こんにちはSUMIZOONです。
前回に引き続き動画撮影に向いているミラーレス一眼10選 を書きたいと思います。
ちなみに前回の記事(APS-C/マイクロフォーサーズ編)は下記になります。
で今回はお待ちかねの?フルサイズ編なわけです。
先に書いておきますが、フルサイズで動画を撮るってちょっとイレギュラーな事だと思います。明るい単焦点レンズを使って被写体に寄った映像を撮ろうもんならボッケボケの背景で何映ってるかわからん。という動画になりますし、絞る位であればAPS-C(Super35mm)やマイクロフォーサーズ使えばいいやん!となるからです。現に劇場公開される映画ってほとんどがSuper35mm(ほぼAPS-C)で撮られています。
それでも「たまに登場するカット」を使い極端にボケた映像を差し込むのにフルサイズは効果的ですし、センササイズに起因するダイナミックレンジはセンササイズが大きい方が有利です。
まぁ当たり前ですが被写体との距離によっては、例えF1.4で撮ろうとボケない映像も撮れるわけでして、そういう使い方をするなら、明るいレンズ+フルサイズの高感度特性を活かした「マイクロフォーサーズやAPC-Cでは撮れないクオリティの映像」ってのが撮れたりします。
相変わらず前置きが長くなりますが、私が思うフルサイズで動画を撮るメリットとデメリットについてまとめると以下になります。
フルサイズで動画を撮るメリット
ボケる映像を簡単に撮れる。
一般的に高感度特性が良い(S/Nが良い)。
ダイナミックレンジも広い。
フルサイズで動画を撮るデメリット
一般に読み出し速度(幕速)が遅い。
レンズがデカい(F値にもよりますが)。
故に、カメラ+レンズの総重量が重い。
被写体との距離、F値によってはボケ過ぎる。
レンズ、本体含めてコストがかかる。
望遠に弱い(フルサイズ画角で撮影する場合)
書いてて改めて思いましたが、メリットよりもデメリットの方が多いのです。ですので、デメリットを補うほどのメリットに価値を見出せる人はフルサイズを選べば良いとなります。よく、雑誌の記事やブログではフルサイズが選んどけば間違いない!なんて言葉が躍りますがそんな事は無いです。
フルサイズを選ぶ一つのポイントとして、「APC-Cやマイクロフォーサーズで撮れないような撮影するのが難しい限界領域で画質に大きな違いがでる」、「スポット的に使うボケボケの絵が撮れる」という所に私は価値を見出しています。
逆に言うと、普通に条件が良い中での撮影で被写界深度を揃った映像や写真を並べて見たら、それがフルサイズなのかマイクロフォーサーズで撮られたものなのかを見分けるのはプロでも難しいと言えます。特にポスト処理された映像なんて比べること自体が間違っていると思います。
これが前回書いたカメラなんてなんでもいいんじゃ?という言葉を使った一つの側面です。ちょっと極端ですけどね。もちろん、自分が価値を見いだせればそれを使えば良いし、私も使っているカメラには拘りがあります。でも、この記事を、「カメラの選び方がよくわからんのでリサーチするためにこれを読んでいる」としたら、ピンポイントに、これを選んだら良い!なんて無責任な事はちょっと書けません。フィーリングなんて人それぞれですし、それが価値を見出すポイントなんて人それぞれですしね。スペックが一番重要だ!っという方もいればU/I、サイズ、はたまたEVFに価値を見出す人もいるし一方ではファインダーなんかいらねーぜなんて人もいますしね。
結局、自分の価値感と向かい合って選んだらいいんじゃないですかね?という事です。
あぁ、また前置きが長くなってしもうた。。。てなわけで、フルサイズ編の3機種を書いてみたいと思います。
フルサイズ編
Nikon Z 6(2018.11.23発売)
一つ目はニコンのフルサイズミラーレスの2機種目であるZ 6です。
有効画素数は2450万画素、重量675g
実売価格211,500円(税込)※2019.8.20現在
このカメラは動画撮影で使われるケースはかなりレアだとおもいますが、このカメラの動画機材としての価値はこれから化ける可能性があります。というのも
にある様にNikonは外部レコーダー経由でRAW動画撮影を可能にするファームアップをリリース予定だからです。ここで言う外部レコーダーとはAtomos社製のNinja V(ニンジャファイブ)を指しています。Z6はHDMI経由でRAWデータストリームを出力、記録はNinja Vで行うというものです。ちょっと大げさになるけどフルサイズでRAW(ProRes RAW)で動画が撮れるというのは、魅力を感じる方が多いかもしれません。
一つ気になるのはProRes RAWというコーデックです。このコーデックはAppleとAtomosが共同で開発した新しい圧縮RAWフォーマットであり、NikonはこのProRes RAWフォーマットで撮れるということをアナウンスしています。一方で、世の中の動画のRAW現像を兼ねた動画編集・カラーグレーディングソフトの代表格、というかデファクトスタンダードはBlackmagic Design(BMD)のDaVinci Resolveです。つまりProRes RAWをDaVinciで現像したいというのがユーザーが真っ先に思いつく事でしょう。※FinalCutProX(FCPX)はProResRAWをサポートしていますが、FCPXでグレーディングするとかはちょっとあり得ないかなと。
