以前CP+のとあるブースでセミナー(というかトークショー)をしたときに話た内容をモディファイ&追記して記載したいと思います。どちらかというとカメラ初心者向きの内容です(高い機材も掲載してますけど...スチルの用途を意識して書きましたが、若干動画撮影用途寄りの記事になっているかもしれません)
「機材沼」という言葉がありますが、沼はカメラ、レンズに限らず周辺パーツにまでおよびますので、いま使っている機材を織り交ぜて紹介したいと思います。また各項目には
必須度(動画/動画撮影で必要な機材か否か)
を記載しています。
たとえば、一時期は動画=ジンバルみたいない風潮はありましたが、確かにあると撮影の幅は広がりますが、さほど重要度は高いものではありません。その重要度を「必須度」という尺度として記載しています。
また、カメラボディとレンズに関しては言うまでもなく必須なので、ここには記載していませんが、そのうちウチで運用している機材全てをどこかで紹介したいとおもいます(細かいパーツ全てまでは流石に無理ですけど)。ブラックフライデーが近いのでこれを機に揃えるのも良いかと。
スチル・映像撮影を本格的に始めて17年目ですが、いろんな機材が増えました。
ですが、動画撮影にはいろんな機材が必要と思っておられる方も多いかと思いますが、最低限必要なのはカメラ、レンズ、記録メディアだけです(以前にもトークショーでお話しさせて頂いたことがありますが)。
必須ではない細かいパーツ類のボックス(とは言えそれなりに使うもの)
(収納してるとまだマシだけど整理してないと見つけるのが困難)
これ以外の列挙した諸々はあくまで撮影をサポートするためのものです。無論必須に近い位置付けのアクセサリーもありますが、最悪先の3つ(カメラ、レンズ、メディア)があれば多くの場合どうにかなります。このことを頭に入れた上で以下を参考にして頂けたらと思います。
- レンズプロテクター
- NDフィルター(固定ND or 可変ND)
- ステップアップリング
- ジンバル(電動スタビライザー)
- ブロワー
- ブロワー以外のクリーニング道具
- 高性能なPC
- 予備バッテリー
- 有償動画編集ソフト
- 有償スチルRAW現像ソフト
- メディア(SDカード、CFexpress)
- 三脚
- 一脚
- ビデオ雲台
- 専用のカメラバッグ
- リグ(ケージ類)
- 外部レコーダー/外部モニター
- 外部マイク
- 定常光(LEDスタジオライト)
- ストロボ
- ストラップ
- コネクター類
- 三脚予備プレート(アルカスイス、マンフロット)
- ネジ類、レンチ類
- 自己紹介
レンズプロテクター
必須度(動画):★★★(3 point) / 必須度(スチル):★★★★(4 point)
動画の場合はNDフィルターを併用することが多いので、NDフィルターとレンズプロテクターを併用してしまうと、特に広角撮影ではケラれる可能性が高いのです。なので私は多くのレンズではプロテクターを付けないで撮影することが多いです。夜の撮影がメインならレンズプロテクターをつてててもいいのですが、レンズプロテクターの内部反射によるゴーストが出やすいので夜も付けてない事が多いです。
とはいえ、プロテクター付けてないと安心できないという方は持っておいたほうがよいでしょう。
スチルの場合はフィルターワークを行う場合を除いてプロテクターを付けていても問題ないかと思いますし、動画ほどのフィルターワークというのは行わないケースが多いので必須度を4ポイントとしています。
プロテクターとしてはKENKO、HAKUBA、マルミあたりが老舗ですかね。
NDフィルター(固定ND or 可変ND)
必須度(動画):★★★★☆(4.5 point) / 必須度(スチル):★★(2 point)
スチルの場合NDフィルターを使いたいケースは、長時間露光をしたい場合に限られると思いますが、動画の場合は固定のシャッタースピード/ISO/F値を設定した際に露出をコントロールする重要なパーツです。
シャッタースピードで露出をコントロールしても問題ないケースはありますが、フリッカーが出たり、動体がパラパラしてしまうのがいやであればNDフィルターが必須と言えます。
尚、「俺は夜にしか動画撮影しないぜ!」って方はNDフィルターはほぼ必要はありません。あくまで明るい屋外で露出を抑えるためのパーツですのでね。
尚、初心者のうちは可変NDのほうが断然露出をコントロールしやすいです。固定は露出系やシチュエーションをみてフィルター係数が頭で瞬間的に算出できないと運用は厳しいかも。
