とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

最もラクな一脚? IFOOTAGE COBRA3 C180F-Pレビュー

今回はIFOOTAGE COBRA3一脚シリーズの中の一本である「IFOOTAGE COBRA3 C180F-P」について書いていきます。

既にPRONEWSや多くのメディアで取り上げられているので、気になる方はそれらサイトも参考にしつつご覧いただけると幸いです。

IFOOTAGE COBRAは自立一脚のシリーズで、それぞれA180F/A180T/C180F/C180F-Pが本日6/8より発売されます。

https://www.asanumashoukai.co.jp/f/cobra3-series より引用

それぞれ4つのラインナップは下記の通りです。

・A180F:アルミニウム自立一脚 レバーロック式
・A180T:アルミニウム自立一脚 ナットロック式
・C180F:カーボン自立一脚 レバーロック式
・C180F-P:カーボン自立一脚 レバーロック式 + ロックコントロールペダル

つまり、頭文字のA/Cはアルミニウム/カーボン、180の後のT/Fはナットロック/レバーロックを、-Pはロックコントロールペダルの有無を示しています。

一脚の先端に取り付けるスタンド(三脚部)はペダル無し/ペダル有りのタイプが単体販売されるので、ちょっと変則的ですがA180Tの先端をBASE-Pに付け替えればA180T-Pに相当する「アルミニウム自立一脚 ナットロック式+ ロックコントロールペダル」の自立一脚システムを組むことも可能です。わざわざこの組み合わせを選ぶ需要があるかどうかは不明ではあるので、アルミニウム+ナットロック式によほどのこだわりがない限りはこの組み合わせを組む必要は無いと思います。よって、ロックコントロールペダルを使いたいのであればC180F-Pを購入するのが無難です。

C180F-Pは前述の通り、レバーロック式のカーボンの自立一脚でスタンドはロックコントロールペダルのタイプのものが付属しています。

今回、C180F-Pの最上位モデル(と表現していいのかは不明ですが)のサンプルを代理店さんに送って頂いたので、この製品がどのようなものなのかを見ていきます。

IFOOTAGEと言えばこの赤いパーツが印象的で今回もカッコいい

IFOOTAGE C180F-Pを使うにあたって用意したもの

先に説明したA180F~C180F-Pまでの4ラインナップは雲台が付属していません。自立一脚はビデオ雲台を取り付けて使用することが一般的ですので、本記事では私が愛用しているIFOOTAGE Komodo K5を取り付けた例を紹介していきます。

ビデオ雲台Komodo K5(別売り) 風景撮影などでいつもお世話になっている雲台

Komodo K5はカウンタバランスの調整機構が無いタイプのビデオ雲台ではありますが、ちょっとした撮影や、長距離を移動する動画撮影で使用頻度の高い機材です。今回のIFOOTAGE C180F-Pはライトに撮影するための自立一脚ですので、
C180F-P + Komodo K5の組み合わせがバランス的にもベストと思います。

ちなみにKomodo K5に付属しているマンフロット互換のプレートは非常に秀逸です。小型ボディに大型のレンズを取り付けた際に、プレートとレンズが干渉する事を避ける構造です。

IFOOTAGE Komodo K5 | アサヌマネットショップ

IFOOTAGE C180F-Pの特徴説明

この一脚は最大に伸ばすと180cmとなり、カメラをその上に配置すると2m近い位置からの撮影ができます。デカい人も安心です(笑)。というか、この長さは先端にジンバルを取り付けて疑似空撮を行うのにも良いかと思います。

特徴①:比較的軽量

まぁ、私8年近く使っている自立一脚が1400gと少し重かったというのもありますが、本製品の一脚+スタンドの重量は実測1221g※。たかだか200gの差ではあるのですが、意外なほど軽く感じました。ちなみにビデオ雲台KOMODO K5(760g)※を載せると約1980kgと2kg以内に収まります。

※モジュラーのオス側のプレートをKOMODO K5に取り付けたままで重量を計っていましたのでC180F-Pとしての重量はスペック通り1270g程度でしょう。いずれにせよ総重量は2kg以下となります。

特徴②:モジュラー方式である

A180F/A180T/C180F/C180F-Pのいずれの製品もスタンド(三脚)と一脚部が切り離せるタイプのモジュラー方式となっています。スタンドと一脚の間はワンタッチで着脱が可能なクイックリリースシステムが採用されています。IFOOTAGEの製品は、この手の加工精度の高いギミックが多いのですが、今回も良くできていると思います。

 

赤いリングを下に押し込むと一脚の根本がワンタッチで外れる構造となります。少し押し込む力が必要ですが、これは不用意に外れてしまう事を考慮しての事と思います。

自立用のスタンドが不要な場合は外れた一脚の先に付属の石突ゴムを取り付ければ通常の一脚スタイルとなります。

また、スタンドを雲台を直接接続することも可能ですので、ローアングルで撮影したい場合に便利です。

足の高さは3段階で固定することができるので大まかな高さ調整を行うことが可能です。当然広いほど安定します。

三段階にスタンドの足は調節可能

特徴③:スタンドの広さ

先にも述べた様にスタンド部の足の広さは結構広いです。

そもそも、自立一脚ってのはあくまで自立はするけどカメラを載せたまま手放しをすることはNGだと考えています。特に屋外での撮影は風が吹くので、カメラ機材を一脚に載せて立てたまま放置すると、知らない間にぶっ倒れてしまうなんて事が起こりえます。無論、高い位置から倒れれば機材の破損に直結します。

なので、自立一脚は常にカメラマンが一脚部もしくはカメラに手が触れていることが前提です。とは言え瞬間的に手の届く範囲内で手を放す事もあります。その場合に重要になるのが、スタンドの広さです。

