とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

LUMIX S1Hが正式発表された

こんばんはSUMIZOONです。

本当はこの記事は今朝書こうと思いましたが、都合により書けませんでした。てか朝からそんな暇なかったです。

 

 さて、昨晩(日本時間の2:00)LUMIX S1Hの正式発表を受けて、いくつか特徴をまとめつつ、私なりの感想を織り交ぜながら書きたいと思います。

 S1Hはここを見ている方はほぼ概要は理解していると思いますが、フルサイズセンサを搭載しLマウントを採用した動画特化型のバケモノミラーレスカメラです。

が、個人的には

S1HのHは「ヘンタイ」のH

だと信じて疑いません。

以前書いた記事

sumizoon.hatenablog.com

S1の主なヘンタイスペック

まぁ、スペックだけでお腹がいっぱいになりそうな予感ですが、ざっと特徴的なものを羅列します。

本体サイズ

https://www.panasonic.com/content/dam/pim/uk/en/DC/DC-S1H/DC-S1HE/ast-865926.png

これがスリーサイズになります。尚私の愛用している↓の画像のS1は

https://www.panasonic.com/content/dam/pim/uk/en/DC/DC-S1E/DC-S1E/DC-S1E-Product_ImageGlobal-1_uk_en.png

なので、S1と比べて高さが4mm、幅が2mm、そして厚みが13.7mmサイズアップ。大きく育ちました。おそらく真正面から見たらそんなに違いが分からないフォルムと思いますが、上部から見たら結構別ものという印象を受けると思います。14%厚みが増えてますからねぇ。他社のミラーレスカメラのサイズを全く意識しないこのサイズ感はなかなかのヘンタイっぷりですが、こんなの序の口です。

本体重量

SDカード1枚とバッテリー込みで 1,164g (S1の1017gから147gのウエイトアップ)なかなかのモンスターっぷりです。

ミラーレス一眼として初のクーリングファン搭載

ここまでしないと無制限記録ってのは無理なのかと驚かされたのがこのクーリングファンです。

https://www.panasonic.com/content/dam/pim/uk/en/DC/DC-S1H/DC-S1HE/ast-867362.jpg

 空冷ファンなんて付けたら音もするだろうし、そもそも埃とか水滴大丈夫なん?と思っていましたが、UKのサイトには下記の記載がありました。なので通常の使用範囲内では問題なさそう。音に関してもファンの音が記録されてしまうような設計はしていないのではないかと思われます。

ultra-quiet performance without compromising the dust- and splash-resistant body design.**

** Dust- and splash-resistant does not guarantee that damage will not occur if this camera is subjected to direct contact with dust and water.

 しっかし、載せちゃうかねぇ、空冷ファンを。。。。これもまさにヘンタイボディを象徴する機構です。

6.5段の補正効果 手振れ補正効果もヘンタイっぷり

 Dual IS2を使ったレンズ内光学手振れ補正&ボディ内手振れ補正の組み合わせで補正効果は6.5段分。S1の手振れ補正は画面がフリーズしてしまったかと思うほど効きがよいですが、さらにその上を行く補正効果です。ちょっとした撮影ではもう三脚は不要だと思われます。

https://www.cinema5d.com/wp-content/uploads/2019/08/LUMIXS1H_04.jpg

Image credit: Panasonic.

 余談ですが、私の下記のS1で撮った映像はほ大半が手持ちです。これ以上に止まるとなれば、いよいよもって中望遠領域までの撮影は三脚が要らなくなります。(もちろん被写体に至近距離に寄った場合は、絶対に避けられないシフトブレはあるでしょうけどね)

 


LUMIX S1 Vlog Firstlook

タリーランプつけるって

逆タリーをよくやってしまう私ですが、これタリーランプなんですよね。地味だけどヘンタイポイントの一つ

https://www.cinema5d.com/wp-content/uploads/2019/08/LUMIXS1H_06-640x360.jpg

Image credit: Panasonic.

 

底面の三脚穴の前にあるツイスト防止穴の存在

 画像のリンクが張れなかったので下記から直接見に行ってください。S1Hの底面には三脚穴の前方にあるツイスト防止の穴が開いています。ビデオカメラをお使いの方ならお馴染みの穴ですが、私はスチルカメラにこれが付いているのを見たことがありません。っていうかこれってビデオについてるやつでしょ。。。

 これを見たときに、「動画専用機だよ俺」とボディが語っているかの様に思えました。うむ、これも重要なヘンタイポイントだ。。。

www.panasonic.com

バリアングルとチルトが合体した液晶

GH5で何が問題だったかというと、HDMIケーブルを指した時にバリアングルモニタが傾けられない点です。

f:id:sumizoon:20190828213048j:plain

HDMIケーブルと液晶が干渉する。

 多くのGH5ユーザーがこれを指摘していましたがこれ結構面倒でした。S1はバリアングルじゃなくチルトになったので干渉は無くなった反面、液晶をフリップできなくなりました。で、S1Hはどうなったのかというと、↓のCinema5Dさんの画像の様にチルトとバリアングルが合体した構造になっています。

https://www.cinema5d.com/wp-content/uploads/2019/08/LUMIXS1H_15.jpg

The right side of the camera. Photo credit: cinema5D

チルト液晶としても、バリアングル液晶としても使用可能という、「え!?こんな解決方法あったのか?」という液晶を搭載しています。

XQDではなくデュアルのSDスロット

 意外だったのはS1/S1Rが採用していたXQDとSDのデュアルスロット方式を採用しなかった点です。これはおそらく動画撮影の実状を鑑みた結果なのだと推測しています。私も実はS1を使っていながらXQDを使っていません。なので、あのXQDスロットにカードを差した事がないです。てかコスパ悪いんですよね。。。端子がむき出しになっているからプロ仕様じゃない!と言われ続けているSDカードですが、内部記録が最高400Mbps程度(50MB/s)だけどメインで使うのは200Mbpsのコーデック。なので高速なXQDである必要は「ぶっちゃけ意味が無い」と思っていました。とりあえず安価なLexarの1000x(UHSII U3)とか入れておけばGH5のALL-I 400Mbpsでも普通に記録できてましたし。

