はじめに
またしても魅惑のレンズがシグマから少し前に登場したので紹介したいと思います。
その2本とは
SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
前者は単焦点だけど、明るさは少々控えめ?と思われるかもしれません。後者もF1.4が多い中で少し控えめの明るさ。しかし侮るなかれ。この2本のレンズ、超所有欲を満足させてくれつつ写りもすごくしっかりしている「他社にない特徴的なレンズ」
これらがシグマIシリーズの製品の2本として加わりました。
Iシリーズといえば、コンパクトで外装をはじめ、作りにめめちゃくちゃ拘ったシリーズです。数あるレンズメーカーでコンパクトかつ重厚感ある作りで一貫したデザインを展開しているのもシグマだけ。できればコンプリートしたいくらいにニヤリとしてしまう見た目。カメラ、レンズ好きにとってはたまらん。
今回のレンズを併せて現状発売されているレンズは
17mm F4 NEW
20mm F2
24mmF2
24mm F3.5
35mm F2
45mm F2.8
50mm F2 NEW
65mm F2
90mm F2.8
の9本
I series The Stage is Set. | レンズ | SIGMA | 株式会社シグマ グローバルサイト
そして、17mmと50mmが同時に発表されたことの意味を少し考えると、この3倍違う焦点距離のレンズ2本あると多くの撮影領域がカバーできます。
SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
まずは17mmの方から紹介していきます。いや、これSIGMA fpにつけると恐ろしいほどマッチする見た目と大きさです。SIGMAのIシリーズの中で一番広角にして最小のレンズを誇る特徴的なレンズと言えます。
レンズ仕様
レンズ構成枚数:8群9枚
絞り羽根枚数:7枚(円形絞り)
最小絞り:F22
最短撮影距離:12cm
最大撮影倍率:1:3.6
フィルターサイズ:φ55mm
最大径 × 長さ:φ64.0mm × 48.8mm@Lマウント
φ64.0mm × 50.8mm@ソニー E マウント
質量:225g@Lマウント 220g@ソニー E マウント
最短撮影距離は12cmで、かなり寄れる方です。最近に限らず広角レンズは寄れる傾向にあるので、例に漏れずこのレンズもかなり寄れます。被写体にグッとよって背景をいっぱいに入れながら広角マクロ的な使い方も楽しめる一本です。
スチル作例
17mmの超広角を活かした撮影が高画質かつ気軽にできる点が最大の魅力です。今回の17mmは決して明るくはないレンズです。ですが、そのF4で得られる「他にはないコンパクトさ」が特徴です。
写りは隅までシャープに写しとるその描写はシグマらしいものです。作例をいくつか紹介していきます。
SIGMA fp + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:4 SS:1/200 ISO:100
SIGMA fp + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:4 SS:1/250 ISO:100
SIGMA fp + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:4 SS:1/800 ISO:100
SIGMA fp + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:4 SS:1/10 ISO:100
SIGMA fp + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:6.3 SS:1/25 ISO:100
SIGMA fp + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:4 SS:1/160 ISO:2000
SIGMA fp + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:4 SS:1/100 ISO:100
先日、縁あって羽田の整備場を撮影させていただく機会があったので、メインカメラの他にfpとSIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporaryをカバンに忍ばせていました。いや、これ持っててホントに良かったと思います。
異論はあるかもしれませんが、17mmという画角はある程度被写体から離れれば過焦点距離に入るので、レンズの素性さえよければさほど絞り込む必要は無いというのが個人的な考えです。無論、絞った方がよりシャープに写りますけど、その違いは顕著ではありません。上の写真は全て開放で撮った写真ですが、いずれもシャープに写っているかと思います。
ま、正直言うとメインカメラで動画を撮る事でいっぱいいっぱいになっていたので、「ええい、もうスチルは開放でええわ」となっていたってのもあります。
LUMIX S5II + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:4 SS:1/4 ISO:800
上記の様な囲まれた構造物を撮るのには17mmという超広角は大活躍をしてくれます。いやね、F4なので正直夜使うには厳しい場面もあると思いますが、都会の夜景であればボディ内手振れ補正の付いたLUMIXならは1/4とかのシャッタースピードでもへっちゃらです。
LUMIX S5II + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:4 SS:1/1000 ISO:100
前述の様に寄れるレンズなので、被写体に寄って周りの雰囲気を入れる撮影ももちろん得意です。流石に17mmとは言え、開放で被写体に寄れば背景はそれなりにボケます。ボケもまずまず綺麗ですし、作例全体を通じて、開放から使っても色収差を感じさせない素性の良さを感じることができます。
LUMIX S5II + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:10 SS:1/100 ISO:100
Color Mode : Warm Gold
こちらは少し絞った一枚、やや真正面気味に太陽を狙ったものですが、コントラストの低下が少なく逆光にも強い印象です。
LUMIX S5II + SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary
F:16 SS:5sec ISO:800
こちらは更に絞った写真。三脚を使っての撮影で、光芒の形を確認してみました。このレンズの光芒は煩すぎない印象で、品の良い光芒が得られているかなと思います。
ビルドクオリティは他のIシリーズと同様に素晴らしく、撮る者をその気にさせてくれるレンズです。カバンに忍ばせるにはもってこいの大きさですし、今どきのフルサイズであれば、開放を使ってそこそこの照度があれば夜だろうが全然問題なく撮れます。
写りの良いコンパクトな超広角レンズが欲しいのであれば、このレンズは検討すべき一本でしょう。
SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
先日発売された50mmF1.4と比べるとその大きさは全く違います。50mm F1.4 Artは光学性能を突き詰めたレンズですので、その大きさもそれなりに大きいものとなっています。先に紹介した17mmに比べるとフードの大きさも相まってか、少し大きめの印象を受けますがそれでもかなりコンパクトな一本です。フードの大きさが気になる方は、ねじ込み式のレンズフードを付けるのも良いかもしれません。
レンズ仕様
レンズ構成枚数:9群11枚
絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
最小絞り:F22
最短撮影距離:45cm
最大撮影倍率:1:6.9
フィルターサイズ:φ58mm
最大径 × 長さ:φ70.0mm × 68.0mm@Lマウント
φ70.0mm × 70.0mm@ソニー E マウント
質量:350g@Lマウント 345g@ソニー E マウント
スチル作例
よくスナップ撮影で使用するレンズは24mmとか35mmとかが向くという話も聞きますが、私は50mmでスナップ写真を撮るのが好きです。なぜ好きなのか。多分、画角的に引き算しやすく、写したいものをよりフォーカスしやすい画角だからでしょう。
尚、SIGMA fpで50mmで撮る場合は、カラーモードのPowder Blue/Warm Goldのマッチングが良く、この2つのモードで撮影をすることが多いです。
SIGMA fp + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/250 ISO:640
Color Mode : Powder Blue
SIGMA fp + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/1600 ISO:640
Color Mode : Powder Blue
SIGMA fp + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/160 ISO:100
Color Mode : Powder Blue
SIGMA fp + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/200 ISO:640
Color Mode : Powder Blue
SIGMA fp + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/160 ISO:640
Color Mode : Powder Blue
SIGMA fp + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/160 ISO:640
Color Mode : Warm Gold
先日「だから、Lumixシーズン2」の撮影でもお世話になったルアンさんの工房にお邪魔したときに、撮らせて頂いた写真です。いずれも雰囲気ある写真が撮れたなと思います。やっぱり50mmっていいよねぇ。
SIGMA fp + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:3.2 SS:1/100 ISO:100
Color Mode : OFF
一枚だけ、50mmでの飛行機撮影をしてたので貼っておきます。機体後方部のリベットが細かく描写されれているのがお分かりかと思います。何気なく撮った写真ですが、「SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporaryやるやん!」と思った一枚です。
LUMIX S5II + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/400 ISO:100
SIGMA fp + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/400 ISO:100
Color Mode : OFF
ボケを活かしたポートレートを撮るにしてももちろん活躍するレンズです。このレンズも先の17mmと同様に逆光耐性の高さが光るレンズです。太陽の位置を全く意識することなくバシバシ撮れます。
LUMIX S5II + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:5.6 SS:1/250 ISO:100
近所を散歩して撮影した写真です。夕刻に満開の桜を気軽にスナップしたものです。夕方の日が傾いた時間帯なのでどことなくノスタルジックな雰囲気に見えますが、その描写はシャープに写し取っています。
いや、今年は心の準備をする間もなく桜が満開になってあっというまに散っていた感があるのですが、こうして気軽にスナップできたのはこのレンズがあったからかもしれません。それだけちょっとしたところに持っていける気軽さがあるレンズです。
LUMIX S5II + SIGMA 50mm F2 DG DN | Contemporary
F:2 SS:1/2000 ISO:100
こちらも開放で撮影した写真。この手の写真は拡大してみると花びらの周辺にパープルフリンジが目立ちやすいのですが、その傾向はほぼ見られませんでした。
総評
17mmと50mmがあれば大概のものが撮れる。と月並みな感想ですが、この作例を見ていて改めて思った次第です。流石に50mmの方は寄れないので手元だけをクローズアップして写すような写真こそ撮れませんが、それでも風景から人物撮影、スナップまで幅広い場面で活躍してくれるレンズです。
思えば、私が初めて自分のお金で買った単焦点が2万円の50mmF1.8の撒き餌レンズでしたが、明るさはそれに比べてほんの少し暗いですが、いわゆるそういった撒き餌レンズとは一線を画す写りです(まぁ値段てきにもそうだわな)。いわゆる撒き餌レンズと言われる超安価なレンズはゴーストが出やすかったり安っぽかったり、隅の描写が甘かったりとそれなりの写りになりがちです。
流石に50mmF2はそういった点はないどころか、所有欲と同時に写りでも十分に満足させてくれる一本です。
17mmも50mmも開放から使ってもなんら問題ないし、ともすると開放写真だらけになるレンズです。そういや、昔は「このレンズはF○○から美味しいんだ」みたいな頭でっかちな撮り方をよくしていましたが、そんなことはどーでもいいよ。と思わせるほど、どんな撮り方してもしっかりとした描写が味わえる二本だと感じた次第です。
まぁ、最近のレンズは多分に漏れずこの傾向はあるんだけど、この二本は楽しいです。お気軽スナップが楽しくなるこの二本で写真・動画撮影を楽しんでみては如何でしょうか。
fpに付けてもよし、αボディにつけてもよし、LUMIX Sシリーズにつけても、LEICA SLシリーズにつけても写真・動画ライフを豊かにしてくれるレンズだと思います。
筆者:SUMIZOON
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
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