とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ

ビデオグラファーsumizoonのブログ 一眼動画に関する機材や撮影方法を中心に情報を発信していきます。

ついにFX3 / FX30でBlackmagicRAW(BRAW)収録が可能になった

本日2025年8月26日にSONYがFX3/FX30のファームウェアアップデートが公開されました。このファームウェアアップデートの目玉の一つはBlackmagicRAW(以降BRAW)収録が可能になる点ですが、今回はこれについて書いてみたいと思います。

なお、当方は普段からLUMIXではBRAW収録はしているものの、(何度か使っているものの)FX3/FX30ユーザーではありませんので実際の使用例を示すものではありませんが、それぞれ想定される必要事項などを記載していきます。

本件に関してですが、昨年秋にSONYがアナウンスしていたBRAW対応するよ!というアナウンスがありましたがそれがついに実現されたという形になります。(下記記事参照のこと)

jp.pronews.com

FX3/FX30でBRAW収録を可能にするには

BRAW収録で必要なものは下記の5点です。

・カメラファームウェアアップデート
・Video Assist 12G HDRの導入およびアップデート
・DaVinci Resolve STUDIOのアップデート
・高品質なHDMIケーブル
・Video Assist 12G HDRのストレージ(SDカード/SSD

の5つが必ず必要になるという認識です。カメラとVideo Assist 12G HDRは汎用的な通信をしているわけではなく、カメラ固有の通信をしていますのでVideo Assist 12G HDRは必ずアップデートする必要あります。また、Video Assist側の記録もカメラ特有のメタデータを参照することになりますのでDaVinci Resolve側のアップデートも必要になるはずです(過去の例から考えても必要で、一見動くように見えてもWBの調整など古いVer.だと不具合が発生することがほとんど)。

FX3/FX30/FX3Aファームウェアアップデート

以降、BRAW収録に必要な事項について書いていきますが、まず必ず必要なものはカメラ本体のアップデートになります。それぞれ下記のページから本体をアップデートする必要があります。

FX3ファームウェア

FX30ファームウェア

FX3Aファームウェア

Video Assist 12G HDRの導入およびアップデート

FX3/FX30ユーザーでのBRAWの外部収録ではVideo Assistと呼ばれる外部レコーダーが必要になります。

ちなみに私が使っているのは5インチタイプです。7インチは画面が大きくて見やすいのですが、(私は)大きすぎて外で収録する気になりません。それと、Video AssistシリーズはいくつかありますがBRAWが収録できるのは上記2つだけです。安いからと言って決して古いVideo Assistを(BRAW収録目的で)買ってはダメです。

なお、2025年8月26日現在Video Assist 12G HDRのアップデートは公開されていませんが、過去の例から言ってカメラのファームウェアアップデート公開後、数日で公開される例が多いです。以下のページからアップデートをチェックしてみてください。

www.blackmagicdesign.com

サポートページでモニタリングを選び最新のダウンロード情報をチェック

HDMIケーブル

無論HDMIケーブルが必要になります。HDMI2.1に対応したものが確実だと思いますが、経験上HDMI2.0対応のケーブルでも通信が可能です。ただし相性問題があるのでここらへんはご自身の責任もと導入・使用してください。ケーブルは30cmほどあれば十分だと思いますし、長いとかさばるので短く、配線が細いものを選んだ方がすっきりすると思います。

DaVinci Resolve STUDIOのアップデート

こちらも今DaVinci Resolve Studioの最新Ver.は 20.1.1です。これがFX3のBRAWに対応したバージョンなのか確認はとれていませんあが、DaVinci Resolve側のアップデートが必要となるケースもあるかと思います。

ストレージ

Video Assist 12G HDRではSDカードおよびSSDの収録が可能ですが、低圧縮の記録では高速なSSDが必要となります。

当方で確認している安定して記録できるSSDはSumsung T7 Shieldです。このSSDはかなりの発熱が発生していても速度低下が生じない優秀なポータブルSSDですので個人的におすすめです。

圧縮率が高くても問題ないという方であれば安全を期してV90とかのSDカードをつかっておけば良いと思います。

まとめ

今回のアップデートにより、FX3/FX30という比較的コンパクトかつ機動力のあるカメラでも、BRAWというプロフェッショナルなワークフローが正式に利用可能になります。これは、既にLUMIXやBlackmagicカメラでBRAWを活用していたユーザーから見れば「ようやく追いついた」と感じる部分もありますが、長らくXAVCで運用してきたSONYユーザーにとっては大きな選択肢の拡張でしょう。

特にBRAWは、(当然ですが)DaVinci Resolveとの親和性が高く、ホワイトバランスや露出の再調整を非破壊かつ柔軟に行えるため、ポストプロダクションでの自由度が格段に広がります。これまで本体内記録で十分とされてきたFXシリーズが、より本格的なシネマ運用やグレーディング重視の案件に踏み込めるようになる点は、現場での使い分けを考えるうえで重要な意味を持つでしょう。

もちろん、Video AssistやSSDを追加する必要があるため、外部収録という運用上の煩雑さは避けられません。ですが、映像を「記録」するだけでなく「作品」として仕上げたい場面においては、今回のアップデートは非常に心強い選択肢を提供してくれると思います。今後は、FX3/FX30を中心にBRAWワークフローを導入するユーザーが増えることで、SONYユーザーの映像表現の幅がさらに広がっていくことが予想されます。

おまけ

過去に私がLUMIXとVideo Assist 12G HDRでの組み合わせでBRAW収録した映像をいくつか貼っておきます。

youtu.be

youtu.be

youtu.be

youtu.be

youtu.be

 

筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

 

f:id:sumizoon:20200713234902p:plain