さて、先日2023年9月13日に発表になったG9PROIIについて記載してみたいと思います。
私自身、今回のLUMIX G9PROIIのプロモーションの一環として近く公開される記事を書かせていただきましたので、そちらも併せてご覧いただければと思います。
ホントはこの機種スチル機なので、スチルに関しての紹介をしたいとこですが、それはまた時間のある時にでもm(__)m
スチル機になぜこれほどの動画性能を持たせたのか
さてG9PROIIはスチル機と言う触れ込みで発表されていますが、実はあの動画とスチルのハイブリッドフラッグシップ機LUMIX GH6とほぼ同性能のスペックでの動画撮影が可能です。明らかに動画記録を前提としているであろうUSB-C接続の外部SSD。それによる高解像度ProRes422HQ記録、クロップや画素混合の無い高解像度の4K120p撮影とか、H.265による内部5.7K記録、アナモフィックレンズを使用した際に適した5.8K 4:3画角撮影。それらは全て10bit記録です。(一部8Bit撮影も可能)。また、フォーカストランジションやスポット輝度メーター、シャッター開角度表示など、G9PROIIではGH6と同じ機能を持たせています。
では、全てにおいてLUMIX GH6と同等性能なのかというとそうではありません。代表的なものに空冷ファンが無い点が挙げられます。なので、ライブ撮影とかで長時間動画を連続撮影するなんて言う使い方には向きません。
とは言え、短いクリップを撮影する使用方法においてGH6とほぼ見劣りする部分はほぼありません。ほぼ、と書いたいのはGH6は記録メディアがCFexpress + SDカード、G9PROIIはSDのダブルスロットだからです。これによりG9PROIIでの高解像度ProResはSSDを使用した記録に限られます。とは言えですよ、動画性能がここまでモリモリなのはなぜでしょうか。
私なりの想像で書いてしまうと、削る理由がなかったから。おそらくエンジンなどハードウェアの構成はGH6に近い構造なので、今更動画スペックを削った所でコストダウンは見込めないものと思います。その代わり空冷ファンなどは削減し、そこに高精度ジャイロなど別の機能を持たせた。そして高い手ブレ補正を搭載しつつ動画性能をそのままにした、と。
他にもTwitter(現X)では、GH7?GH6IIのテスト機としての役割があるのでは?と言った意見がありますがそういった側面はあり得ると思います。
過去にもヒエラルキー無視したラインナップ展開を行うことがありましたが、ある意味できる事は削らずに載せてしまえというLUMIXらしい考え方かなと思います。(ま、これはバッテリーが小さく放熱のしにくい小型のGX系やG100後継機なら話は違うとおもうけど、G9PROIIはバッテリーもGH系と同じ、放熱もそれなりに対策できるのでね。)
ただし、この機種に関して言えば、スペックはすごいが「熱停止させない」という思想めいたスペックに関しては排除されています。その点は理解して使う必要があります。
なので、「業務なのでどうんな状況にあっても止まってはダメ」、「趣味だけど絶対に撮り逃せない」という場にこのカメラで動画撮影を挑むのはリスクがあるというのは理解しておいた方がよいでしょう。
私の試した限り、23℃無風環境下で1.5時間は連続で4K30p(LongGPO)撮影できましたので30分とかの連続撮影なら熱停止するケースは稀ですが、それでも外気温が高い場合などは熱停止するリスクはあります。
GH6を超える画質
近く公開されるとある記事でもこの部分に関して言及しますが、高感度画質はGH6と同様ですが、G9PROIIの低感度はGH6の画質を大きく上回ります。静止画/動画のスタンダード等の通常プロファイルではISO100~800で、動画のV-LogプロファイルではISO2000以下でその画質は明らかに異なります。
以下は-4EVの状態で動画撮影したものをDaVinci上で+4EVリカバーしたものです。
GH6はダイナミックレンジブーストが使えないISO250の場合であり、G9PROIIはダイナミックレンジブーストが有効になっている状態なので、双方を比べるのは意地悪なのは承知の上で記載します。ダイナミックレンジブーストが低感度で使えるG9PROIIはGH6に比べて大きく低感度画質が改善しています。
これは動画に限った事ではなく、スチルでも同じ事が言えます。
作例
これは、G9PROIIを先行的にお借りして1カ月ほど動画と撮り貯めた映像を繋げたものです。ProRes記録や4K120pを織り交ぜて映像を作っています。前半は4K120pが実現する高画質で印象的なスロー、後半はProRes記録が実現する目に刺さる様な高解像度映像のポテンシャルを感じていただけるのでは無いかと思います。
こちらはG9PROIIのハンドヘルド撮影で走った場合の映像です。
今までのミラーレスカメラの手ブレ補正とは別次元の補正効果が分かるかと思います。ちなみに電子手ブレ補正(動画):強の設定です。
こちらも同様に電子手ブレ補正(動画):強の設定で撮影した夜の映像です。アクションカムで見られるような電子手ブレ補正でありがちなブレは見られません。
尚、電子手ブレ補正には二段階のレベルがあります。「標準」では周辺の像の歪みはありますが、「強」は周辺像の歪みは全く無くなる一方でクロップファクタ―が1.25倍となります。故にセンサー全域を使った最高画質からは少し劣りますが、これだけの補正を見せつけられるとたとえクロップされたとて使いたくなるものです。
像面位相差がもたらした思わぬ副産物
こちらはサブチャンネルに投稿した映像です。そもそもLUMIXには20mm F1.7という銘玉が存在します。ですが、その20mmはスチルのAF-Cでは動作しません。正確には「G9PROII以前までのボディでは動作しません」でした。
ウォブリング動作を繰り返す従来のLUMIXではモーターの負荷が大きいからなのか、コントラストではAF-C駆動させる事ができなかったのかはわかりませんが、実はG9PROIIではAF-C動作します。これはG9PROIIが像面位相差になったタイミングで仕様が変わっているので明らかに像面位相差がもたらしたものでしょう。
そのエビデンス動画となります。
マウントアダプター経由で快適AC-C動作する日も近い?と期待させてくれるのがG9PROIIのAFです。所有しているViltroxのアダプタと友人の照山さんからお借りしたSpeedBoosterの両方を試しました。
現状は全く問題なく使えるわけではなく、動画のAF-C運用にはいろいろ問題があります。ですが、これはもしかするともしかするかもしれません。
とにかく、EFレンズは世の中に多くあるわけで、それらがAF-Cで快適に使えるとすると画期的です。ホントはもっと前にやってほしかったやつですが。。。
G9PROIIが発表になったにも関わらず、このブログの更新ができずにすいませんでした。いや、いろいろ本業が忙しい中で、記事書きや撮影のスケジュールとかでパンパンでして、なかなか時間が取れず。。。。私サラリーマンなんでね。。。
筆者:SUMIZOON
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人