可変NDの分野は民生用では新興勢力はNiSi、H&Y、KANI、K&Fコンセプトなどがあります。老舗メーカーとしてはFiffenあたりでしょうか。ちなみにAmazonでよく見るK&Fコンセプトのフィルタを使ったことがありますが、解像度がガッツリ落ちてしまったことがあり、以来K&Fコンセプトはトラウマになっています。結局未だにFiffenを使っている古い人ですw
ステップアップリング
必須度(動画):★★★★☆(4.5 point) / 必須度(スチル):★★(2 point)
正直どこのメーカー使ってもいいと思いますが、フィルター径の違うレンズを所有しててNDフィルタを使う前提なら必須度は高いです。
ウチはフィルタは77mm、フィルタ径が小さいレンズは基本的にステップアップリングで径を揃えて運用しています。
これさえあればフィルターはレンズ径毎に揃える必要がないのでね。
昔からカメラをいじっている人はやたら持っているアイテムです。
ジンバル(電動スタビライザー)
必須度(動画):★★☆(2.5 point) / 必須度(スチル):☆(0.5 point)
ジンバルはパイロットフライ(PYLOTFLY)、ジーウン(Zhiyun)、フェイユーテック(FeiyuTech)、Gunsen MOZA(グッドセン モザ)やDJI、比較的新しいところではHOHEMなどがひしめく分野です。
余談ですが、ジンバルは10年くらい前にすごく流行った機材ですが、のちにDJIがRonin Sを出してから一般のカメラマンにも眼に触れる機会が増えた機材です。ですが、当時Ronin S使っている人をみるともっと軽くて楽で性能がいいジンバルなんていっぱいあるのに。。と思っていました。今やジンバルはRoninのシェアが高いですが性能がいいジンバルはRoninに限らず各メーカーから多く発売されています。メルカリなどを見ると扱いきれなかった人たちや不要と思っている人の出品が多く見られる機材の一つです。
実際に、動画界隈では実際に一度使ってみたいけど使わなくなる動画撮影機材選手権なるものがあったら、ぶっちぎりの優勝がジンバルだと思います。
アナログスタビライザーに比べたら圧倒的に習得は速いですが、ジンバルはきちんとした映像を撮るならそれなりの練習をしたり、動作の理屈や撮影方法をそれなりに勉強する必要があるので、使いこなせないまま終わったり、そもそも大きさもあるので使うのが億劫になる機材です。
ジンバルじゃないと撮れない映像ってのも少なからずあるのですが、屋外でVLOG的な歩き撮りをするくらいなら不要と思います。(最近のLUMIXとかの手ブレ補正は正直VLOGならジンバル不要のレベルです)
もっと正確無比なカメラワークをしたいというくらいのモチベーションがあるなら必須ですけどね。
ついこないだHohemのジンバルを触りましたが、あれは小型のミラーレスカメラにはすごく良い大きさで、動きもよかったので気になる方はチェックしてみてください。
小型ジンバルといえばZhiyun CRANE M3とかもかなり小型ですが、ずっと使ってきた感想としては、乗る機材が限られている、パン軸の初動が硬いという2つの弱点はあります。
有名メーカーじゃないといやだという方はDJIで(笑)
始めて買うなら絶対に重くてデカいのは買わない方がいいです。少なくとも自分の機材が乗るなるべく小さいジンバルを選ばないと使い続けられないと多います。
最近はGudsen MOZAシリーズが元気がないです。非常に補正がうまい同社の小型の軽量ジンバル出して欲しいと思いますがDJIに駆逐されてしまった感があります。
ブロワー
必須度(動画):★★★★★(5 point) / 必須度(スチル):★★★★★(5 point)
※レンズ交換を全くしない人を除く
レンズ交換を行う一眼カメラでは動画撮影だろうとスチル撮影だろうとブロワーは必須なアイテムです。撮影には必須ではありませんが、これだけは持っておいた方がいいかと思います。
特に動画撮影の場合は、後処理でゴミ消しをするのが非常に面倒なので、重要な撮影の場合は、絞って空に向けて撮影を行い、ゴミが写り込んでいないかをチエックします。で、もしゴミが写って(映っている)いるのであればレンズを外してブロワーでゴミを吹き飛ばします。(カメラのセンサーのゴミ除去機能を使ってもいいですが、取れないことも多いので結局ブロワーに頼る)
ブロワー以外のクリーニング道具
