とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

2008年から現在まで動画性能に特徴のあるカメラを振り返る その2「一眼動画過渡期(4K機登場前夜1)編」

はじめに

前回は一眼動画の黎明期として2010年のGH2までについて記載しました。で、今回はその続きです。

sumizoon.hatenablog.com

前回も掲載した年表を再度示すと下記のようになります。

2011年から2012年までを一旦過渡期として記載しますが、個人的にはここはあまり印象に残るカメラはありません。私がこの時期に購入したカメラの一つはNEX-5Nですが正直、(動画撮影用としては)GH2でいいやと思うカメラでした。

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一眼動画過渡期(4K機登場前夜)

正直「過渡期」と呼ぶのがいいのかわかりませんが一旦過渡期と表現しました。

が実際にはこの時期に一眼動画を大きく牽引したカメラの登場は2014年からという印象が大きいです。4K撮影が可能になる直前の時期。それと同時に各社一眼レフからミラーレスへの移行を始めた時期でもあります。

SONY NEX-5N

SONYのミラーレス機の第一弾は2010年のNEX-5/NEX-3だと思いますが、動画機として私が認知する様になったのは2011年9月に発売になったNEX-5Nです。APS-C機としてFHD60pが撮れるというスペックに惹かれて購入をした記憶です。

ボロボロになるまで使ったNEX-5N(当時は5Dのサブ機としてスチル撮影のために使用)

スマートフォンよりも小さい本気でポケットに入るミラーレスカメラです。今でもSONYのカメラの大きさは小さいですが、この世代のSONYのミラーレスカメラはマジで小さいです。後のα6X00シリーズでは大きくなりましたが、この時期のSONYのミラーレスは廃熱は考慮せず本気で小ささだけを追い求めていた気がします。フランジも本体から飛び出す仕様です。これだけ小さいににFHD60pの動画も撮れる!というのでものすごく期待して購入しました。

 

マウント:ソニーEマウント
カメラ有効画素数:約1610万画素 APS-Cサイズ
動画性能:1920 x 1080(60p, 28M, PS)

 

引用:NEX-5N | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

とは言え、実際に使ってみるとあれ?動画画質がそんなに良くない。という印象。もちろんAPS-Cサイズなので浅い被写界深度を活かした動画撮影はできるもののなんかシャキッとした映像がどうにも撮れない印象でした。

いろいろ工夫はしたものの、結局あまりこれを動画機として運用するという事はあまりせず、もっぱらEOS 5Dのサブ機としてスチルばかりを撮っていた記憶があります。

今ならもう少しこの機種の特性を活かした撮影ができるのかもしれません。

尚、この機種はFHD30p撮影の場合は熱停止しやすく、FHD60pの場合はさほど熱停止しない印象があったので30pと60pでは読み出し方法の差があったのかもしれません。

動画撮影における「熱停止」を初めて経験したのもこの機種が初でした。

動画機としてやや酷評気味ですが、スチル機としてはこのカメラに搭載された16MPセンサーはノイズが少なくスチルを撮る分には非常に素性が良かった記憶があります。

Nikon 1 V1

NikonAPC-C/フルサイズをミラーレスで実現するという方向性ではなく、ミラーレスはあくまで1インチの小型機に任せるというスタンスでした。Canon も後に出るEOS Mシリーズでも似た戦略を取りますが、当時はフルサイズ(マウント)はあくまで従来のレフ機に適用され、ミラーレスにはフルサイズセンサーを使わないという戦略をとっていました。多分、NikonCanonもミラーレスが数年後にレンズ交換式カメラのメインストリームになることなど想像もついていなかったのかもしれません。

引用:Nikon 1 V1 | ニコンイメージング

で、前置きが長くなりましたが、Nikonから発売された初のミラーレス一眼がこのNikon 1 V1Nikon 1 J1だったはずです。どっちが先かは覚えてませんが、V1の方が上位機。

静止画スペックとして

10.1メガピクセル 3872×2592

オートフォーカス ハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF)

となっています。そう、ここで初めて像面位相差という技術の登場です。

そして、このカメラの一つの特徴が、幕速が(当時としては)めちゃくちゃ速かったという事が挙げられます。その証拠にフル画素の秒間60コマを実現しており、この機種が電子シャッターが初めてメカシャッターに近づいた機種であると言えます。おそらくスチルの電子シャッターは90fps相当の幕速だったと記憶しており、この時期に初めてNikonはメカシャッターを本気で廃することを意識していたと言えます。

気になるセンサーですが、NikonAptinaと共同開発し、このNikon 1に搭載しました。

digicame-info.com

上記記事内のリンクは切れていますが、当時Chipworks(現TechInsights)のレポートがエビデンスとして掲載されていた記憶があります。

そして、何が動画機として画期的だったのか?というと、このカメラ実は30枚のバッファをもっている点です。電子シャッターの秒間30コマを使うと1秒のRAW撮影が、秒間60コマを使うと0.5秒のRAW撮影が可能になっています。

そして、その水平画素数は冒頭にも書いた通り3872×2592です。つまり4K撮影がRAWでできる。ということになります(1秒だけだけど)。

4K機登場前夜編として書いている本記事ですが、ある意味レンズ交換式で初めて4KRAWが撮れるカメラの登場です。

と言いながら私はこのカメラを手にすることはありませんでしたが、当時このカメラで4K撮影を試みている人の記事をを読んでは「うらやましい。。。」と思ったものです。

私が撮ったものじゃないですが、リンクを貼っておきます。

www.youtube.com

この手の映像を見ながら「やべーすげー」と思ったものです。(発売直後にはこの撮影は流行っておらず、発売しばらくしてからこの小さいムーブメントが起きたという記憶があります。

LUMIX GH3

LUMIX GHシリーズがYoutubeなどで世間一般に広く知られる様になったのはこの機種からでしょう。それまで一部のコアなユーザーの間だけで盛り上がっていたLUMIX GHシリーズですが、多くのYoutuberの方がこの機種を意識する事になります。

引用:デジタル一眼カメラ/ボディ DMC-GH3

 

カメラ有効画素数:1605万画素
レンズマウントマイクロフォーサーズマウント
動画性能:
 1920×1080, 60p(センサー60コマ/秒/50Mbps(IPB))
 1920×1080, 30p(センサー30コマ/秒/72Mbps(ALL-I))

 

当時も今も多くのガジェット系で人気の瀬戸弘司氏が当時のCanonからGH3にカメラを変えたという動画は私のアンテアにすぐひっかかりました。

この動画を見てLUMIX GHというカメラの存在を初めて知ったという人も多いかもしれません。後のGH4もそうですが、瀬戸さんが日本のYoutube撮影のための機材選定を当時大きく牽引していたという事実があると思います。

一方で従来のGH2からのユーザーにとってはこのGH3は動画機としてはよくできていたものの、GH2からのアドバンテージがものすごくあるというイメージは薄かったという記憶があります。

マニアからは冷静な目で見られている一方で、一般ユーザーとしては多くの視線が注がれた。そんなイメージの機種です。

私自身もGH3はスキップしています。ほぼ全てのGHを触ってきていますが、このGH3だけは所有したことが無いカメラですが、一度くらいこの機種を触って自分自身の評価をしてみたいと思わないでもないのですが、まぁ今更ですよね。。。

 

自己紹介

筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

 

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