とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

GH5IIレビュー後記

ご覧頂いた方も多いかと思いますが、GH5II(製品品番:DC-GH5M2)の先行レビューを下記サイトでさせて頂きました。

(正直、GH5IIに関しての表記は、「GH5MarkII」なのか「GH5M2」と書くべきなのか、はたまた「GH5Mark2」なのかどれで使っていいのか分からないですが、ここではGH5IIとしています。)

shasha.kitamura.jp

以前にも同サイトShaShaには記事を寄稿させて頂いたのですが、私の記事は動画中心なので少し浮いているかと思います。。

ShaShaとは

ShaShaはカメラのキタムラさんが運営している比較的新しい写真、カメラの情報発信サイトです。

「ShaSha(シャシャ)」は、写(しゃ)真愛好者(しゃ)に、もっと写真を好きになってほしい」をコンセプトに、写真に関する様々な情報を掲載する写真の総合サイトです。注目のカメラ機材や撮影用品、撮影方法の情報に加え、写真プリントやスマートフォンの撮影術、中古商品・フィルムカメラなど幅広く紹介。写真をはじめたばかりの方から、ベテランの方までお役立ていただけます。

https://shasha.kitamura.jp/article/about-shasha.html

との事。

同サイトは名だたる写真家の方々が記事を執筆されています。おそらくサイトの立ち上げは2年ほど前の様ですが既に記事は400本を超えていると思います。他のサイトにありがちな普段カメラ使ってないでしょ?と思われるWEBライターさんが書いている薄い記事は無く、カメラを普段から使い込んでいる方々による記事なので、自ずと中級者以上のカメラマンを対象にしている記事が多めに思います。

こんな方々にまじって名を連ねるのは大変光栄ではありますが、非常に恐縮すべき事態です。
で、今回GH5IIのレビューをさせて頂くにあたって、

・そもそもスチル中心のサイトで動画中心の内容で書いていいのか
・マニアックな内容に言及して引かれないか
・そもそも私でいいのか

とか当初考えましたが、あまり考えると書けなくなるので、あまりマニアックになり過ぎないようにという点だけを注意して普段通り書きました。ここでは、公開された記事を読み返したときに、「もう少し書いておけばよかったな」「言葉が足りなかったな」と思う点について少し書いてみたいと思います。

GH5IIのターゲットとなる層

GH5IIのメインターゲットはYoutuberやVloggerライブストリーミングを行いたい人向けのカメラだという建付けの様です。

確かにYoutuberの方々にとって使いやすくVLogを撮るにも適していると思います。そして何より無線ライブ配信機能が搭載されている事を考えるとYoutube/Facebookなどで生配信する人に適したカメラと言えます。

でも、GH5IIは普通に作品撮りや業務カメラとして使用してもなんら問題ないカメラです。おそらくGH6との棲み分けを考えるとこうした図式になるのは分かりますが、その境界はかなりオーバーラップしても良いと思います。

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Introducing LUMIX Business Strategy and New Products in May, 2021

https://youtu.be/gPc6Gzt5obY

むしろ、GH5IIは熱で停止する事を心配しなくてよい事から、テレビロケ、演劇やコンサートなどの撮影、はたまた映画撮影でも安定して使えると言えます。

そして導入コストが安い事から複数台での撮影に適しています。(マルチカムならBGH1という意見もあるかと思いますが、ミニマルな使い方だと外部モニタを必要としないGH5IIの方が取り回しは良いはずです)

4K60p10bitの撮影が出来るというカメラは、今でこそいくつか発売されているようになりましたが、ミラーレス一眼タイプのマイクロフォーサーズのカメラとしては初です。(BGH1 / Z CAM E2がボックスタイプとしては4K60pの10bit撮影可能)

これをyoutubeや配信だけに使うのはあまりに勿体ない話です。いやマジで。これを商品レビューとか部屋撮りだけに使うの勿体ないですよ。作品撮りや業務でもガンガン使えば良いと思う。

とにかく使いやすく、キャッチ―でカジュアルなイメージに捉えられやすい同機ですが、中身はプロ用動画機です。だいたいベクトルスコープとかカラーバーとか実装されているヘンタイな機種はGHの他に無いですしね。(あ、S1Hを除いてね)

GH5IIか安くなった無印GH5を買うべきか

GH5IIはキャンペーンによるキャッシュバック(ボディ単体)が1.5万円。Amazonとか見ると実売19.5万円前後で予約販売されていますが、キャッシュバック適用を考えると実質18万円程度となります。

 実はGH5は15万円を切る価格に突入しているので、GH5を買うと言うものアリっちゃアリではありますが、個人的には3万円の差額であればGH5IIの方が絶対に良いと思います。

 そもそも無印のGH5はV-Log L(Logガンマプロファイル)撮影を行う際には1万円程度のアップグレードキーが必要なのでその時点で差額は2万円となります。さらにライブ配信機能や4K60p10bit撮影の機能やそのほかアシスト機能を考えるとGH5IIの方が良いと言えます。そもそもGH5とは絵作りが違う。。。

