とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

LUMIX G100の商品コンセプトを無視した望遠撮影で遊ぶ

皆さまあけましておめでとうございます。本年も当ブログYoutubeチャンネル、ならびに一眼動画部をよろしくお願いいたします。

さて、今年も年明け早々に撮影をいくつか行って割と忙しい正月を過ごしていたわけですが、どうしても試しておきたい撮影を昨年から持ち越ししてしまったので、この寒い中、夜の伊丹空港に行ってきました。

超高画質?LUMIX G100の商品コンセプトを無視して望遠撮影で遊ぶ

 何の撮影かというと、LUMIX G100の超望遠&超大口径撮影となります。(まぁ懲りもせず良くやるわと自分でも思うケド。。)

昨年LUMIXクリエイティブコンペティションに応募してめでたく総合最優秀賞を頂いた際の副賞がこのLUMIX G100になります。

lumixclub.panasonic.net

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G100のコンセプト

以前に下記記事を書きましたが、言うまでもなく、LUMIX G100のコンセプトはビデオブログ用のカメラという触れ込みで発売されています。

sumizoon.hatenablog.com

小型のボディでバリアングル、赤枠REC表示、同時発売されたトライポッドグリップ、OZO Audio、Slow & Quick撮影モードの搭載やV-Log Lプロファイルのプリインストールなどいずれもビデオブログでの使用を意識して作られているカメラだと思います。

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G100はレンズ交換式なので明るい単焦点を付けて背景を自然にボカシてオサレなビデオブログを撮るといった撮影方法も可能です。

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世間の評価

いろんなレビューサイトで書かれている事の一つにビデオブログ用なのに4K時のクロップファクターが大きい事が上げられています。GH5などのクロップファクターx1に対してG100ではクロップファクターがx1.26と結構狭まる感じとなります。さらに動画撮影時の手振れ補正を有効にするとクロップファクターが更に大きくなる仕様です。

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そもそものコンセプトは動画撮影時における手振れ補正を電子式することで超小型のボディを実現している製品なので、致し方ない部分はあるのでしょうけど、自撮りをする人にとってはキットレンズの12-32mmでは自撮りが結構シンドイという評価の様です。いっそ7-14mmとか8-16mm使うというのも手ですが、おそらく初心者にとってそこまでレンズに投資できないと思います。

更に4K撮影時には連続記録時間10分という制限があるというのもスペック重視のレビューサイトではネガティブに捉えられている部分だと思います。

結局FHDで使ってねという製品なのか?

上記の様に4K撮影では結構縛りがあります。この制限に関しては、本体の排熱処理や製品カテゴリの差別化のためなどのいくつか予想ができますが、少なくともFHDで撮影を行う上ではその制限は29分59秒に緩和され、クロップファクターも手振れ補正をOFFの際にはクロップはされない仕様となります。

おそらく、G100は多くのビデオブロガーがFHD撮影を行っている事からFHDでの撮影をメインに想定して作られたカメラだと推測しています。4Kでバリバリ撮るなら上位のGH5とかを使ってねという事なのかもしれません。でも、せっかく4Kが撮れるなら使うよね。てなわけで次に続きます。

4Kクロップファクターを逆手に取る

クロップファクタが大きいってことはそれだけ望遠撮影向きという事です。GH5の場合は1.4倍の4K等倍クロップ撮影ができるのでその感覚に近いのですが、GH5の画角ともちょっと違う。GH5よりも少し寄せて撮りたい、でもGH5のクロップ撮影(EXテレコン)よりも画質を上げたいというニーズがユーザーに有るか無いのかは分かりませんが、結構望遠撮影に使っても面白いカメラだな、と思っていました。

その結果。。。。

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EF400mmF2.8 L ISと合体。。。ただし、EF400mmに単純に付けてしまうと、4K撮影時の焦点距離

400mm x 2 x 1.26 = 1008mm@F2.8

でも、ちょっと1000mmは伊丹で使うには長すぎる。。。そこでレデューサ(縮小光学系)をかましてx0.7にしつつ、明るさを1段稼ぎます。

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 これで、

400mm x 2 x 1.26 x 0.7 = 705.6mm@F2

以前も紹介していますが、ViltroxはプアマンズSpeedBoosterとしては非常に優秀です。とにかく写りが良く、本家メタボーンズのSpeedBoosterよりも写りが良いという意見を多く聞きます。

 KIPONやCommliteを使っていましたが、絶対こっちの方が良いです。これで夜の空港撮影でもへっちゃらな反則的な動画撮影をしてみました。それがコレ

超高画質?LUMIX G100の商品コンセプトを無視して望遠撮影で遊ぶ

結局どうなのよ

まだ空港でのシチュエーションでしか本格的に撮影をしていないというのもありますが、4K30p8bitの映りに関してはGH5よりも良いと思います。また夜のシチュエーションにおいてはGH5の10bitよりも画質はかなり良いと思います。色の出方がGH5までのものと大きく異なっており、GH5Sに近い色の出方をします。GH5ではISO1600を超えるとグリーン被りを起こし、大きめの塊状のノイズが乗りますがG100はそれが見られないです。

また、クロップファクタ1.26はオーバーサンプリングになっているはずですので、解像感も高く、画質的には十分使えるレベルだと思います。

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4K30p動画からの切り出し

動画ではISO1600とISO3200にて撮影。ISO3200は少しノイジーではありますが、ギリギリ使えるレベル。ちょうどGH5とGH5Sの中間の様なノイズ感ですが、色が崩れないという意味ではGH5よりもかなり使える高感度と言えます。

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4K30p動画からの切り出し

画質は良いがいくつか運用上の制限がある

このカメラを制作系の仕事でバリバリ使うという人は稀だと思いますが、実際に動画撮影で使用する上での制限事項を書いてみたいと思います。

①V-Logビューアシストが使えない

GH5などに搭載されているモニタリングLUTが当てられないので背面液晶は眠いままの画質となります。

②親指AFが使えない

所謂MF時のワンプッシュAFが使えません。GH伝統のMF時のワンプッシュAFが使えないのはちと不便

③背面ダイヤルにISOを振れない

物理ダイヤル類は人差し指にかかる部分と背面のダイヤルの2つなので、GHの様に物理ダイヤル3つでF/SS/ISOを独立してアサインするような使い方は出来ないようです。前面はF値、背面ダイヤルはSS、ISOを変えたければ一度背面ダイヤルの上部を押して回すというアクションが必要となります。まぁ慣れれば手間じゃないんだけど。。

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まあ動画専用機ではないのでGH5に比べて少々の制限や機能削減は致し方ないと思います。

今回、このG100を試して驚いたのは(10bit撮影や4K60p撮影はできませんが)恐らく同じセンサを搭載しているであろうGH5とは画質が明らかに向上している点です。おそらくG9やG99も同じセンサが載っていると思いますが、GH5の頃からは画像処理エンジンも含めて進化しているのでしょうし、センサの使いこなしも進んでいるのでしょう。今回初めてGH5以外のLUMIX Gシリーズの20MP機を触ってみましたがこれだけコンパクトなパッケージに機能も十分に詰め込んだG100は普段使いするには非常に面白い機種だと思いました。

今回は超望遠という製品コンセプトを無視した撮影を行いましたが、街撮りスナップやちょっとした映像作品を作るのにぴったりだと思いますので、こらから少し使い方を模索してみたいと思います。

 

筆者:SUMIZOON

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