とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 日本一マニアックな?一眼動画に関する機材や撮影情報の発信を目指して色々書きます。Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。

「FX5の1660万画素」の正体を追う。α7R VIセンサーとクアッドベイヤーの深い関係を勝手に妄想する

はじめに

動画界隈では猫も杓子も持っている(ちなみに私は持ってないけど)SONY FX3。そのFXシリーズの最新機種FX5が発表間近ということで、今のところのリーク情報をまとめつつ、私なりの想像(というか妄想)を書いてみたいと思います。例によって私の予想は大きく外れることが多いので話半分に読んでいただけたらと思います。

https://www.sonyalpharumors.com/ より引用

SONY FXシリーズのおさらい

FXシリーズには現行機種として下記がラインナップされています。

FX2

FXシリーズの最新機種のFX2ですが、EVFを搭載している点が特徴の一つ。ミラーレス機であるSONY α7IVと同じセンサーを搭載している機種です。
このセンサーは画素数がある程度多いことも相まって読み出し速度が遅い点が挙げられます。4K60pはAPS-Cクロップとなりますので、この点が動画撮影におけるネックになるというユーザーも多く、次に挙げられるFX3に比べて残念ながらさほどユーザーが多くない印象です。

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FX3

ご存知FX3です。正確にはFX3Aという品番のものが現行機種です。FX3は液晶パネルなどの部材がディスコンになった段階で高画素の液晶パネルにマイナーチェンジとして型番変更されたという認識です。ちょいちょい差分はありますが、基本性能自体は初代のFX3と変更はありません。なおFX3の基本性能はSONY α7SIIIがベースになっています。撮影できるフォーマットには違いはありませんが、FX3の場合はBlackmagic DesginのVideo Assist 12G HDRとの組み合わせでBlackmagicRAW収録が可能になっています(AtomosレコーダーでのProResRAW収録も可)。

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FX30

FXシリーズ唯一のAPS-C機です。FXという型番はフルサイズのための型番じゃなかったんかい!というツッコミを入れた記憶があります。この機種に関しては過去にPRONEWSでレビュー記事を書きましたのでご興味のある方はこちらをご覧ください。

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FX6

FX3と同じセンサーを搭載したボックス型カメラ。手ブレ補正は無いですが、その代わりに内蔵NDフィルタが備わっています。可変NDといえどもクリアにするためには機械的にフィルタを退避させる必要があります。この機種の場合下方向にサーボモーターでNDフィルタを退避させる構造であり、マウント下部のエリアが広いのはこの可変ND退避の都合もあると思います。FX3同様に外部BRAW収録対応です(AtomosレコーダーでのProResRAW収録も可)。

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他にもFX9(2019年12月発売)がありましたが、現状はディスコンになっています。

とまぁ、ここまではAIででもチャチャっと書ける内容ではありますが、ここからが本番です。

SONY FX5の噂

現状FX5のスペックの噂をまとめてみました。

・1660万画素のフル積層型CMOSセンサーを搭載
・トリプル・ベースISOの搭載  
・Open Gate 5K 3:2 記録に対応
・X-OCN LT形式による内部RAW記録
・BIONZ XR 2プロセッサーとAI AF
・3.5インチの大型バリアングルモニター
・FX3の形状に似ているものの、やや厚みが増している

特に、私が注目した点は1660万画素の積層型センサーという点です。これについてみた瞬間、なるほどうまいやり方よね。と妙に納得してしまいました。

SONY FX5は実はあのセンサーではないのか?

FX3にせよFX2にせよ搭載されているセンサーは過去に実績のあるセンサーを搭載しているという流れになります(FX30は後にα6700に搭載される流れなのでFX2/FX3とは違うけど)。

SONY機のセンサーの搭載流れ(α7SIIIが起点)

FX3はα7SIIIからFX6そしてFX3の流れです。そして、FX2はα7IVのものを使用していたと記憶しています。

SONY機のセンサーの搭載流れ(α7IVが起点)

ですが、FX5の1660万画素というセンサーは過去に聞いたことがないと思います。つまり表面上で判断する限りはこのセンサーは(1660万画素が本当だとして)FX5に初搭載ということになります。