しかし、そうは問屋が卸しそうもないです。そもそもBMDは自社開発のRAWコーデック(.BRAW)を搭載したカメラBMPCC4K、BMPCC6Kを販売しており.BRAWこそが優れた次世代動画RAWコーデックであると謳っています。そんなBMDのDaVinci Resolveが果たしてProRes RAWを現像するための対応を行うでしょうか?(行うかもしれんけどね)
既にProResRAWが発表になって1年以上経過しますが、DaVinciは対応する気配すらありません。(まぁ世の中にProResRAWのデータがまだほとんど無いってものあるけど)まぁ、ここはProResRAWがめちゃめちゃ普及したらBMDも対応せざるを得ないんじゃないかなと思いますので、それを期待するしかないかなと思います。
もう一つの可能性は、CinemaDNGが撮れるのでは?という期待です。Atomos Ninja VはProResRAWの他にCinemaDNGをサポートしています。CinemaDNGはRAWコーデックの一つでAdobeのRAWフォーマットDNGがベースになっています。そしてDaVinciはCinemaDNGをサポートしています。(というかBMDは過去多くのCinemaDNG出力カメラを作っていますしね。)Z6 + Ninja VでCinemaDNGが記録できれば、めでたしめでたしとなるのですが、さてどうなるやら。。。。。※尚、CinemaDNGは1フレーム1ファイルとなりますので30fpsの動画を10秒撮るならそれだけで300ファイル、仮に1時間のデータがあったとすると10,800ファイルというデータを扱う羽目になります。過去、結構CinemaDNG扱いましたが、ちとゲンナリする。。。。。
かなり、RAWに関しての記載ばかりになってしまいましたが、通常の4K撮影は144Mbpのハイビットレートで撮影が可能で4Kは30p/25p/24pに対応しています。また、その際はオーバーサンプリングによる全画素読みですので解像感の高い映像が撮れると言えます。また、FHDは120pまでの撮影に対応しておりスロー撮影が可能です。
良い点
外部出力でRAWを記録できる様になる(予定)
本体内で高いビットレートでの撮影が可能
残念な点
現時点ではProRes RAWに対応するとアナウンス
本体内部では10bit撮影が不可能
本体内部ではLog(N-Log)撮影が出来ない。
ボディ内手振れ補正が内蔵だがレンズとの協調動作が無い
XQDカードシングルスロット
どんな人向けか
とにかくフルサイズで動画を撮りたい人
ラフに手持ちで撮りたい人。
外部Rec前提にRAWを撮りたい人
既にNikonのレンズ群を持っている人(アダプタ経由で使用可能)
Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z7 24-70 レンズキット NIKKOR Z 24-70mm f/4S付属 Z7LK24-70
- 出版社/メーカー: Nikon
- 発売日: 2018/09/28
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z6 24-70+FTZマウントアダプターキット Z6LK24-70FTZKIT
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2018/11/23
- メディア: Camera
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SONY α7III(2018.3.23発売)
2機種目は言わずと知れたα7IIIです。
有効画素数は2420万画素、重量650g
実売価格185,665円(税込)※2019.8.20現在
今なお爆発的に売れ続けているα7IIIはスチルの世界ではその存在を知らない人はいないくらいのヒット商品です。特に値段が安く簡単綺麗に撮れるカメラです。
撮影はLogで撮ってグレーディングするよりもピクチャプロファイルのPP10 HLG(Hybrid Log-Gamma)で撮影してトーンを微調整する方が結果が良いとおっしゃる方が多いですが、私は本機種をがっつり使ったことがないので何とも言えません。※データはちょいちょい触る事はありますが、実際自分が撮影してないのでなんとも言えないです。
確かに8bit収録なのでかなりトーンを圧縮したLogよりはHLGで微調整するレベルが良いというのは頷けます。
フルサイズミラーレスを世界に先駆けて作ったソニーα7シリーズ伝統のこのコンパクトさの恩恵は機動力という意味で絶大だと思います。
そして大きさに関してですが、とにかく写真も動画も機動力高く撮りたい、よけいなものは付けずスマートに撮りたいという方向けかと思います。
尚、手振れ補正は5段分の補正効果がありますが、α7IIの様にOSSを使用した際の補正はレンズ(X/Y/Roll)ボディ(Pitch/Yaw)の分業方式ではなく、基本的にはボディのみの補正なのかと思われます。調べてみたのですが、よくわからなかったです。すいません。
持った感じはコンパクトですが、ずっしり感から来る詰まってて高級感がある質感です。
良い点
本体がコンパクト
8bitながらLog撮影可能
Eマウントレンズが豊富
値段が安い
デュアルSDスロット
残念な点
クロップ無しの全画素読みモードは4K24pで30pの場合はクロップ
10bit撮影が不可能(外部出力も8bit)
ユーザーインターフェースがイマイチ
どんな人向けか
とにかくフルサイズで動画を撮りたい人
スマートに手持ちで撮りたい人。
AFを使用した動画撮影を行いたい人
