とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

HDD/SSD/CFexpressなどのメディア価格の備忘録&容量偽装の購入時の見分け方

こちら完全に備忘録ですが、せっかくなので共有します。ついでにアフィリエイトリンクを貼らせて頂きますのでよかったらこちらから購入いただけると記事を書いた甲斐があるかもです。

毎度Amazonプライムセールのタイミングで各種メディアの購入をする私ですが、中には「値下げしてるけど、ホンマに安いのか?」という商品が結構あります。なのでこの一年くらいの傾向を見ながら値段が適正なのかどうかを判断するための記事にしています。

また、メディアとして外付けSSDiPhoneのUSB-C対応に伴い人気が高まっていますが、残念なことにAmazonにすらかなりの偽装品・粗悪品が氾濫しています。ですので、外付けSSDを購入する際に最低限気をつけるべき点も併記します。

 

HDD

ウチではWesternDigitalの6TBか8TBをバックアップ用として使用しています。今のところこれを使っていてのトラブルはありません。
編集はSSDを使っていますが、一通りの編集がおわってしまえば、DaVinci Resolveからプロジェクトアーカイブを作ってそのままHDDにバックアップします。(プロジェクトアーカイブ作らずにそのまま素材フォルダをコピーするケースもあります)

まぁいずれにせよ大容量のバックアップは昔はDVDを使うということも有りましたが、そもそもTBオーダーのデータをコスパよくバックアップする方法は今現在HDDだという理解です。(というか、もうコスパのよいDVD/Blurayを超える円盤系超大容量超高速メディアの登場は現れないのかもしれません。。。)

6TB

この一年の最安値は13,334円 (1TBあたりの値段は2,222円)

8TB

この一年の最安値は17,000円 (1TBあたりの値段は2,125円)

 

ちなみにWesternDigitalのHDDはIntelliparkというHDDのヘッドを退避させる機能があり、HDDのアクセスを行わないと8秒程度でヘッドが退避される仕様になっているという理解です。これが非常に編集ソフトとの相性が非常に悪いのです。このIntelliparkは無効化することも可能らしいのですが、当方では行なっていません。あくまでHDDはバックアップ用として使うので編集を行うのはあくまでSSDなので気にしない事にしています。

 

あと、クレードルとしてはこういうのが必要ですので持ってない方はどうぞ。クローン機能は正直使ったことがないですが、2台マウントタイプの方が何かと楽です。

HDDの偽装品ですが、WesternDigitalの青とぱっと見よく似ているやつをどっかで見たことがあります(青ラベルでWesternDigitalの記載無し)。

なので、WesternDigitalを買うのであればかならずメーカー名が記載されているものを購入しましょう。 HDDは後述のSSDに比べたら偽装品リスクはほぼ無いという印象ですが一応注意しましょう。

SSD(外付け)

SSDは内蔵ではなく、外付けのものをここでは記載していきます。というのも、当方での編集のメインマシンはMacStudioなので内蔵を強化することができないので、高速なメディアを追加するなら外付けのSSDなのです。ウチではMacStudioは内蔵SSDの構成は最小にしてるので、外付けSSDをUSB-Cで増設しています。

SAMSUNG T7(2TB)

最安値は2023年の春頃の18,280円(1TBあたりの値段は9,140円)
2024年8月16日のAmazonでの販売価格は28,346円

というか、過去の18,280円ですが「ホンマまいな。そんな安い時期あったんか。。。買っておけばよかった」と思ったのですが、調べてみるとウチにあるSamsung T7はちゃっかりこの時期に買っていました。というかこの値段を知っているので今買うとすげー損した気分になります。。。

NANDフラッシュの相場は結構動くので次に2万円を切ることがあればポチろうと思います。

ちなみにウチにはSAMSUNG T5の1TB/2TBとT7の2TBを使っていますが、T5の方は多分ディスコンになっているのでここで値段を書くのはやめておきますが、もし流通在庫で1TBあたり一万円程度で買えるであれば安いと言えます。

Nextorage SSD NX-P2SE(2TB)