15cmのこのスタンドの安定度は高いので安心感があります。

最大に広げると安定感が高い

特徴④:ロックコントロールペダル

ロックべダルはC180F-Pに搭載されているスタンドのみの機能ですが、ペダルを踏みこむとロックが解除され、一脚を斜めに向けることができる仕組みです。

このスタンドはもう一度ペダルを踏みこんで、一脚部を垂直に戻すとペダルが跳ね上がり再びロックされる仕組みとなっています。つまりロック解除はペダルを踏み込む。解除にはもう一度踏み込んで垂直に戻す。

傾きは最大40度までの可動域になります。よって40度以上傾ける必要がある方にはこのタイプのペダルは不向きですので

・A180F:アルミニウム自立一脚 レバーロック式
・A180T:アルミニウム自立一脚 ナットロック式
・C180F:カーボン自立一脚 レバーロック式

のいずれかをお勧めします。

また、スタンド上部のダイヤルを調整することで動きの滑らかさを変更することができます。

ロックコントロールペダル活かせる場、いかにラクかについては後述しますのでそちらも読んでいただけると幸いです。

特徴⑤:細かいギミック

IFOOTAGEの製品を使って感心するのは、配慮が行き届いている事です。すごく細かい話ではありますが例えばコレ。

この製品には六角レンチがリング状のアタッチメントとして備わっていて、いざ各可動部の締め増しが必要になった場合に使えます。

写真だとちょっとわかりにくいですが、下記の一脚から外したパーツの中に六角レンチが備わっています。

いやねぇ、こういうところですよ。結局撮影現場で(頻度は少ないにせよ)可動部のネジがが緩くなるという可能性もあるわけで、そういった場合にすぐに対処できるってのはありがたい話です。

ロックコントロールペダルが活躍する場面

実はコレ、めちゃくちゃ便利です。手元にノーマルタイプのスタンドが無いので詳細は分からないですが、A180F/A180T/C180Fに付属しているスタンドは足元を傾けるためになんらかの手作業が必要です。それに比べてC180F-Pのタイプは足でロック/ロック解除ができる機構。実際コレがどういった状況で役に立つかというと疑似ドリー撮影です。

近く作例は公開できるかと思いますが、被写体に対して前後移動させて撮る様な場面で大活躍します。この手の撮影ってのは正確にやろうと思うとスライダーを使うのがベストでしょう。スライダーは屋外でのセッティングは面倒ですし、三脚が必要になります。では、ジンバルでこれを行えるのかというと実はこれも難しいです。ジンバルは手元の回転方向のブレをキャンセルする動きはできますが、左右上下にシフトする動きにはほとんど効果はありません。(歩き撮りで上下動が消せないのはそのためです)

一脚を使って前後に移動させた場合はこのシフトブレが起きにくいのです。思い立った時にペダルを踏んで疑似ドリー撮影に移行ができるので非常にありがたいですし、不要ならペダル踏んで戻せばいい。手を一切使わないのが超便利。効率が良いというのはそれだけ撮れ高が上がる事になります。(尚、この手の疑似ドリー撮影は弧を描く軌跡になりますが撮れた絵をみると気になりません。)

稼働域はそれほどないのですが、画角と被写体の距離によっては十分な映像効果が得られます。

もちろん、疑似ドリー撮影だけでなく、一脚を垂直から少しずらした所で使いたいという状況もあるでしょう。長玉で撮影する場合なんかも一脚が垂直の状態だと被写体が追いにくいというのは多くの方が経験があるかと思います。(というか普通傾けるよね)そういった場合に足元でワンタッチでロック・ロック解除操作できることはラクなのです。

まとめ

結局IFOOTAGE COBRA3のシリーズでは4つのラインナップがあるわけですが、一脚を考えている方にとってどれがいいのかを述べておきます。あらためて4つのラインナップを記載すると下記です。

・A180F:アルミニウム自立一脚 レバーロック式
・A180T:アルミニウム自立一脚 ナットロック式
・C180F:カーボン自立一脚 レバーロック式
・C180F-P:カーボン自立一脚 レバーロック式 + ロックコントロールペダル

一脚のセッティングに時間をかけたく無い方

ナットロック式を避けてレバーロックのA180F/C180F/C180F-Pになります。ナットロック式は締めた感があるので伸縮部をしっかり固定できますが、よほど重い機材を載せない限りレバーロック式で何ら問題はありません。一脚は機動力が物を言う機材だと思っていますのでレバーロックの手軽さを選ぶべきと私は思っています。

機材の可搬性、重量を気にする方

カーボン製のC180F/C180F-Pの二択です。

コストを気にする方

アルミニウム製のC180F/A180Tはカーボンよりも重量がありますが、200gの重量増を気にしないのであればこちらを選ぶものアリだと思います。

疑似ドリーをしたい人

C180F-P一択 ただし可動域は通常のタイプに比べて狭いですが、私的には十分

てなわけで、少々コストがかかりますがC180F-Pがなんだかんだ万能です。

全4ラインナップとも浅沼商会さんで扱っていますので気になる方はチェックしてみてください。

IFOOTAGE COBRA3 C180F-P | アサヌマネットショップ

IFOOTAGE COBRA3 C180F | アサヌマネットショップ

IFOOTAGE COBRA3 A180T | アサヌマネットショップ

IFOOTAGE COBRA3 A180F | アサヌマネットショップ

www.asanumashoukai.co.jp

筆者:SUMIZOON

Facebookグループ一眼動画部主宰

Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人
チャンネル登録して頂けると幸いです。

f:id:sumizoon:20200713234902p:plain