必須度(動画):★★★★(4 point) / 必須度(スチル):★★★★4(4 point)
レンズのクリーニングペーパーやクリーナー、レンズペン、セーム革とかいろいろあります。使い捨てのクリーニングペーパーも携帯には便利です。セーム革は拭き取っている感が高くピッカピカになりますが、価格も高く、一度大きく汚れてしまうと他の機材に汚しかねないので注意が必要かと思います。
どこのカメラ屋さんにもあるのが下記の2つだと思います。どっちも使い切らずに未だに残っていますが一つ持っておくとよいでしょう。
柔らかくて埃がでないと言えばケイドライですが、クリーナーを拭き取るのに使っています。ペーパーを使う場合は乾拭きは避けた方がよいです。
カメラ専用のペーパーやケイドライをつかうのも手ですが、市販のメガネ拭きでも代用できます。私はメガネ拭きでレンズを拭くことも多いです。ちなみに、レンズを拭く際には硬い砂がレンズに付着しているとキズになるのでかならず吹き飛ばすなどしてからにしましょう。全く何も持っていないという方は、以下のようなキットの方が一通り揃うので便利かもしれません。
センサーについたダストが固着して取れない場合はスワブを使ってクリーニングするものありですが、不安な方はメーカーのクリーニングサービスに出した方がいいと思います。そういう意味で星を4つにしました。
あとは定番どころはレンズペンです。EVFのお掃除とか、細かいチリを取るのに重宝します。
高性能なPC
必須度(動画):★★★★(4 point) / 必須度(スチル):★★(2 point)
高性能なPCというざっくりした書き方をしてしまいましたが、上をみるとキリがない分野です。4K解像度で快適な動画編集をしたいのであればMacで言えばMac STUDIOクラスがあれば快適ですが、私はその昔グラボの乗っていないCore i5のMac Miniで4Kで編集、カラーグレーディング作業をしていました。当時はプロキシを用いる、書き出しは寝る前に仕掛けるという方法でしたが、一度速いマシンに慣れてしまうと後戻りできない分野です。
とはいえ、ウチではものすごく極端に高価なマシンは使っていません。吊るしのMac STUDIOですので動画編集者としては贅沢をしているとは言えません。ですが、4Kクラスであれば十分な性能を発揮します。今ならデスクトップであればM4 Proが搭載されているMac Miniあたりが非常にコストパフォーマンスもよく4K動画編集に適したマシンだと思います(欲を言えばメインメモリは32GBあったほうがいいけど、Macなら24GBでも全然4Kならいけるはずです)。
また、割り切ってMac Book Proにするのもありかと思いますが、上記Mac Miniのコスパには及ばないです。でも16GB 10Core/10GPUでも極端に複雑なグレーディング+ノイズリダクション処理を行ったりFusionを使うなどしないしない限り私は耐えられると思います。(何せ2012年のMacMiniででもどうにかしてた人ですので...)
Windowsで言えばRTX4070クラスのグラボがあればかなり快適に動画編集ができると思います。もちろんCPUもそれなりに高い性能があった方がベターです。CPU側もそれなりのパフォーマンスが出るものが推奨されます。
スチルに関しては現像ツールを使用した際のレスポンスに影響はしますが、正直動画編集ほどに性能は要求されないと思います。
予備バッテリー
必須度(動画):★★★★☆(4.5 point) / 必須度(スチル):★★★★(4 point)
※モバイルバッテリーで運用するのもアリ
ミラーレスカメラになってからはカメラのバッテリー消費が大きくなりました。さらに昨今の多画素化にともなって画処理エンジンの負荷も上がってきているため、純正バッテリー一本でスチルが撮れる枚数、動画が撮れる時間は減ってきました。
ウチのDMW -BLK22(LUMIXのS5/S9/GH系バッテリー)の予備バッテリー
Nikon ZとSONY Lバッテリーやら他の含めると相当ヤバい数になります。。
動画に比べてスチルは消費電流もすくないので、★は一つ減らしています。
尚、純正を買った方がいいです。最低1本あればあとはモバイルバッテリさえ持っていればどうにかなるケースが多いです。セールなどの場合に買っておくのがいいかなと思います。
LUMIXとNIKONのバッテリーは普段概ね6000円前後で販売されています。
というかSONYの純正バッテリーってなんでこんなに高いのだ??