 SDカードで運用しつつデュアル記録した方が個人的に信頼性もコスパもいいのでこれは大歓迎です。ここはあんまりヘンタイポイントじゃなかったかも。

動画フォーマットがとにかくヘンタイ

 詳しくはPanasonic UKのS1Hのスペックシートをご覧頂いたら分かりますが、とにかく撮影できる動画フォーマットがエグイです。↓の画像はCinema5Dさんのサイトの画像を引用させて頂いていますが、パッと見てすぐ理解できる方はかなりのマニアです。

https://www.cinema5d.com/wp-content/uploads/2019/08/LUMIXS1H_01-640x360.jpg

The list of recording formats available internally. Image credit: Panasonic.

 

私が使うであろう(勝手に使うことにしてるけど)フォーマットを使用頻度が高いであろう順番に列挙します。

4K30p/24p 3840x2160 4:2:2 10-bit LongGOP(150Mbps) H.264

4K60p 3840x2160 4:2:0 10-bit LongGOP(200Mbps) HEVC (Super35mm画角)

FHD120p 1920x1080 4:2:0 10-bit LongGOP(150Mbps) HEVC

5.9K30p 5888x3312 4:2:0 10-bit LongGOP(200Mbps) HEVC

DCI4K30p/24p 4096x2016  4:2:2 10-bit LongGOP(150Mbps) H.264

その他もいっぱいあるけどもう、わけわかんねえよ。。。

よくもこんだけのコーデックを実装したなと思うほどヘンタイっぷりが激しいです。

ざっと解説すると

は所謂10Bitで撮影できる4K30p/24pの定番フォーマット。これがまぁ一番使うでしょうね。

は待望の内部収録10Bitが撮影できる4K60pのフォーマット。今までGH5やS1では4K60pの10Bitは外部レコーダーが無いと撮れなかったのです。カラーサンプリングは4:2:0ではありますが、S1Hでは外部レコーダーに頼ることなく内部収録が可能となりました。ここが一番嬉しい。コーデックはHEVCだけどPCを新調したので問題なしなはず。

はいわゆるハイフレームレートで30pプロジェクトであれば25%スローが撮影できます。これも映像を撮るうえでは必須フォーマットでしたが、これも10Bit撮影が可能。ようやくスローのカットでカラーグレーディングが出来る日が来た。

はここ一番のあとからクロップ前提で高解像度撮影したい場合に有利な5.9Kフォーマット。当然これも10Bit

はシネマ4Kでこれもたまに使うフォーマットです。これまた10Bitで撮れます。

※尚上記で30p/60p/120pと記載しているのは正確には29.97p/59.94p/119.88pになります。

フレームレートを自由に変更できるバリアブルフレームレートはさらにこの表に含まれていません。つまりこれだけでの表では表現できないほど撮影フォーマットが多岐にわたっています。全てのフォーマットを正確に把握しきれる人はほぼ居ないと思われます。まさにヘンタイの極み。。。

 

ヘンタイカメラが故の悩み

 これだけフォーマットがあると、ぶっちゃけどうやってフォーマットを切り替えたらいいの?と悩みそうです。

 というのも私はモードダイヤルのC1/C2/C3に異なる映像記録フォーマットを割り振ることで素早くフォーマット変更をしてるからです。たとえばS1の今のモードダイヤルは下記の様な割り振りになっています。(基本はGH5も同じ)

C1:4K30p 10Bit

C2:4K60p  8Bit

C3:バリアブルフレームレート150fps 8bit

これであれば、液晶モニタすら見ることなくダイヤルを回すだけで撮影モードを瞬時へ変更することが可能なのです(結構おススメです)。特に忙しい撮影だと、もたもたモード変更なんてやっている暇は無いのです。

 ですが、前述の様に選べるモードがあまりに多いとモードダイヤルに何をどうやって振っていいのかワケワカメとなりそうです。まぁ、もし実際にこの機種を手にすることがあれば(あるのか..)そこらへんの運用は考えてみたいと思います。

 まぁ贅沢な悩みですやね。

 

 もう一つ現実的な話をすると、やはりその重量。大きさはぶっちゃけ全然心配していないし、むしろBMPCC4Kの方が大きいですしね。でもその重さが故に3軸ジンバル(スタビライザー)に搭載して撮影するときにやたら体力を消耗します。特に今私がメインで使っているMOZA Air2ってのは結構な重さ(1.6kg)でスタビライザとS1Hとレンズを合体させて使おうものなら軽く3キロを超えます。まぁちょっとスタビライザが重すぎるのでもう少しで発売になるMOZA Aircross2に搭載して少しでも体に楽な撮影をしたいと思っています。(てか、買うのか。。。わし)

 

 てなわけで、今回はここまで。まだまだS1Hに関しては状況が把握できていないので何か気づいたら、また記事にしたいと思います。

 

 

追伸

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