EFを含めたレンズを有している人
ソニー SONY ミラーレス一眼 α7 III ズームレンズキット FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS ILCE-7M3K
- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
- 発売日: 2018/03/23
- メディア: エレクトロニクス
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Panasonic LUMIX S1(2019.3.23発売)
で、最後に私も愛用しているLUMIX S1について書きます。
有効画素数は2420万画素、重量1017g(本体、バッテリー、SDカード含む)
実売価格273,495円(税込)※2019.8.20現在
まず、目につくのが本体重量です。1017gはミラーレスなんだっけコレ?という重量です。大きさも所謂一眼レフカメラのそれと思ってみるとイメージがつかみやすいと思いますが、このカメラは端的に言うと「像面位相差AF機構以外の全てをブッコんだカメラ」と言えます。
APS-Cクロップながら4K60pが撮影可能、高解像度のEVFとフリーズしたのかと勘違いするほど効きの良い手振れ補正、高感度画質、XQDとSDのデュアルスロット、とことんカスタマイズできるボタン類、書き込み中にバッテリ、カード交換をしようとすると出る警告音、挙句の果ては背面のボタンは暗闇でも見えるように光ります。
機能的にも画質的にもよくぞここまでと思うカメラですが、やはり重量と大きさがネックになっているというのと価格が高いというのが仇になって?国内ではそれほど多く流通していません。尚、国内向けの月産数は600台となっています。※一時期全世界向けの月産数を600台と言っておられる方がおられましたが、国内向けがこの数値の様です。
まぁそれでも少ないですねぇ。1年経っても国内で1万台は存在していない計算です。
とは言え、私的にはここが私の価値観をくすぐられるところでして、ほかの人が(あまり)持っていないカメラで撮るという事に変な価値観を感じる部分だったりします。(どういうこっちゃ。。)カメラの完成度はすこぶる高いですが、ブランドイメージからかこのカメラは眼中に無いという方が多いのも確かです。が、若干ひねくれ者の私にとってはこのカメラを使う方が少ないのは逆に好都合ですけどね。。。
大きさや重量に関してはボディよりも持ち歩くレンズの方のウェイトが高いですが、メインで使っている24-105mmに関してはむしろ軽い方でトータル的にはレフ機を持ち歩くかそれ以下の感覚です。尚、大きさ・重さは一度持ってみるとバランスが良く、意外と気になりません。
前回も書いた通り、4K60pがAPS-Cクロップながら撮影できるのはかなりありがたいです。これが無かったら私は買わなかったと思います。そもそも4K60pが撮影できるミラーレス一眼はFujifilm X-T3とPanasonic GH5/GH5SとBMPCC4K/BMPCC6Kしかありません。ミラーレス一眼で4Kで50%スローをどうしても必要とするなら現状はこれらの中から選ぶしかありません。
あと、このカメラはパナソニック伝統の?DFDというコントラストAF方式です。ボケの形状からピントの方向を判断して最終的にコントラストで追い込む方式ですが、動画撮影時の挙動は像面位相差方式に比べると劣ります。ウォブリングは全くしない(見えない)事が多いですが、それでも動画AFとしては優秀とは言えません。※スチルの撮影時は爆速動作をしますのでスチルのAFは際速いです。
なのでGH5と同様にワンプッシュAFを使用した置きピンで撮影するかMFでの撮影がお勧めです。
良い点
手振れ補正が強力(Dual I.S.2で6段分)
4K60pの撮影が可能
内部10bit4:2:2 4K30p収録可能(別途ライセンスキーが必要)
光学ファインダか?と思えるほど高精細なEVF
残念な点
高い・デカい・重い
現状純正レンズが少ない。(EFレンズはアダプタ経由で使用可能)
Log撮影のライセンスが別売り。
XQDよりむしろSDのデュアルの方が良い。
AFが相変わらずイマイチ
どんな人向けか
大きさ・重さよりも堅牢性、機能性、超高感度画質に価値を見出せる人
フルサイズ画質でカラーグレーディングしたい人
EFを含めたレンズを有している人(マウントアダプタ経由で使用可能)
パナソニック フルサイズ ミラーレス一眼カメラ ルミックス S1 ボディ 2420万画素 ブラック DC-S1-K
- 出版社/メーカー: パナソニック(Panasonic)
- 発売日: 2019/03/23
- メディア: Camera
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所有している機材ですのでついでにレビュー動画と作例を張り付けておきます。
てなわけで、2回に分けて動画撮影にお勧めなミラーレス一眼を紹介いたしました。一部私の独断と偏見が入っておりますが、結局どれを買っても美しい映像は撮れると思います。結局の所自分が何を重要視するのか、大きさなのか、画質なのか、記録フォーマットなのか、レンズラインナップなのか、手振れ補正なのか人によってさまざまです。それらを〇×表でも作って悩むとかいうのも機種選びの楽しみかもしれませんね。
最後に登録者1万人突破したウチのYoutubeチャンネルもよろしくお願いいたしますm(_ _)m
ではでは