さて、ここで一つの疑問が湧きます。FX5のセンサーは本当にFX5だけのために作られたのか?という点です。

今のカメラビジネスを考えるとその答えはおそらくNOだと思います。低画素数のカメラというのはスチルカメラに比べて比較的販売数が期待出ないというのが現状でしょう。過去のα7S/α7SIIも監視カメラに転用されたり幾つかのカメラに搭載されていた背景もありますが、とても一機種では高額な開発費がペイできるほどの数が出ないというのが現状でしょう。α7S/α7SIIからα7SIIIまでの相当な時間がかかった背景にはポンポンとセンサー開発ができないという事情や、低画素数でのビジネスが成り立つスキーム作りに時間がかかったという事情が見え隠れします。

ベースはα7RVIのセンサーでクアッド化したものなのでは?

では噂されているFX5の1660万画素というのは何なのか?この噂されている画素数に一つのヒントがあると思っています。

※ちなみにFX3は1026万画素ですが、クアッドベイヤ構成であることが過去に解析会社のレポートで明らかになっています。つまり実質的には4000万画素のセンサーがベースとなっています。おそらくですがSONYはα7SIII/FX3のセンサーを通常ベイヤに展開する構想はあったのだと思います。が、それを搭載したカメラは実現しなかったというのが筆者の見解です。

実はFX5のセンサーは

1660万画素x4 = 6640万画素

なのではないかと仮定してみます。

この画素数、どこかで見覚えはないでしょうか?
そう。α7RVIの6680万画素がその画素数に非常に近いのです。以前からこの手の話は書いてきました(下記記事参照のこと)が、今回のFX5では十分にあり得そうな話だなと思います。
過去記事:OMDS OM-3に4100万画素センサーの搭載はあり得るか? - とあるビデオグラファーの備忘録的ブログを参照のこと

FX5の画素数(1660万画素の噂)の4倍の画素数の関係のα7RVI
https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7RM6/feature_3.html

記録画素数がα7RVIの9984 x 6656に対して、FX5の3:2での画素数が4992 x 3328あたりの記録画素数であった場合は、α7RVI派生センサーである確度が非常に高いと推測します。
そもそもα7RVIのセンサーはノンクロップの4K120pが可能です。これは2x2画素混合によるビニング読み出しによるものと断定してもいいと思いますが、少なくともα7RVIのセンサーをクアッドピクセルのフィルタ構造にすれば、リアルな水平5K読みからの4K120p読み出し(クロップレス)を実現できるということになります。

α7RVIはクロップレスの4K120p撮影が可能(2x2ビニングと推測)

https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7RM6/feature_3.html

なお、4K120p(4画素混合時と推測)時のα7RVIのローリング速度はCineDの測定結果より6.2msec(16:9画角)ということがわかっているので、実質160fpsの速度が出せることになります。勝手に妄想するならFX5のセンサーは4992 x 2808全画素読みを160fpsで記録できる実力があるということです。

www.cined.com

文章だと分かりにくいので図に示します。以下のイメージはα7RVIのセンサーをOCF(オンチップカラーフィルタ)の構成を変更し回路部分はそのまま流用したと仮定した場合の図です。

α7RVIセンサーをクアッドベイヤとしたら?の図

そして、基本は隣接同色をアナログ混合で読み出してしまえば、α7RVIの倍の速度(常に5K160p相当)で読み出すことができる※というわけです。
※CineDのα7RVI 4K120pのローリング速度実測より。
コレだと設計段階で2つのセンサーの使い方を想定して回路を構成し、製造時に2つのセンサーに振り分けるという2品種展開ができるので、センサーの開発費を大きく下げることができるとメリットがあります。
なによりFX5に求められているのは速度とFX3を少し超える程度解像度であるなら(配線層やOCFだけの軽微な変更で)α7RVIのセンサーを流用しない手はないと思います。
そしてクアッドピクセルの場合は駆動方法によっては隣接間でのゲイン差をつけて強力なダイナミックレンジ拡大を行うことも可能でしょう(本命はここにあるのかもしれないけど)。
というわけで、これ、なんとなく現実味があると思いません?

