いや、私自身不定期にしかYoutuberに動画をアップしない気まぐれな人なのでこういったタイトルをつけて記事を書くのもどうかと思ったのですが、動画初心者の方向けにちょっと書いてみたいと思います。
完全に10bit化されたMOV
まず、記事を書くきっかけとなったのは色々あるけど、TwitterやWEBニュースを見ていて気になった部分は下記のようなものがあります。
・GH6はYoutuberをターゲットにしたカメラだ。
・GH6はYoutuberに最適だ
2ヶ月近くGH6の試作機を使ってきた意見を書くと、GH6はYoutuber向けと言うよりも、GH6は画質にこだわるクリエータ向に振ったカメラだと思います(そりゃそうだわな)。
もちろん、GH6は初心者Youtuberからガチの映像制作者まで幅広く使う事ができるカメラだと思いますので上記の様なニュース記事の見出しでも間違ってはいないと思います。でも、「動画撮影や編集を今までしたこと無いけど、動画に強いGH6を買って今日からYoutube始めるぞ!」と言う方に陥って欲しくない事、注意すべき点があります。(上から目線ぽくてスマヌm(_ _)m)
まず、初めに「GH6で撮る動画は非常に美しい」と言う点は以前にも書いてきた通りです。ですが、GH6を訳もわからず導入すると少なくとも設定次第では「怪我をする可能性がある」と言う注意喚起をしておきたいと思います。
ではなぜそう思うのか、対策はどうしたらいいのかについて少し書いてみます。
ほとんどが10bitコーデックである
MOVの場合
まず、コンテナがMOVの場合(メニューの「記録ファイル方式がMOV」)は全てのモードで10bitコーデックとなります。10bitは豊富な情報量を持った映像が撮影できる点では素晴らしいものです。特に撮影後に素材の色味を触りたい「カラーグレーディング」においては必須のものです。ですが、撮って出しを前提としているYoutuberの方がこのコーデックを何も考えずに選択してしまうと「マトモに編集できない or 編集が重くてシャレにならない」事態を招きかねません。なので、編集に自信がない方はいきなりMOVで重要な動画を撮影すると非常に危険です。
これはGH5を初めて導入した時に私を含めて多くの方が「10bitだぜウェーイ」と調子をこき撮影し、編集時につまづいた点です。
最近10bit化されたα7SIIIの素材でも同じ事思いをした方が多いと思います。「よくわからんけど5.7KとかLog撮影ってすごいらしいぜ!それなら5.7K 10bit 60p V-Log一択じゃん! PC?最新のドンキPCだけど?なんか問題でも?」と言う方が出てきても全然不思議ではないのです(スマヌ、ちょっと極端な例です)。
コンテナがMOVの場合FHDも含め全てが10bit
近年のPCの性能向上によって割とサクサクと10bitファイルは扱えるようになったものの、それでも8bitのH.264ファイルに比べたら編集時の負荷はかなりかかります。特に4Kの10bit編集をするならパワフルなマシンで編集するに越したことはありません。
また、後半に述べますが無償版のDaVinciを普段使っていると言う方は要注意です。そもそも編集自体ができません。
MP4の場合
4K30p/24p、FHD60p/30p/24pは8bitのモードを選択することができますが、4K60pは強制的に10bitフォーマットとなります。つまり4K60pを能力の低いPCで編集したいと言う方にとってはGH6はあまり優しいカメラではありません。
ですが、一応「ド定番」の下記のモードはちゃんとあります。
FHD 60p 8bit 28Mbps
FHD 30p 8bit 20Mbps
FHD 24p 8bit 24Mbps
無論GH6の画質の良さはこのフォーマットでも感じ取ることができます。極端に低スペックのPCで編集するのであれば、上記を選択するのが無難です。でも、どうしても「俺はPCのスペック低いけど4Kが撮りたいんじゃ!」って方は
4K 30p 8bit 100Mbps
4K 24p 8bit 100Mbps
を選ぶのが良いかと思います。(GH4から多くのLUMIXで搭載されているコーデックです。私はGH4の時代にMacMini 2012で同モードの動画を編集していました。我ながら我慢強かったんだなと。。。)
とにかく8bitで編集するのであればMP4で撮ると言う選択肢しかありませんので、そこらへん理解して使いましょう。繰り返しになりますが、GH6の映像の素性の良さはMP4の8bitモードでも感じられるはずです。
とはいえ、GH6の性能はこのMP4では発揮しきれていません。言わば50km/hのリミッターが付いたレーシングカーの様なもの。性能の良さは感じるものの、その真価は300km/h オーバーの領域にあるのです。(なんじゃこの表現。。w)
10bitデータを扱うには
定番のAdobe Premiere / Apple FCPX(FCP)ですが、こちらは10bitファイルは問題なく読み込み編集が行えます。問題はDaVinci Resolveです。DaVinciの無償版は10bitファイルが出来ないどころか読み込みすら行えません。(ProRes422/422HQは可能なはず)なのでH.264/H.265の10bitファイルをDaVinciで編集するなら有償版が必要になります。ぼちぼち無償版でも10bitファイルの編集が出来るようになったらええのにと思わんでもない。
カメラは手段であって目的ではない
概念的な事を書いてみます。
Youtuberのほとんどの方はカメラに対する設定云々よりもコンテンツの内容自体を重要視されるでしょうから簡単に撮れれば十分であるはずなのです。
カメラを使う上でカメラ設定の仕方に詳しいに越した事はありませんが、車の運転をしている人がエンジンや車体の構造、トラブルがあった場合の詳細な対応方法を多くのドライバーが知らないのと同様です。カメラは道具であり、詳細にその構造や設定を理解しておくと言った事は、基本的に必要が無いのです。
カメラは写真や映像を撮るための手段であって、それ自体が目的ではありません。ですが、いわゆる撮影モードによっては撮影・編集に慣れていない方がいきなり使うと「やっちまった」と言う設定も出来てしまうと言う事をここでは書きたかったのです。
ではでは
筆者:SUMIZOON
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
↓よかったらチャンネル登録して下さいね~