手振れ補正の強化やARコーティングされたセンサ、容量のアップしたバッテリー、カスタマイズ性の向上など、使い込む人にとっては確実にGH5IIの方が良いと思います。

GH5から乗り換えるべきか

ここは正直意見が分かれると思います。絵の質は良くなっていますがGH5から乗り換えるべきか聞かれると絶対に乗り換えるべきとは言いきれません。カラーサイエンスこそ古いもののGH5は幾度かのファームアップを重ねて現役の「既に完成されたカメラ」だからです。

GH5IIの追加機能で目立ったものは下記のとおりです。

・4K60p10bit撮影可能

・USBによる給電、充電

・最新のカラーサイエンス

ライブ配信可能

・背面液晶の明るさ向上

・レンズフォーカス駆動のリニア、ノンリニア駆動

VFR記録前ワンプッシュAF可能

・4K60p内部、外部同時記録可能

・人体認識可能

・カスタムダイヤルC4の追加&名称設定可能

・そのほかU/Iなどの使い勝手向上

既存のGH5ユーザーの方なら、これらに対して、GH5下取り後の支払い額以上のメリットを感じる様であればそれは乗り換えるべきでしょう。バッテリーもGH5のものが引き続き使えますし、ケージなどのパーツもそのままキャリーできます。

自分に必要な機能を冷静に判断してリプレースするかどうかは判断すべきかと思います。

詳細は下記をどうぞ

shasha.kitamura.jp

GH5からの唯一のデグレポイント?

GH5では超音波振動でセンサのゴミを振るい落とすダストリダクションにはSSWF方式が採用されています。GH5IIにはこの機能が無く、その代わりに手振れ補正ユニットをつかった振動でゴミを振るい落とす機能が搭載されています。

SSWF方式は人間に感じることができない振動であることから、カメラの電源起動時に自動で起動してもユーザーが意識することなく使えます。

一方で、センサシフトタイプのGH5IIではカメラ電源起動時にはダストリダクションは起動しません。というのも、センサシフトタイプのダストリダクションは意図せずに起動させてしまうとカメラマンがびっくりしてしまうほどの振動があります。おそらく、カメラ起動時に毎回ダストリダクションが起動してしまうと持っていたびっくりしてカメラを落としてしまいかねないとか、そういった事を考慮してなのかもしれません。(本当の所はどうか分かりません)

そもそもフォーサーズセンサはフルサイズに比べると撮像面が小さい事からゴミが付着しにくいのですが、それでもレンズ交換を重ねるといずれ必ずゴミは付着します。これはSSWF方式のカメラだろうがなんだろうが同じ。でもSSWFは起動が自動起動、センサシフト式は手動起動。ここが少し面倒な点ではあります。(まぁダストリダクションは毎回必要なものではないので、定期的に行うクセをつければいい話なんですがね)

メーカーさんへの提言ですが、レンズを交換した事を検知して、(できるかは分からんけど)

「レンズが交換されました。ダストリダクションを起動しますか?」Yes or No

的なアシスト機能が働かないかなと。。。ダストの混入はレンズ交換時に集中するわけですし。

とは言え、GH5IIをかなりの時間酷使しましたが、明確にダストが乗って困ったことが無かったことも一応付け加えておきます。センサシフト式はSSWFに比べてダメってことは無いです。そもそも5Dとか昔のカメラ使ってた人から考えるとダストリダクションがあるだけで全然違う。

あとダストリダクションだけに頼るのではなく定期的にセンサダストをブロアで飛ばしてあげる事の方が重要だと思います。

GH5IIは良く出来ている

ここも寄稿した記事を読んで頂いたらと思います。

shasha.kitamura.jp

ぶっ飛ぶほどのスペックアップじゃないけど、かゆい所に手が届く製品で良く出来ている製品だと思います。 スペックだけじゃない使い勝手の磨き方ってのがこのカメラで感じる事ができます。GHのフィロソフィーを使う程に感じました。

GH5II動画作例

撮影した作例をシェアいたします。高感度に関してはISO3200を上限として撮影していますが、ノイズの粒が小さいためノイズリダクションとの相性は良いです。ほとんどはNRかけていませんが、空港の撮影ではうっすらNRを適用しています。

自然光が美しいので人を撮るにも適しています。とくにライカ DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 は人物撮影ではテッパンのレンズです。マイクロフォーサーズポートレートを撮る人にとっては必携のレンズだと思います。

 

続きがあります

じつはGH5IIのレビューに関しては別の機会で更にマニアックな内容でいろいろ書かせて頂く事になるかと思います。またそのうちTwitterなどでお知らせさせて頂きたいと思いますのでTwitterの方もフォロー頂ければ幸いです。

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筆者:SUMIZOON

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