ベイヤ配列とクアッドベイヤ配列
SONY HPより引用
https://www.sony-semicon.com/ja/technology/mobile/autofocus.html

1660万画素の解像度ではAPS-Cクロップ(約Super35mm)の場合4K解像度が出ない問題はある

コレは幾つかの人が言われていることですが、水平5KのセンサーでFX5が出てくるとなるとAPS-Cクロップの場合の水平画素数は3333画素付近になり、4Kの3840画素にやや足りません。とはいえ、コレはおそらくAPS-Cクロップでも4Kモードが搭載されるものと推測します。というのも過去にもSONYは4K以下の画素数で4K記録モードを搭載している機種が存在(と推測)するからです。つまりはアプコン。

3300画素ほどあれば解像度が足りないながらも多くの人には気づかれないそこそこの解像度が出るはずですので、そういったアプローチを搭載してくるかもしれません。
また、10K全画素読みのモードを搭載したら2x2クアッドベイヤ読み出しより少し解像度は上がるはずですのでそのモードを搭載している可能性は(かなり低いけど)あると思います。

マルチゲインによるダイナミックレンジの拡大は搭載してくると思う

少し前に書いた以下の記事をご覧になった方もおられると思います。ここではSONYがα7RVIにこっそり?搭載したデュアルゲイン撮影技術に関して説明しました。
ですが不思議なことに、この技術はSONYはかなり控えめに発表しています。実はこの技術はもともとFX5で大々的にぶち上げる予定だったからでは?と邪推せずにはいられません。

sumizoon.hatenablog.com

上記記事で書いたことをそのままFX5(の妄想)に当てはめると少なくとも4K60pまではダイナミックレンジ拡張モードが使えるという予想です。

NDフィルタは多分搭載されない

まぁ、流石に今回もNDフィルタは搭載されないでしょう。というのもこのボディではNDフィルタの退避ができないと予想されるからです。

https://www.sonyalpharumors.com/#google_vignette

電子NDといえども透過率を100%にすることはできないので、FX6のところで述べた通り、必ず機械的な退避箇所が必要。ということを書きました。
この機械的な要素を増やすというのはサイズとして大きなペナルティを払うことになります。小型化を売りにするハンドヘルド機へのFXにNDの搭載は冷静に考えるとやらないはずです。

BURANOは上方待避型(右図)
FX6は下方待避?いずれにせよかなりデカくなる


ちなみにND0(クリア)の場合、電子NDを単純に待避させるばOKというわけではありません。単純に待避させるとND挿入時と光路長がズレるので屈折率や厚さが同じ透明なガラスを電子NDの代わりに差し替える必要があります。てなことを考えると...

ND非搭載で小型ボディ数 >> 大型化してでもNDを搭載を望むユーザー数 

という事実はマーケティングをしなくても予想がついてしまうかなと。
コストの問題もあるでしょうし、小型ハンドヘルド機にNDが搭載される未来はまだ来ないかなと。。個人的には大型化してもND搭載を望む側ですが、ビジネス的にそれをやるとコスト増、ボディ大型化、販売価格上昇→販売数の低下を引き起こす可能性が高いと思うのです。

まとめ

今回は誰も触れない、書かない裏側のストーリーを妄想で書きました。あくまで妄想です。
ですがFX5が1660万画素台で出るなら、このストーリーはそあり得なくはないかなと思います。というか、普通に経営判断するとしたら、完全独立で1660万画素のセンサーを単独開発するということはおそらく無謀。ましてやコストのかかる積層センサーだと尚のことかなと(おそらく単独開発の完全新規センサーなら100万円以下でFX5を買えることはないと思います)。
おそらく数日中にはFX5が発表になるでしょう。インフルエンサーやレビュー記事でコレらのことを触れる人はいないと思います。むしろ「完全新開発センサーやべー!という記事やYoutubeがいっぱい出るかもしれません。が、ちょっと各種情報はチェックしていきたいと思います。

余談ですが、FX3は解像度が足りんと思って避けてきましたが、噂が本当ならボディだけ導入してEFレンズで運用しようかなとちょっと考え中。

あとはFX3/FX2の市場価格がFX5の登場によって変化するのか?に関してはウォッチしていきたいと思います。ではでは

筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

 

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