆ますが、悲報とか書いてPVを煽るネット記事はなるべく見ない様にしている私でした。
ネット記事でマネタイズができる時代だから、バズりやすい対立構造の記事を数分で書き上げて発信者側はウハウハ、閲覧者側はそうだそうだ!と拡散されていく。いつからネットはこんなふうになったのか。。
自己紹介
筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。