最安値は2023年の16,400円(1TBあたりの値段は8,200円)
2024年8月16日のAmazonでの販売価格は29,980円

Nextorageはソニーの子会社から独立したブランドで企画・設計は国内でおこなっているメーカーです。製造(NANDフラッシュ)は台湾がメインでしょうけど、このブランドは悪い噂を聞かないので安心して使うことができると思います。とは言えウチはまだ導入してませんが。。。

 

というか、2023年のこの値段は本当なのだろうか。。。1TBの値段の可能性もあるけど


SanDisk SSD SDSSDE30-2T00-GH26(2TB)

SAMSUNG T7/T5と人気を二分するのがこのSAMSUNGのポータブルSSDという理解です。
最安値は2023年の18,217円(1TBあたりの値段は9,108円)
2024年8月16日のAmazonでの販売価格は24,040円

 

こちらも昨年の値段が非常に安かった印象です。


というか、いずれのブランドも2023年はNANDフラッシュの相場自体が安かったんでしょうけど、今が逆になんでそんなに高いのだ?と思います。
とは言え、必要ならば買うしか無いのですけどね。

外付けSSDを購入する際の注意点と見分け方

Amazonで外付けSSDを購入する際の注意点としては、「粗悪品」や「容量偽装品」を掴まされるリスクがあるということです。

試しにAmazonで「SSD 外付け」で検索するとこんな感じの検索結果が出ると思います。偽装品なりなんらかの問題があると思われる商品はボカしていますが、30TBで9,980円とかむちゃくちゃな表記があります。さらにはその製品のほとんどはクーポンコードが設定されています。

非常に悪質なのでAmazonさん、マジで対策してほしい。。。

このブログをご覧の方は上記がいかにおかしいことか判断が付くとおもいますが、外付けストレージを初めて買うという人にとっては判断がつかないと思います。

購入する際には販売元&発送がAmazonであること(販売元が別会社・発送Amazonという偽装品は多いです)

さらにSAMSUNG/SANDISK/NEXTORAGE/KINGSTON/バッファローとかの有名ブランドであれば安心度が高いと言えます。無名のブランドに手を出すとヤバいのがこの製品のカテゴリなのでくれぐれもご注意ください。
ざっくり2024年8月現在で1TBの価格が8,000円を切る製品は怪しい。。と思った方がいいでしょう。繰り返しになりますが

・販売/発送がAmazonである商品を選ぶ
・有名メーカーである商品を選ぶ
・価格が適正な商品を選ぶ(ここで書いた金額から大きく外れていない)
・容量が適正な商品を選ぶ(4TBを超える無名ブランドは2024年現在ほぼ偽装品と思う)
の4点を気をつければほぼ大丈夫だと思います。そもそも販売/発送がAmazonであれば商品で万が一粗悪品・偽装品だったとしても返金・交換が簡単だからです。普段、私はAmazonマーケットプレイスAmazon発送・別会社販売元)の利用も使用しますが、この分野だけはAmazonマーケットプレイスの使用を避けています。

CFexpress(Type B)カード

最近のミラーレス一眼のProRes収録/RAW収録伴って高ビットレート化が顕著なのが動画界隈です。
例えばLUMIX GH7のProResRAW収録のビットレートは4.2Gbps(ProResRAW HQ)に達します。また、Nikon Z8の8K60pRAWのビットレートも5.8Gbps(高画質RAW)。Canon EOS R5 MarkIIの8K60pビットレートはそこまで高くはありませんが、2.6Gbps(軽量RAW)です。

仮に1Gbpsのビットレートの場合1TBのメディアで収録できる時間の目安は
1TB(1000GB=8000Gbit)@ストレージ容量/1Gbps@ビットレート=8000秒
となります。つまり2.2時間。(1TB=1024GBだろ!ってツッコまれるかもしれん計算だけど)

ということは5.8GbpsのZ8 8K60pの場合は5.8倍の容量を食うので23分の撮影時間が限度ということになります。まぁ、ちょっとこれらは極端な例ですが、ウチではCFexpressの場合、超高ビットレートの撮影でそこそこの時間が記録できるように1TB/600GB程度を最低ラインとして運用しています。

