「熱暴走」という言葉(単語)。これ、言葉だけの問題という様に思われるかもしれませんが、その字面と実際の動きはだいぶ異なるので、発信する側の人は気を付けた方が良いと思う言葉です。
特に、一昨日からYoutubeとかネット記事を見ると、やれ
EOS R5の熱暴走ガ―
とか書かれてますが、そもそも熱暴走では無いです。Youtubeとかでは熱暴走!とかサムネに書いていたら再生数が稼げるんでしょうけどね。。。
最近ではこの誤用は慣れつつありましたが、それでも敢えて書いてみようと思います。
https://cweb.canon.jp/eos/lineup/r5/
前回の記事
ちなみに前回の下記記事の反響の大きさにちょっと驚きました。
Smartnewsで配信された関係から、おそらく一日としては過去最高の閲覧数を記録していたと思います。
EOS R5の注目度はそれだけ大きいという事なんでしょうね。
そもそも熱で止まるとは
そもそも多くのデジカメが熱による動作停止を行うのは、「動作の適正温度を管理している中で、ハードの故障・信頼性劣化と火傷などのリスクが発生する可能性があるためハードウェアを停止する。」という目的の為なはずです。
なので暴走でもなんでもなく、想定した動きなはずです。その停止までの時間が短いというのが問題視されているわけですが、前回も書いたようにちょっと過剰反応しすぎ感はあります。もちろん長尺ものの撮影では話にはなりませんが、スナップ的な撮影や細切れな撮影であれば当然実使用上問題ないと思います。
以前、とあるメーカーの方に伺ったところ、熱停止の主な要因はハードの故障や信頼性劣化リスクよりも、ユーザー側に対する火傷の配慮の方が優先されるという言い方をされていました。
思えば半導体は80度以上でも動作保証できるくらいですので、ハードの動作限界ギリギリまではまだまだ大丈夫だけど、ユーザー側に危険が及ぶから停止させる。というという理解をしています。メーカーの思想や設計の状況にもよるでしょうし、一概にコレがすべてに当てはまるとも思えないですが。
熱暴走という言葉の意味
さて熱暴走という言葉をwikipediaで調べてみます。
熱暴走 (、英: thermal runaway)とは、化学や回路設計の分野で用いられる用語で、発熱が更なる発熱を招くという正のフィードバックにより、温度の制御ができなくなる現象、あるいはそのような状態のことを指す。
これ、完全に電子回路が制御不能に陥った時の言葉であるというのがお分かりかと思います。
じゃあ、海外のサイトが報じている様にオーバーヒートという表現が正しいのでしょうか。
オーバーヒート
パソコン等のコンピュータにおいて、高クロック周波数での稼働などにもかかわらず相応の冷却ができていなかった場合などに、内部の温度が高まり、ソフトウェアの異常動作や異常終了、最悪の場合はOSのハングアップ(フリーズ)や再起動を引き起こす場合がある。この現象は、「俗に」(電気電子工学の専門用語としての「熱暴走」とは異なる)熱暴走と呼ばれることがある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%88
うーん、これもちょっと違うかも。でもニュアンス的には熱暴走よりも正しいのは間違いないです。確かに適正温度を上回るという意味合いからしてオーバーヒートというのは正しいかもしれませんね。
なので、ウチのブログでは温度上昇に伴う安全停止という意味合いで「熱停止」という言葉を使っています。これが一般用語ではないという認識ですし、もうちょっと適切な言葉があるかと思います。なんという言い方が適切なんでしょうかね。コメントありましたら是非。
とにかく熱暴走と書くと、コイツわかってねーなと思われしまうので、その単語は使わないほうがいいです。そして本当に熱暴走するカメラあったらバッテリを抜きましょう。
筆者:SUMIZOON
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