カメラ側がUSBポートによる充電、給電に対応しているのであればモバイルバッテリーを使うのも手です。界隈ではCIOの↓を持っているという人が多いです。残量がモニターできるので、外部給電時にも安心して使う事ができます。
有償動画編集ソフト
必須度(動画):★★★(3 point)/ 必須度(スチル):☆(0.5 point)
動画撮影を始めてみたいという方は、いきなり有償の動画編集ソフトを使う必要なんてないのでまずは無償のソフトから初めて見るのがよいかと思います。
MacであればMacにインストールされているiMovieとかで十分ですし、WindowsであればMicrosoftのClipchampあたりをインストールしてみることから始めるのでもアリだと思います。(Clipchamp使った事ないけど)
Blackmagic DesignのリリースしているDaVinci Resolveの無償版もあります。DaVinci Resolveであれば無償版でも商用利用が可能ですし、怪しい広告も一切ありません。私は、初めは分かりにくいけど、どうせならDaVinciを頑張って使うことをお勧めします。ですが、とにかく高機能すぎて「とっつきにくい」ですが、逆にこれが無償というのが意味不明です。
DaVinci Resolve(無償版)に慣れてからDaVinci Resolve STUDIO(有償版)にとステップアップするという人が多いです。
CP+2019 LUMIXブースのGH5Sデモ映像(再編集版)
(この時まで無償版DaVinci Resolveにてカラーグレーディングを行っていた)
動画編集スクールの怪しい広告を見るとAdobe Premiere Proが必須と言っているケースもありますが、個人で楽しむ分にはPremiere Proは不要ですし、ソフト指定の縛りとかが限りDaVinci Resolveでも十分仕事はできます(むしろ私はDaVinciじゃないとダメというクリエータは多いとおもます)。そもそもDaVinciは編集よりもカラーグレーディングに重きを持ったツールですが編集や音編集・加工含めて「やれない事が無い」くらいのツールです。
ライセンスに関してはライセンスキー(番号)を購入する方法とUSBドングルキーを購入する方法に分かれますが、前者はセール時は4万円以下になります。また、PC2台まで使えるというメリットがあります。(DaVinci Resolve Studioのライセンスキー版は、1ライセンスキーで2台まで同時に使用できます。3台以上認証を行うと、一度すべての認証が解除されて3台目を1台目として認識します。永続アップデート保証なのでいつのVer.のライセンスキーであっても最新版で使えます。)
DaVinci Resolve STUDIOは買切りなのでサブスクが嫌だという人にもおすすめです。
スチルを0.5ポイントとしたのは、スチルのスライドショーを作成する場合を鑑みての話です。ですが、スライドショーくらいであれば無償のものでも十分だと思います。
DaVinci Resolveはメーカー公式Youtubeのチュートリアルが豊富なので、そちらを見て勉強するのが良いかと思います。
私自身はDaVinciの解説を書いたことはあまりありませんが、以前、カメラのキタムラさんのサイトで書いた記事を参考までに貼っておきます。
有償スチルRAW現像ソフト
必須度(動画):ー / 必須度(スチル):★★★(3 point)
多くの方はスチルの現像にCapture OneやLightroomを使っているかと思いますが、撮って出しであればその限りではありません。また、カメラに付属している現像ソフトもあるので、たまに露出やホワイトバランスしか現像しないのであれば、そちらでも十分かと思います。
メディア(SDカード、CFexpress)
必須度(動画):★★★★★(5 point) / 必須度(スチル):★★★★★(5 point)
メディアに関してはサンディスク、プログレード、ネクストレージ、キオクシアなどがひしめく分野です。さらにエンジェルバード、SUNEAST、エクサセンド、Delkinなども最近はよく目にするようになりました。
記録メディアです。言うまでもなくこれは無いと撮れません。カメラボディ、レンズと同等に必要な機材です。Amazonのサイトを見ると、名前の知らないメーカーから有名メーカーのものまで実に様々なものまで存在しています。