尚、CFexpressの場合はメモリがpSLCなのかTLCなのかで大きく値段が異なります。

大概、インフルエンサーが「CFexpressが超安いぜ!」ってポストしているのは後者のTLCタイプです。

pSLCとTLCに関してはこの記事で書いたことがありますが、pSLCの650GBはTLC換算で約2TBにあたります。pSLCは1セルを1bitと見立ててRead/Writeしますが、TLCは1セルを3bitと見立ててRead/Writeします。つまり容量は1:3の関係
当然、信頼性も速度もpSLCの方が優秀です。また、体感的にも発熱量はpSLCの方が低いと感じます。なので、ウチでは高速記録する場合はなるべくpSLCを使用しています。TLCがダメとは言っていませんが書き込みパフォーマンスや信頼性は確実にpSLCの方が上なはずです。

Nextorage(NX-B2PRO)660GB(pSLCタイプ)

最安値は2024年8月の62,980円(100GBあたりの値段は9,542円)
2024年8月16日のAmazonでの販売価格は79,790円

Nextorage(NX-B2SE512G)512GB(TLCタイプと思われる)

最安値は2024年2月の25,323円(100GBあたりの値段は4,945円)
2024年8月16日のAmazonでの販売価格は32,790円

ProGrade Digital COBALT 650GB(pSLCタイプ)

最安値は今現在の58,691円(100GBあたりの値段は9,029円)

ProGrade Digital GOLD 512GB(TLCタイプと思われる) 

最安値は2024年2月の25,020円(100GBあたりの値段は4,887円)
2024年8月16日のAmazonでの販売価格は33,00円

Lexar Professional CFexpress SILVER(TLCタイプと思われる)

最安値は今現在の15,980円(100GBあたりの値段は3,121円)

 

なんかよくわからんけど、このメディアはやたら安くなっています。NANDフラッシュはTLCタイプなのは間違いないでしょう。連続書き込み速度がどこまで維持されるかはわかりませんが、お使いのカメラとの相性が問題なければこのメディアは結構買い時かもしれません。

SUNEAST ULTIMATE PRO CFexpress Type Bカード 640GB(pSLCタイプ)

最安値は2024年2月の54,800円(100GBあたりの値段は8,563円)
2024年8月16日のAmazonでの販売価格は80,500円

なお、SUNEASTに関してはpSLCにしては他社よりも若干安いですが、Nikon機との相性が悪いことが一部で耳にしたことがあります。ちなみに私はこのカードを使用していますが、GH6,7及びNikon Z8/Z6IIIで問題なく使用できています。あとSUNEASTのTLCタイプも発売されていますが、Amazonで販売が実質行われていない(存在はするが値段が高い)のでここでは割愛します。

 

というわけで各社のCFexpressカードをいくつかピックアップしましたが

pSLCタイプの場合100GBあたり9,000円程度
TLCタイプの場合100GBあたり3,000円〜5,000円程度

となっています。LexsarのSILVERは今現在安いようにも思えますが、これは新製品導入前の在庫処分なのかもしれません。

CFexpressカードのあきらかな偽装品というのは今のところ見当たらないかなと思います。まぁ、PC周辺機器としてのSSDに比べたらマニアックな製品でしょうしね。

まとめ

HDDに関しては実質WesternDigitalかSeagateの二択で安い時にかったらいいと思います。
SSDに関してもSAMSUNG/SANDISK/KINGSTONと国内バッファローとか買っておけばとりあえず安心(偽物に遭遇するリスクはほぼ無い)かなと思います。ただ、どうもSSDの値段はちょっと高い。。CFexpressほど高価じゃないので、必要であれば普通に買えばいいと思うけど、「不要だけど今ストックを買う」というのは避けた方がいい印象。
CFexpressはCFexpress4.0規格の過渡期にあるのか、在庫があるのかはわからないけど、大手の新製品は出ていない状態。スチル用途としてはさほど高速なものが必要ないでしょうから、まだしばらく各社現行のラインナップで製造を続けるのかもしれません。そもそもCFexpress4.0の恩恵ってPC転送時意外は得られないと思うので4.0を待つ意味はあんまり無いかもです。尚、CFexpressを使って高ビットレート動画を撮るという人は必ずメーカーの推奨メディアを確認しておきましょう。

 

自己紹介

筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

 

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