散歩のお供にスゲー古いカメラを持って行ってスナップ動画を撮るというものを時たまやりたくなるSUMIZOONです。
以下は、グレーディング(という程度ではなく、少しトーカンカーブを弄った程度)して即日完パケた映像が下記になります。
ガチシネマカメラを超える評価を得たGH2とは何だったのか
今の若い人はほとんど知る由もないですが、10年近く前に発売されたGH2は一眼動画の草分け的存在のマイクロフォーサーズカメラです。この機種に関しては以前にも記事にしていますが、ある意味ハックする事に夢中になった人もいれば、これでガチの映画まで撮った方々もおられます。また、当時これで撮られていたテレビドラマさえあります。
その映像は2020年の現在でも色褪せる事はないと思っています。少し前に公開した↓も、驚いて頂いた方も多かったです。
それもそのはず、このカメラはガチの制作用のARRI Alexaに対してZacuto主催のブラインドテストで勝ってしまったと言う「ホンマかいな?」と言う実績があります。当時私の映像関係の貴重な情報源だった黄色いブログにその解説が載っていますが、結果は下記の通りです。
ご存知の通り(かどうか知らんけど)、ARRI Alexaは多くの劇場用映画が撮られていて、CMでもかなりの使用頻度で使われるガチの制作カメラです。それを押しのけて数万円のカメラがトップに立ってしまったと言うのは当時、動画界隈ではかなりザワついていたのを覚えています。グレーディングした結果なのでそもそも比べるのどうよ?と言う意見もありますが、条件によってはAlexaをも上回ってしまうポテンシャルも持っているとも言えます。
尚、2度目のGH2購入時の価格は1万5千円です。場合によってはもっと安く買えます。
今思うと、なんと言う無茶なブラインドテストしたんやと思います。軽自動車とフェラーリを同じサーキットで競争させて結果、軽自動車がトップでしたと言う。。。
何はともあれ、ロマンを感じずにいられない珍事件だったのは間違いないです。
ハックすることで高画質化するバケモノ
ちなみに今回の映像はFHDでのALL-Iフレーム150Mbpsという今現在発売されている一眼ですら搭載されていない様な高ビットレートによる撮影になります。まぁセンサ自身は解像度が無い古いモノですし、ダイナミックレンジも全然低いですが、ハックされていないGH2に比べたら全然情報量が違います。尚、標準ファームのビットレートは24MbpsですのでHacked GH2は6倍以上のデータ量を持つバケモノに進化します。ただし、この150Mbpsのプロファイルはかなりカードの要求スペックが高いので、ウチのV30のエキプロだと長尺撮影だと止まります。。。
これがフレーム解析したものです。全てイントラフレームで構成されているIntravenusIIというプロファイルを使用して撮影しています。
ハックの仕方は過去記事↓を参考にしてください。
かといって万能機では無い
じゃあ、これでイマドキのカメラが撮れる映像が軒並み撮れるのか?と言われるとそんな事は無いと思います。(そりゃそうだよね。。)いくらバケモノ級のビットレートを持つからと言って元の解像度もダイナミックレンジもかなり劣るので、クリーンな映像を撮るには向かないです。特にグレーディングを前提にした素材を撮るなんてのは不向きです。(あくまで今どきのカメラに比べればです)
また、動画撮影中のワンプッシュAFなんてものを機能しませんので、イマドキのGHシリーズに慣れた人に撮っては「こんなんで撮れるか!」っていうシロモノです。
じゃあなぜGH2を今、使うのか?
じゃあ、なぜこれを使うのかというと、一つは男のロマンだからというしょーもないもの。もう一つがコレにしか撮れないなんとも味のある映像が撮れるからというものです。じゃあ、どんな映像なのか?というと私自身も明確な記載はできないのがもどかしい所なのです。
ですが、私なりの考察として一つ言えるのは、このカメラはハイライト側のレンジが全く足りていないので白飛びを気にすると結果、かなりのアンダーで撮らざるを得ない事からこの味が発生しているのかなと思っています。ハイライトを気にするあまり撮った映像は軒並みアンダーになる事が多いのです。そして、それらアンダーで撮られた映像は絶妙に色乗りが悪いのです。悪いと言ってもこれが欠点というわけではなく、それが非常に渋く見えるという結果を招きます。
一旦これがクセになると、なんか、これはこれでスゲーいいかも。。と思うようになります。(私だけかもしれんけど。。。)
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パナソニック 単焦点レンズ マイクロフォーサーズ用 ライカ DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. ブラック H-X025
- 発売日: 2011/07/22
- メディア: エレクトロニクス