動画記録のビットレートが200Mbpsまでの場合はV30のカードを使用すればなんら問題ありません。特に下記LexarカードはV30の中でもコストパフォーマンスが秀でているものです。
動画撮影の場合、600Mbps以上のコーデックを撮影する場合、カメラが仮にV30のカードで記録できたとしてもやめておいたほうが良いです。実は上記カードの兄貴分のLexarのSILVER PLUS はNikon Z8 8K30p H.265を記録できるほどの実力がある、ものすごく優秀なV30カードですが、途中で録画がコケても文句は言えないです。
本気で600Mbpsという高いビットレートがどうしても必要ならば、V90を買いましょう。また、SONYやPanasonicの機種ではハイフレームレートや高ビットレート撮影ではV60/V90を必要としますのでご注意ください。
CFexpressもSDの規格ほどではないにせよ、モノによって書込み速度の差がでます。
安いのはTLCタイプで、下記のようなものがあります。TLCタイプはpSLCに比べると信頼性は落ちますが、コストパフォーマンスにすぐれています。表立ってTLCとは買いていませんがpSLCと記載がなければほぼTLCと思ってよいかと思います。
pSLCタイプは価格比ではTLCの1/3になっています。これはpSLCがTLCの3bit分のデータを1bitと見立てて高信頼性を確保しているからです。書込み速度的にもかなり高い一方で値段的にかなり高いのですが、8K60pRAW撮影を行う場合においては私はpSLC一択です。TLCタイプで止まらずに8K60pRAW撮影ができた経験がないからです。
というわけで、どんなカメラでどんな設定で撮るかによって必要なメディアというのは変わってくるので、無責任に「コレを買っておけば大丈夫」というのはありません。強いて言うのなら一番高くて速いメモリ(SDカードならLexar/Prograde/Nextrageなど有名メーカーのV90/CFexpressならpSLC表記のあるLexar/Prograde/Nextrageなど)を買っておけなのですが、クソ高いので、ご自身のカメラとよく相談するといいでしょう。
ちなみにLUMIX S9であればLexarのSILVERはコスパよく優れたカードだとおもます。
三脚
必須度(動画):★★★★☆(4.5 point) / 必須度(スチル):★★★(3 point)
※撮影スタイルに依る
三脚に関してはLeofotoとかSIRUI、IFOOTAGE、Fotoproとかの中華三脚勢やジッツオ、SLIK、マンフロット、ベルボンなどの写真用老舗メーカーやザハトラー、ビンテン、リーベック(精機工業)などの動画メインの三脚メーカーがひしめく分野です。さらにSmallRigやFALCAM、ピークデザインなどからも発売されててかなりカオスな分野です。
今時のミラーレス一眼の手ブレ補正は脅威的な手ブレ補正を搭載している機種が多いですが、1カット3秒程度をバンバンつなぐ編集をするならいらない事も増えました。むしろ使わないことが多いですが、しっかり絵を見せたい撮影などの場合は三脚に勝るものはないです。
スチルの場合、手持ちスナップ写真しか撮らないよという方には不要なアイテムですが、何かの際に使うというのもありますし、初心者の方は安くてもいいのでカメラを持っているなら一本は持っていた方がいいと思います。
安くて設置が楽な三脚といえば、これです。作りは非常に安っぽくヘッドも交換できませんので、しっかりとした固定撮影には向かないですが軽量機材を固定撮影できればいいというシチュエーションでは非常に重宝しています。特にちょっとした山に登りで使用すると、この三脚の機動力と設置時間は超絶素晴らしさがわかると思います。
一方で、ガッツり目の撮影では以前も書きましたがINNORELの三脚をメインで使っています。これにザハトラーのヘッドを乗せています。
INNORELの良さはしっかりしているのに「やたら安い」という点です。これに近い強度と太さのものをフランスのあのメーカーで選ぶと15万円くらいすると思います。昔は中華三脚なんてダメみたいに言われていましたが、全然使えます。
老舗メーカーのも色々調べるといいと思います。この分野はちょっと私はかなり偏っているかもなので。。。
一脚
必須度(動画):★★(2 point) / 必須度(スチル):★★(2 point)
