とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

2008年から現在まで動画性能に特徴のあるカメラを振り返る その3「一眼動画過渡期(4K機登場前夜2)編」

前回までの2回で、2012年までの動画に特徴があるカメラ、もしくはその後のミラーレスカメラの布石となったカメラについて紹介しました。

正直、このペースで書くと2024年現在編に到達するのはあと12回くらい記事を書かないといけない様な気もします。時間があるときに更新していきますので長い目で見ていただければと思います。

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2013年が本当の4K前夜

勿体ぶるようですが、一眼動画が4Kで撮れるようになったのは2014年からの事ですが、その前年2013年のカメラについて書いてみます。

BlackmagicDesign BMPCC(初代ポケシネ)

BMPCC4Kは有名な機種ですが、その前に初代BMPCCが発売されたのが2013年です。

そのフォルムは非常に洗練されていて、それまでのカメラの見た目とは全く違うものです。(割とNEX-5Nと通じる部分もなくはないですが、非常にスマートな見た目でした)

私も人から借りて1週間ほど使った記憶がありますが、そのスマートな見た目と裏腹に、使い勝手は非常に悪かった記憶があります。
そもそもバッテリーが全く持たないという点はその後のBMPCC4Kでも同じなのですが、とにかく撮影するのに苦労した記憶だけはあります。でも具体的に何に苦労したのかはの記憶までは無し。。。

とは言え、このカメラはSuper16mmとは思えないほど美しい映像が撮れたのは間違い無いです。Super16mmは1インチセンサーよりも小さいセンサーですので当時のテクノロジー鑑みると高感度特性やダイナミックレンジの他のカメラに対して優位性はあるはずはないのですが、なんか綺麗に撮れた気がします。

これは当時の印象の話ですので、今使ってみたら「所詮Super16mmよねぇ」となるのあもしれませんが。。。

私のYoutubeチャンネルには一本だけBMPCCで撮影した映像が残っていたので貼っておきます。

余談ですが、電動式のスタビライザー(通称:ジンバル)にハマりだしたのもこの2013年です。当時の映像を見直すととにかくジンバルで撮らないといけないという意識があったようです。

スペックを改めて書くと

レンズマウントマイクロフォーサーズ
有効解像度:1920x1080
コーデック:CinemaDNG RAW  、ProRes 
フレームレート:23.98p、24p、25p、29.97p、30p
有効センサーサイズ:12.48mm x 7.02mm
ダイナミックレンジ:13ストップ

となります。実際に13STOPもレンジが有ったのかというとかなり怪しいですが、DNGで撮れるのとProResが撮れるという点は当時の(一眼系)カメラには無い特徴であり、ProResとRAW記録できるという点だけでも非常に魅力的なスペックだったと言えます。

当時の販売価格は12万円ちょいだったと思いますが、今のカメラ事情を考えるとものすごく安いですし、当時の動画カメラ市場を考えても安いものでした。

発売後、いつだったか覚えていませんが、とんでもなく安いセールをしていた時期もあったと思います。

初代ポケシネはリアルにポケットに入るカメラでしたが、実は今でもメルカリとかでは10万円とかで取引されているカメラです。

ちなみに当時私がBMPCCの使い手として憧れだったAMON氏のチャンネルを紹介します。最終更新は6年前ですが、BMPCCで撮影された多くの動画は今も視聴することができます。(動画へのリンクが許可されない設定だったため、直接アクセスしてください。)

尚、AMON氏はDNGを写真の現像ツールで現像して、連番で書き出して動画を作るなど涙ぐましい苦労をしながら動画制作していた一人です。ここにも似たことをした人がいますが、私は彼ほどにストイックになれませんでした。毎度、「すげーよAMONさん」と思った次第です。

SONY α7

世界初のフルサイズミラーレスがSONY α7です。その発売は2013年11月。
当初Eマウントではフルサイズに対応することが不可能。という意見が多かったものですが、その予想を覆して登場したのがこの機種です。


このカメラはライカレンズなどの母艦カメラとして購入する人が多かったイメージですが、このカメラに飛びついた人たちから出てきた意見は、特に広角レンズを使うと周辺の色がおかしくなる。という意見でした。オールドレンズはテレセン性が悪い一方で、このセンサーの斜入射光特性が悪く、結果としてレンズによっては周辺像や発色(派手なマゼンタ被り)がおかしくなる症状が頻発したという理解をしています。

また、マウント部の強度が足りず、当時は結構炎上した記憶があります。

とは言え、その後のα7シリーズの快進撃はみなさんご存知の通りかと思います。

ざっくりスペックは下記の通り

レンズマウントソニーEマウント

撮像素子:35mmフルサイズ(35.8×23.9mm)、"Exmor"CMOSセンサー
カメラ有効画素数:約2430万画素
動画記録方式:AVCHD: MPEG-4 AVC/H.264、MP4: MPEG-4 AVC/H.264
1920 x 1080(60p, 28Mbps)

実はこの機種は私は全く触れたことが無いので、実際の動画性能や画質がどうだったのかを把握していません。

というか、これで動画を撮っているという人は(国内では)ほとんど見受けられなかった様に思います。

しかし、初代α7の登場から10年以上経っていますがフルサイズの普及機は今も昔も2400万画素のままであるというのは意外な話です。

 

さて、これまで3回にわたって当時の記憶を呼び起こしつつ書いてきたわけですが、いよいよGH4の登場です。ここまで来れば記憶もそこそこあるのでまた色々書きたいと思います。

ではでは

 

自己紹介

筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

 

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