「やっと」と言うか「ようやく」と言うべきか。とにかく待望だったFALCAMのLUMIX S5II/S5IIXのカメラケージが発表になりました。発売は2023年6月6日なのでS5IIXの発売日6/22には間に合った形になります。
以前InterBEEの際にも代理店のイメージビジョンさんには、FALCAMにS5IIXの発売までに間に合うようにラブコール送ってください!と何度もお願いしたのが功を奏して?(んなことは無いでしょうけど)、ようやく発表。
実は先週の段階で本家FALCAMサイトには写真がアップされていたので、概ねどんなケージなのかはわかっていました。そして、これがよくできたケージであることは容易に想像できるものでした。で、当該製品、ありがたい事にサンプルを試させていただいたのでここで紹介したいと思います。
LUMIX S5II / S5IIX用ケージ3401概要
重量:210g
F22プレート:上部、左側面、右側面、底面の計4か所
F38プレート:左側面、右側面、底面の計3か所
F50プレート:底面
コールドシュー:上部
サイドプレート分離可能(右側面部)
ツイスト防止機構:フロントウォール、底面ラバー
※左右の表記はカメラを構えた場合のカメラマンから見た方向になります。
と書いても良く分からないと思いますので、写真を見ながら説明します。
サイドプレートが分離方式
このケージの特徴のひとつが、右手グリップ部のサイドプレートが分離できる構造になっていることです。右手側のプレートは必要がなければ取り外しが可能ですので、手の小さい方でプレート不要なら外してしまうのも良いかと思います。
ケージの多くはカメラ外周をグルりと回す様な構造になっていますが、このケージはグリップの内側を通る構造となっていることが分かります。
下の写真はサイドプレートを付けた状態です。
でもって取り外した状態。
不要なら外して使っても全く問題ありません。
ボタン類を邪魔しない
LUMIXの今までのケージの多くは取り付けを行うと、上部のボタン類が操作しにくくなるというデメリットがありました。LUMIX用のケージに限らず多くのカメラケージで似たことになっているかと思います。このケージに関しては前述のグリップの内側で一周する構造になっていますので、三連ボタン周りがケージで隠れることがありません。
右手側のプレートを別パーツにするという凝った構造のおかげで実現できているのだと思います。FALCAMやるやん!!と思った部分です。
尚、サイドプレート上部は、右手部のストラップホールにハマる構造になっています。サイドプレートはケージ本体部と下部のネジが2本で止まっていますがこの構造のおかげで高い剛性を保っていると思います。というか、これ見たときにも「ほほ~ぉ、これ面白いアイデアやん」となりました。とにかくアイデアを感じる製品です。
ただし、この状態ですとストラップホールが狭くなるので幅太タイプストラップが使えなくなる点に注意が必要です。(最近何かと話題のFALCAMマグリンクなら普通に通るはずです。というか、アレは〇ークデザインのアンカーリンクスよりよさげ)
ツイストしにくい
底はネジ一本で止まっている場合ツイストしてネジが緩む、というのを多くの方が経験しているかと思います。このケージの底面にはラバーでしっかりと固定しつつ、前面には大きめのツイスト防止のしっかりとしたウォールがあります。
長時間は試せていないのですが、この構造だと緩んでいきにくいでしょう。
底面プレートはアルカスイス互換、マンフロット互換、FALCAM F22のトリプル対応
アイデアてんこもりのFALCAMが最近底面部に導入したF50と呼ばれるプレート規格。実はマンフロットプレート互換の幅になっています。
もちろん、ベース側も互換品が多いので全ての組み合わせで使えるわけでは無いと思いますが、下記のクランプ部にはピッタリハマるはずです。
余談になりますが、下記の2つのクランプはワンタッチで装着が可能になる機構にはInterBEEで触って驚いたものです。
【3224】F50 スクエアクイックリリースキット(左)と【3227】F50 ロングクイックリリースキット(右)
多くのアルカスイスクランプも使えると思いますが、アルカスイス互換品ってのは実に多様で全て綺麗にハマるかどうかは不明です。まぁこちらもFALCAMのクランプつかっておけば間違いないはずです。
XLRユニットと干渉しない
こちらも重要なポイントです。このケージを付けてもXLRユニットの装着は可能です。ただし、トップ部のF22がXLRユニットに隠れる形となりますので、トップハンドルなどのパーツがつけられない状態となります。トップハンドルと併用したいというのならばなんらかの工夫が必要となりますが、いまのところそのソリューションは思い当たらないです。
F22規格が計4か所ある
F22規格のプレートはFALCAMの独自規格でワンタッチで各パーツを取り付けられる、画期的とも言える機構です。F22規格がいかに優れているかは以前も紹介した下記の動画・記事でお分かりいただけるかと思います。
尚、以前紹介したGH6のケージは右手側にF22プレートが付いていませんでしたので両手ハンドルを取り付ける場合にちょっとしたパーツを導入する必要がありました。
今回のS5II/S5IIX用ケージでは両サイドにF22プレートが実装されていますので、この様に簡単に両手ハンドル運用ができます。
トップ部、底面部にもF22規格があるのでそれぞれパーツを取り付けることができます。
当然、ポート類との干渉を考慮した設計になっていますので、ケーブル接続をされる方も安心の構造となっています。
加工精度が高い
多くの方が口にしている通り、FALCAMの製品はその加工精度が高いです。このケージは実は複数のパーツの組み合わせで出来ているのですが、加工精度が高いので遠目には一体型のアルミ削り出しに見えたりします。そして無駄に?グリップ部にはライン加工がされてたりします。そしてちゃんと曲面加工されてますので握り心地も良いです。
こういうところのコダワリは他のリグメーカーには見られない部分です。ケージというパーツの特性上、各種部品を取り付け取り外しを多く行うものなので、長く使えばキズがついていきます。ですが、傷をつけたくないと思えるほど美しく感じます。(いい事なのか悪い事なのか、ある意味気を使うクオリティですわな)
尚、このグリップ部は内側に広がる構造となりますので、例えばS Pro50mmなどの巨大なレンズを付けた場合は指を差し込むスペースが狭まります。
S Pro50mm F1.4は所有している中でも極太レンズですがクリアランスはこんな感じ。指が太い人にはやや窮屈に感じるかもしれません。尚、F1.8シリーズだとクリアランスは十分なので全く問題ないと思います。むしろ握った感は好感触です。
一旦のまとめ
とりあえず、サンプルを送って頂いた夜な夜な弄りまくっていたインプレッションを書き連ねてみましたが、やっぱFALCAMらしいアイデアが詰まった製品でした。単純にプロダクトとして美しいのでS5II/S5IIXのケージはコレを待っていた!という人も多いはずです。
もちろんFALCAMのケージはFALCAMのパーツをつかってこそ真価が発揮できるので、既にFALCAMのパーツをお持ちの方へは強くお勧めしたい製品です。1/4インチ穴が各所に配置されてますので必ずしもFALCAMパーツを使う必要は無いのですが、特にF22パーツの「ワンタッチ着脱」を経験すると広く普及しているNATOレールが「メンドくさ!」となること受けあいです。
FALCAMのパーツは既に多く存在していますので、これからFALCAMのパーツを集めて大人のレゴブロックを楽しみたい方(っているのか知らんけど)にもお勧めです。
とりあえずファーストインプレッションでしたが、使い込んでまたちょいちょいTwitterなどで感想を述べていきたいと思います。
いや、テンション上がる製品でした。マジで。
筆者:SUMIZOON
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
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