固定撮影では三脚で事足りるケースが多いですが、脚を広げるスペースが無い場合においては一脚が活躍するケースもあります。また、動画撮影の場合は一脚の下に小さい三脚がついた自立式一脚タイプがあると便利です。便利ですが、自立一脚といってもカメラに手を添えるようにしましょう。自立一脚は三脚ほどの安定性がないので風やちょっとした衝撃で倒れる可能性があるためです。間違っても自立一脚に機材を乗せたまま機材から離れるなんてことをしてはダメです。
私が愛用しているのはIFOOTAGEのC180F-Pです。ペダルで根本のロックが解除できるタイプで、使い勝手は非常によいです。
スチルのカメラマンでも流し撮りをしたいのであればよい機材だと思います。
ビデオ雲台
必須度(動画):★★★★(4 point) / 必須度(スチル):★★(2 point)
必須度は撮影スタイルによりますが、しっかりとしたパンチルトのカメラワークをしたいなら必須でしょう。スチルにおいても、野鳥撮影で使う人も多いのがビデオ雲台です。
動画撮影においてはジンバルよりも圧倒的に必須度が高い機材です。普段、超望遠撮影で使っているヘッド(雲台)はザハトラーのFSB6です。以下のヘッドの旧型
ちなみに載せる機材が軽すぎるとバランスが取れないので、搭載重量を鑑みて選ぶことが必要です。
長年使っているザハトラーFSB6
ザハトラーの雲台はギア式になっているので、オイル式に比べて冬場でも固くなりにくいという特徴があります。が、いかんせん高い。。。雑に扱うとギアが破損しやすい言われていますが、ウチのは8年使ってますが未だ快調です。
ちなみに雲台がいいと、600mmレベルの超望遠でもこれくらいの精度で被写体を追いかけることができます。練習は必要ですけど
とにかく滑らかにパンしたいというなら、ここに金をかけるべきかなと思います。
超望遠域で綺麗に始動、停止させるのであればカウンターバランスが調整できるタイプじゃないとやはり厳しいです。最近は海外メーカーからも非常に安いビデオ雲台が出ていますが、それらはカウンターバランスが無いものという認識です。
カウンターバランス付きの雲台はそこそこ値段がするので多くの人にとって躊躇するところですが4キロまでの機材でよいならば、NH10は比較的安いので以前おすすめした事があります。
専用のカメラバッグ
必須度(動画):★★★★(4point) / 必須度(スチル):★★★★(4 point)
移動撮影をするのであればカバン類は必須でしょう。ただ、SDカードを入れたカメラボディとレンズ一本を収納して移動するなら専用のカメラバッグじゃなくてもOKですので星4つとしました。
ですが、ガッツり屋外や移動先で撮影するのであれば専用のカメラバッグじゃないと厳しいと思います。
私のお気に入りはマンフロットのPRO Lightバックローダー Mですが、すごく使いやすく愛用しています。コスパもよく16インチPCも入る。出張にもコレ一個で行きます。
また、業務で機動力超重視で走り回る撮影する際に使っているバッグはこれです。実際には小型ミラーレスにレンズ一本入れるとあとはバッテリーとスマホくらいしか入りませんが、片手にレンズ+カメラを持ちつつこの中にレンズ一本と撮影小物(フィルター数枚、ブロワー、予備バッテリー、スマホ)を入れるスタイルです。
あくまでカメラ本体を収納しない前提だとすごくちょうどいい。値段も2000円台。コールマンのロゴは要らんけど。。
リグを組んでそのままカメラバッグに入れたい場合はコレを使っています。
とにかく、カメラバッグは用途に合わせて複数持っているのがベストです。長時間の移動がある場合や撮影機材の量を考慮して選んでみるといいでしょう。大は小を兼ねますが機動力を失われては本末転倒なので。
リグ(ケージ類)
必須度(動画):★(1 point) / 必須度(スチル):☆(0.5 point)
上記必須度としましたが、撮影スタイルによっては必須なケースはもちろんあります。
こんなにゴテゴテにするケースは稀ですが(Nikon Z8)
各種周辺機器やハンドルを取り付けて撮影する場合などはケージにカメラを組み込んでロッドやらハンドルやら大容量バッテリーまで組み込んで撮影に臨むケースもあります。ですが、これも他の機材に比べると必須度は低いと言えるでしょう。
ケージはコスパの良い定番SmallRigが有名ですが、私の場合、最近はFALCAM製品を好んで使っています。
瞬間的に変化(へんげ)できるFALCAMは非常に楽
どんだけ楽かはこれを見ていただけると分かると思います
