sumizoonです。
撮影するカメラにはそれなりに拘りがある一方で、スマホでもどれだけの映像が撮れるのかってのが試したくなるしょうもないビデオグラファーなsumizoonです。
いや、スマホってバカにできないんですよね。そもそも高価なミラーレス一眼が未だに4K60pを達成していない一方でiPhone8とかiPhoneXでは4K60pが撮影できてしまうとかっていう状態ですし、明るい条件の中であればぶっちゃけその映像がン十万のカメラで撮影されたものなのか、iPhoneなのかは浅い被写界深度の観点以外は分からないと思います。
※スマホや小型センサの読み出し速度が速いのには理由があると思いますがそれは文末に勝手な推測を書いておきます。
私がスマホ撮影に必ず使用している道具をご紹介したいと思います。それは
これ、何回か動画でも説明したクリップ式の可変NDフィルタです。スマホは当然のことながらレンズ前にネジが切られていませんので、こういったタイプの可変NDを使用して光量を調整します。これを使ってシャッタースピードをコントロールすることで動画のクオリティを向上させることが出来ます。
1でZOMEI3 クリップは、プロのCPL+フィルタ+ ND2-400 NDフィルターフェーダーキットiphoneサムスンのスマートフォン+ WINGONEER LEDが点灯して閉じます
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なぜ光量を調整してまでシャッタースピードを固定しないといけないのか?って方はすいませんが、また機会があったらこれに関して詳しく掘り下げたいと思います。気になる方は「モーションブラー」と言う単語でググってください。
要は、これを使わないとたとえISO感度を最低に落としたところでシャッタースピードはあがりまくってしまい、日中のスマホ撮影では安っぽいパラパラした映像になるという事です。そもそもスマホのレンズはF1台の明るいレンズが一般的なのでたとえISO25とかの設定で撮っても日中は1/100以下に落とす事自体が無理なんですよね。。。。
で、このフィルタがあれば動画に適した1/50~1/100程度にシャッタスピードを落とすことが可能です。注意してほしいのはカメラの設定は基本ISO感度は低く、シャッタースピードは1/50~1/100に設定した上で上記可変NDをクルクル回して最適な露出に設定するという事です。ここらへんの撮り方はある意味「慣れ」だと思いますし、これに慣れないと結局カメラ任せの映像から脱却することはできません。(て、偉そうな事を言えた立場じゃないですが。。。。^^;)
慣れればなんて事のない撮影方法ですし、ここらへんの撮り方に関してはスマホであろうが一眼であろうがシネマカメラであろうが基本は同じだと思います。
で、これを使ってiPhone8 Plusで撮った映像がコレになります。
下手に一眼で撮った映像よりも上手く撮れたんじゃないかとは思います。
尚、iPhoneもAndroidもISO感度やシャッタースピードを固定して撮影するには標準のカメラアプリだとダメなケーズがほとんどです。
あたりまえですが、スマホ(の動画撮影機能)は誰でもそこそこ綺麗に映せるようにソフトが出来ており、ISO感度もシャッタースピードもインターフェースには表れない様にしていることがほとんどです。ただ、そこが設定できないとある一定以上のクオリティが出せません。
で、結局何を使うかっていうと
Filmic Proという動画撮影に特化したアプリを使う事になります。
https://www.filmicpro.com/filmicpro/
そこそこ値段はしますが動画に特化しているだけの事はあります。
これに関しては別途記事にしたほうが良いかと思うくらい機能がてんこ盛りです。
当然の事ながらISO感度もシャッタースピードもマニュアルで撮影することが可能です。
※ただし、安定感はイマイチなんですよね。よくアプリが異常終了するのでお仕事で使うって方はサブのサブとして使うか、やめた方が賢明だと思います。
一応、これに関しては過去に動画で説明をした事があるのでご覧いただいた方が早いかと思います。
ざっとまとめますと、
①FIlmic Proを使ってSSを1/60に設定する(30p動画撮影時)24p時は1/48に設定
②ISOは最低感度付近(ISO25から上げても50まで)とし固定する。
③この状態で可変NDを調節して露出を自分の好みに設定する。
それ以外にはあまり難しい事はしていません。
尚、iPhoneと動画の名機GH5を混在させた映像がコレになりますが、どれがiPhoneでどれがGH5なのかはぱっと見わからないと思います。
[4K]iPhone8 PlusとGH5のカットを混在させてみる。〜innocent phantom〜
注意してほしいのはいつでもどこでも可変NDを使えばよいかというとそうではありません。夜や室内撮影では暗くなりすぎて逆にシャッタースピードを上げないと撮れない場面があります。その場合は可変NDを使ってはいけません。ご注意を。
わけもわからずNDを使ったら綺麗に撮れるというわけではありません。ちゃんと頭の中でISO/シャッタースピード/絞り(スマホには無いですけど)の関係を理解した上で撮影したほうが面白いですし確実にクオリティがあがります。
とまぁ撮影準備に関する話は以上です。あとは実際の撮影では小型のスタビライザとかつかってますが、そちらはまた別途紹介したいと思います。
[iPhone/Smooth4/filmicpro] World Heritage Kyoto -Daigoji Temple-
ちなみに私がスマホで使っているスタビライザーは下記のものになります。
ZHIYUN Smooth 4 スマートフォン用3軸手持ちジンバル スタビライザー 3軸 スマホ 電子制御 垂直&水平撮影 手ブレ防止 iPhone/Android対応 日本語取説付属 (ブラック)
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※余談ですが、そもそもミラーレスカメラなどに搭載されている撮像素子(イメージセンサ)はその大きさ故に発熱量はもとより回路の動作速度を上げにくい性質があると思います。私の拙い知識だと半導体素子の速度の一部はトランジスタ同士を接続するための配線の寄生抵抗成分Rと寄生容量成分Cに依存しており、その依存度はイメージセンサでは寄与度が高いという認識です。遅延成分はRとCの積つまりRC値で決まっておりざっくりフルサイズとAPS-Cの一行あたりのRC積は2倍以上になると想像できます。RもCもざっくり1.5倍と考えるとですけど。
世の中のCPUはプロセス世代を進化させると配線とトランジスタのサイズが小型化されて速度、電力性能が向上する傾向にありますが、イメージセンサはイメージサークルの縛りからサイズを小型化することが出来ず、半導体プロセス進化の恩恵に預かれないというのが性能向上をする上での最大のネックだと容易に想像できます。
つまり単純に考えるとAPC-Cに比べてフルサイズで同じ読み出し速度を出すには倍の苦労があるということなのだと推測しています。。マイクロフォーサーズやスマホカメラの方が読み出し速度を向上させやすく4K60pを先に達成できているのは当然ちゃ当然の事と言えますが、逆にフルサイズで4K60pの動画を撮れるようになるには相当なブレイクスルーが必要なのだと素人ながらに思っている今日この頃です。なんのこっちゃ。。。