SONY αシリーズやFXシリーズももちろん販売されています。
このケージのいいところは、各パーツ類をネジ締め無しに着脱できるところです。一度使うとそのありがたさがよくわかりますが、逆にFALCAMのパーツ類を使わないのであれば魅力が半減します。どうせ揃えるならFALCAMで、という感じでFALCAM沼にハマるのもありです。
外部レコーダー/外部モニター
必須度(動画):★(1 point) / 必須度(スチル):☆(0.5 point)
外部レコーダーは動画のRAW記録や高品質コーデック記録を行う場合に用いるものですが、普通は(特に初心者の方には)不要です。
最近はProResRAWやBlackmagicRAW収録対応のカメラが発売されていますので、それらと組み合わせることによってRAW収録ができるようになりますが、通常運用すると機動力が低下します。ですが、得られる映像やグレーディング耐性も高いので、場合によっては必須のケースもあります。ちなみに、スチル撮影の場合は外部レコーダーの意味をなしません。あるとしたらカメラ系Youtuberが撮影している状況説明するためにカメラの画面キャプチャするために使うとかでしょう。
LUMIX GH6 + Blackmagic Video Assist 12G HDRで外部RAW収録した映像
外部モニターに関しては、動画撮影を業務でおこなっている方は必須なケースがあります。マニュアルフォーカスでのピント合わせが確実になりますし、小さなモニターで映像を確認するよりもはるかに気付きが多いからです。また、クライアントに映像を見せると言うこともあり得ます。スチル場合の業務仕様の場合はテザー撮影でPCに転送するという使い方の方が理にかなっていると思いますので、スチルでの必須度は低いと思います。
ちなみに小型の外部モニターの定番はSmallHDですが、めちゃめちゃ高いので未だに買ったことはありません。。SDIいらないのでもうちょっと安いモデルがないかなと
私が普段使う外部モニターはこちらになります。正確にはこれの前モデル。
外部マイク
必須度(動画):★★(2 point) / 必須度(スチル):ー(0 point)
ミラーレスカメラに搭載するマイクで、界隈で評判が高いのがAputureの音響ブランドのDietyから出ているD4 Miniです。音質のよい単一指向性マイクでロケ撮影に向きます。
というか、友人の照山さんがこのマイクをよく使っているのでコレに乗り換えようかなと思っているところ。
というのもメインで使用しているMKE600はカメラのホットシューにマウントすると先端がかなり前に出るからです。
その場合、超広角レンズを使用すると、画面上部にマイクの先端が映っている。。ということが結構あります。さらにMKE600はXLRユニットを使わない場合は電池が必要な部分もちょっと面倒ですので、どうしても必要な時以外は使わないマイクです。
一応カメラにもマイクな内蔵されているので星は控えめにしました。
定常光(LEDスタジオライト)
必須度(動画):★★(2 point) / 必須度(スチル):★★(2 point)
屋外撮影でスナップシュートする人なら不要ですが、ブツ撮りやYoutubeの自撮りするなら、定常光あったほうがいいです。スチルの場合は昔はストロボ光じゃないとダメという風潮でしたが、LEDライトを使う人が増えています。というか、定常光の方が光を読みやすいので扱いがストロボよりも簡単ということが言えます。
自宅撮影であれば、FC-60Bが一灯を天井にバウンスしてしまえば、いい感じに映ります。というか、これを含めてほとんどのLED照明は演色性が高いので非常に美しく写り(映り)ます。
150Bも所有してますが、自宅で使うなら60Bで十分なのでほぼ使った事がないです。。
また、先日のInterBEEでプロ機材ドットコムの森下さんから、これ使ってみて!と頂いて帰ってきたAPAROのフルカラーエアチューブライトがあるのですが、コレが予想外によかったです。重量300gでバッテリー内蔵で超軽量LED照明ですが空気で膨らませるタイプで適度に光が拡散されて柔らかい照明となります。(プロ機材.COMの方のリンクを貼っておきます)
USBで充電できて災害時にも役立つかと思います。
ストロボ
必須度(動画):ー(0 point) / 必須度(スチル):★★★(3 point)
ストロボは動画撮影で使うケースは演出くらいなので基本必須度はゼロですが、スチルの場合は必須度はそれなりにあると思います。ポトレ撮るなら必須でしょうけど風景撮りにはほぼ必要がありません(雪の日の前ボケ撮影とかは必要だけど)。
まぁ、メーカー純正が安心かもしれませんが、私はこの分野にほとんど金をかけてないのでGodoxですがTT600を3つ所有しています。どうせマニュアルでしか調光しないし、劣化しやすく壊れやすい機材なので安くていいか。。という考えです。お値段安ければ8000円程度の激安ストロボですが、「これでいいや」いう人は結構多いと思います。
これにコマンダーをLUMIX/NIKON Z用に所有しています。
Godox TT600を使ってのスチル撮影のメイキング映像&作例
ストラップ
必須度(動画):★★★★☆(4.5 point) / 必須度(スチル):★★★★★(5 point)
ストラップはほとんどのカメラでは付属のものが付いてきます。中には付いてこないケースもありますが。必須度は高いですが、付属のものを使えばいいのでここに金をかける必要はありません、
ですが、ストラップは私はメーカー純正のものではなくOP/TECH USAのストラップ一択です。ネオプレン素材で適度に伸びるため体にフィットしやすく、重さというか圧が分散されやすく重量を感じにくいのです。
健康器具の宣伝文句みたいですが、これ以外のストラップだと肩こりします。。。
動画の場合で必須度を少しだけ落としたのはランアンドガン撮影ではストラップをつけずにハンドストラップだけで運用するスタイルが多いためです。
コネクター類
必須度(動画):★★★☆(3.5 point) / 必須度(スチル):★★★(3 point)
ストラップとカメラを簡単に取り外すためのパーツです。
これもスタイルに依りますので上記ポイントは私の独断です。そもそもアンカーは動画の場合は必須度がスチルよりも高いです。ジンバルに乗せたり、リグを組んだ場合などはストラップを外したりと、動画撮影の場合は撮影現場によってスタイルが変化します。むろんストラップを一日つけたままというケースもあります。
いろんな撮影スタイルに変更することを考えると、やっぱりアンカー類は便利です。以前はピークデザインが非常に人気でしたが、ネジれ対策ができないので、最近はもっぱらPGYTECHこのタイプのコネクター(クイックビーズコネクター)を使っています。
ただし、以前からAmazon Japanでの単体入手はほぼできないです。アリエクだと安価で入手できるので補充しようかと思うけど、なぜに日本では手に入りにくいんでしょ。。。
https://ja.aliexpress.com/item/1005007624531237.html
FALCAMからも似た思想のものが出ています。
これら二つはオスメスの間で勝手に回転する機構なのでストラップが気づいたらネジれてたということがありません。勝手にネジれが解消する機構といえばいいのかな。。
ネジれてもOKならみんな大好きPeakDesignのアンカーリンクス一択となりますが、パチモンが多いので要注意です。
三脚予備プレート(アルカスイス、マンフロット)
必須度(動画):★★(2 point) / 必須度(スチル):★★(2 point)
結構なを所有していますが必須かと言われるととりあえず1枚あれば事足りるので必須度は下げています。
カメラの数が多かったり、サブ機を持ち歩くようになれば必須度はあがります。まぁこの手のパーツは長年撮影している人はしらないうちに増えていっているのでは?
ネジ類、レンチ類
必須度(動画):★★(2 point) / 必須度(スチル):★★(2 point)
多くのパーツを揃えるといざというときに何らかのネジが必要となります。
あれどこいったっけ?とならないようにパーツは分けて管理はしていますが、それでも探す事が多いです。以下のようなセットがあると便利かと思います。絶対使わないやつありますが。。。
カメラ機材が増えてくると必須と言えるのが六角レンチです。何せ各種パーツは六角ネジで止めるケースが多いからです。撮影先でネジが緩んだということが無いようにカメラバッグには必要最低限の六角レンチを入れておくと良いかと思います。個人的には必須アイテムです。
他にも防湿庫など他にも何か書き忘れている気がするので、そのうち追記します。ではでは
自己紹介
筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。